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ヒアルロン酸注入の裏側: メリットだけではないデメリットを解説

ヒアルロン酸注入の裏側: メリットだけではないデメリットを解説

この記事を読んでわかること

  • ヒアルロン酸は保水力が非常に高く、1グラムで約6リットルの水を保持できます。皮膚のハリや弾力に関わる重要な成分であり、製剤の硬さによって使用部位が異なります。
  • ヒアルロン酸注入は形成と肌質改善の目的で使用され、形成用は鼻や顎など特定の形状を整えるのに、肌質改善用は保水力を利用して全体の肌の状態を改善します。
  • ヒアルロン酸の注入は非外科的で時間も短く、ダウンタイムも少ないため、比較的手軽に取り入れることができる施術です。肌質改善目的では注射箇所が多いため、痛みを軽減する塗る麻酔が使用されます。
  • ヒアルロン酸の持続期間は製剤により異なり、一般的には6ヶ月から2年間です。定期的な再注入で持続期間を延ばすことが可能ですが、定期的な施術がデメリットにもなります。

ヒアルロン酸注入は、形の形成や、肌質改善に使われますが、定期的に注入する必要があることや、医師の技術力によって仕上がりに差が出やすいことなどがデメリットとして挙げられます。
しかし、これらのデメリットを上回るメリットがヒアルロン酸注入にはあります。
ヒアルロン酸注入のデメリットやメリット、施術前に知っておきたいことなどを解説していきます。

ヒアルロン酸注入とは何か?

ヒアルロン酸注入の基本を解説します。

ヒアルロン酸の基本情報

ヒアルロン酸は元々人の皮膚や軟骨、眼球などに存在しており、皮膚ではハリや弾力を維持するために重要な役割を持っています。
また、ヒアルロン酸1グラムで約6リットルもの水を保持できるほど、保水力にも優れています。
ヒアルロン酸の製剤によって使用目的が変わり、硬めの製剤は鼻や顎などの形成に使用されることが多く、柔らかめの製剤は涙袋や唇の形成に、最も柔らかいものは、肌質改善の目的で使われます。
このように、ヒアルロン酸製剤にもいくつか硬さがあり、注入部位や目的によって使い分けることで、より理想の状態を作ることが可能です。

参考:Wikipedia – ヒアルロン酸

ヒアルロン酸注入の目的

ヒアルロン酸注入の目的は、大きく2つに分けられます。

1つ目は、部分的な形成や溝の緩和です。

鼻や顎、唇や涙袋といった、お顔のパーツを形成する際に使われます。「低い鼻を高くしたい」「顎先を尖らせたい」「涙袋を作りたい」「唇をふっくらとさせたい」といった悩みを改善することが可能です。また、顔全体のバランスを見ながら年齢を重ねるごとにこけていく部分に注入することで、たるみの改善・若々しい表情への改善なども可能になります。この注入方法を椿クリニックでは「ヒアルロン酸リフト」と言いますが、これと同時に深く刻まれたシワの部分の溝を、平らにするように注入することもでき、より悩みの改善が可能となります。

2つ目は肌質改善の目的で注入する方法です。

肌質を改善する際に注入する製剤は、非常に柔らかいものを使用します。そのため、形を形成することはできませんが、お顔や首にまんべんなく注入し、ヒアルロン酸の保水力を利用して、注入部分の肌の保水力をアップし肌質を改善していくという方法です。肌の保水力がアップすることで、乾燥しにくい肌となり、外的刺激に強く、ターンオーバーを正常にすることで古い角質が取れ、ごわつきやかさつきのない肌に導いてくれます。

ヒアルロン酸は製剤によって硬さが様々であるため、目的によって使い分けることが重要です。

施術方法とプロセス

ヒアルロン酸は外科的な手術とは違い、注射器1本で、短い時間で施術が終わります。
形を形成する際は、注入部分をしっかりと冷やし感覚を鈍くしてから、顔全体のバランスも考慮しつつ、お悩みの部分に適量を注入していきます。注入後は、形をしっかりと整えるために、皮膚の上から医師の手で微調整が行われ、お客様に確認してもらい、満足のいくものであれば施術が終了となります。

肌質改善の場合は、注射する箇所が多くなるため、痛みを軽減するための麻酔を塗っていきます。20~30分ほどおいて麻酔が効いていることを確認したら、施術部位にまんべんなくヒアルロン酸を注入できるようにブロッキングし、施術していきます。肌質改善の場合は、注射箇所が多いため、時間は少し長くなりますが、リラックスして過ごしていただくことがおすすめです。注入し終わったら、固まっているヒアルロン酸を優しくマッサージし、肌になじませていきます。

効果の持続期間

効果の持続期間(生理的な組織の変化)は、使用する製剤や何回目の注入なのかで大きく変わりますが、一般的には以下の期間持続すると言われています。(ご自身の良いと思われる効果の持続期間には差があります)

  • ボリューマXC:硬めのヒアルロン酸で効果期間の目安は24ヶ月(鼻や顎に使用)
  • ボルべラXC:柔らかいヒアルロン酸で効果期間の目安は12ヶ月(涙袋や唇に使用)
  • ボリフトXC:やや柔らかいヒアルロン酸で効果期間の目安は18ヶ月(シワの改善に使用)

また、肌質改善のためのヒアルロン酸はボライトXCを使用しますが、こちらは肌質改善の効果期間として最長9か月間といわれています。

ただし、日々の生活習慣でもヒアルロン酸の吸収速度は変わるため、個人差が大きくなります。また、時間の経過とともに体内に吸収されていくヒアルロン酸ですが、少なからず吸収しきれなかった分が残るため、その上から次のヒアルロン酸注入を繰り返すことで少しずつ効果期間は長くなっていく傾向にあります。

ヒアルロン酸注入のメリット

ヒアルロン酸注入のメリットについて解説します。

自然な仕上がり

ヒアルロン酸は外科的な手術と異なり、1回の施術での変化は自然なものです。
そのため、施術後でも他人に気づかれにくい点がメリットです。

即効性のある改善

ヒアルロン酸は、施術後に腫れなどのダウンタイムがほとんどないため、すぐに効果を実感することができます。
外科的な手術であれば、施術後腫れや赤みなどのダウンタイムが大きく長く出ることがほとんどです。そのため、ダウンタイムが治まるまでは効果を実感することが難しくなります。
また、肌質改善の治療にもいくつかありますが、ほとんどが複数回の治療を受けた後に効果を実感することができます。それに対し、ヒアルロン酸であれば、すぐに肌質改善の効果を実感できる点が魅力です。

ダウンタイムが少ない

ヒアルロン酸注入は注射のみで施術が終わるため、ダウンタイムは内出血や腫れ、むくみ程度で1週間程度で治まります。
肌質改善のためのヒアルロン酸の場合は、注入箇所が多いため、形成のためのヒアルロン酸に比べて、ダウンタイムが長くて2週間程度になる場合もありますが、赤みや腫れ、内出血、痒みなどで治まることがほとんどです。

安全性の高い成分

椿クリニックでは、厚生労働省より製造販売承認を取得したヒアルロン酸使用軟組織注入材である、アラガン社製の「ジュビダームビスタ」を使用しています。

ジュビダームビスタはバイクロスという技術を活用しています。これは、個々のヒアルロン酸分子を化学的に結合させることで、より安定した構造を作り出すプロセスです。この技術により、ヒアルロン酸が体内で分解されにくくなり、その結果、効果が長持ちするようになります。そのため、使用する薬剤や個人差によっても異なりますが、おおよそ半年から1年程度持続します。その他にも以下のような特徴があります。

【仕上がりが滑らか】
ジュビダームビスタ製品は、高濃度のヒアルロン酸を含み、均一な粒子サイズで設計されています。粒子が均一であるということは、それだけヒアルロン酸自体のざらつきがなく、注入した後も凸凹する事のない、自然な仕上がりが期待できます。

【形をキープしやすい】
前述したジュビダームビスタ特有のバイクロスという技術が、注入後も形をキープしやすくしてくれます。体内の組織と自然に統合されるため、徐々に分解されることも、長期間にわたって形をキープし自然な見た目を保持することに役立っています。

ヒアルロン酸注入のデメリット

ヒアルロン酸注入にはデメリットも存在します。

一時的な効果

ヒアルロン酸は、注入後時間の経過とともに体内に吸収されていきます。そのため、効果は一時的なもので、より理想の状態を維持するためには定期的な施術が必要になります。

アレルギー反応のリスク

稀ではありますが、アレルギー反応が起こることがあります。特に、ヒアルロン酸に含まれている麻酔によってアレルギー反応が起こることがあるため、過去に麻酔でアレルギー反応を起こしたことがある人は注意しましょう。
アレルギー反応が起こると、赤みや痒み、腫れなどが強く出たり、長引いたりするため、違和感のある場合はすぐに施術を受けたクリニックに相談するようにしましょう。

施術後の腫れや赤み

ヒアルロン酸は注射器で注入していくため、内出血が出ることがあります。
注入の際には、血管内にヒアルロン酸が入らないように細心の注意を払い施術を行いますが、針によって血管が傷つくことで内出血が起こります。
また、ヒアルロン酸の性質上、肌内部で水分を取り込むため、施術部位が一時的に腫れる可能性もあります。
ただし、1~2週間程度で自然に引いていきます。

不均一な仕上がりの可能性

ヒアルロン酸は医師の技術やセンスによって仕上がりに差が出やすくなります。
特に左右対称に作る必要のある涙袋や、お顔の中心に位置する鼻などは、仕上がりによって顔の印象を大きく左右します。
ヒアルロン酸は数ミリグラムの差でも仕上がりに影響を与えるため、よりデザイン力や技術力のある医師の元で施術を受けることが重要です。

施術前に知っておくべきこと

施術を効果的に受けるための準備について解説します。

施術を受ける前の準備

ヒアルロン酸の施術を受ける前は、シミ取りレーザーやハイフ、フォトフェイシャルなどの照射系の施術は特に問題ありませんが、糸リフトやプロテーゼなどの施術は避けるようにしましょう。これらの施術部位と同じところにヒアルロン酸を注入することで、感染のリスクが大きくなるため、両方の施術を受ける場合は1ヶ月程度間を空けるようにしましょう。
また、施術前の過度な日焼けや飲酒なども控えるようにしましょう。

カウンセリングの重要性

ヒアルロン酸の注入前には、必ずカウンセリングと医師の診察を受け、ヒアルロン酸注入が適しているか診断してもらいましょう。また、形を形成するヒアルロン酸注入の際は、しっかりと理想のデザインを医師と共有し、自分の顔に馴染むより良いデザインを提案してもらうようにしましょう。

施術後の注意点

ヒアルロン酸注入の施術後は、施術部位を揉まない、熱を与えない、血行の良くなる行動は避けるように心がけましょう。
形を作るヒアルロン酸の場合、注入時に理想の形を作りながら注入しています。そのため、ヒアルロン酸がしっかりと定着するまでは、注入した部分を揉んだり圧迫したりすることで、形が変わってしまう可能性があります。
また、注入部分を温めたり、サウナや激しい運動、飲酒などの血行が良くなる行動は、施術後の内出血や腫れ、赤みなどを悪化させたり長引かせてしまったりする可能性があるため気をつけましょう。

反対に、肌質改善のヒアルロン酸注入は、注入した部位全体にまんべんなくヒアルロン酸を広げるため、優しくマッサージをし馴染ませる必要があります。
マッサージの方法などは、施術者にしっかりと確認しておくようにしましょう。

ヒアルロン酸注入の実体験

実際にヒアルロン酸注入を受けた方のお声や症例をご紹介します。

施術を受けた人の声

ヒアルロン酸注入の施術を受けた方の声をご紹介します。

心斎橋院:Googleクチコミより引用

実際のビフォーアフター写真

椿クリニックでヒアルロン酸注入の施術を受けた方の症例写真をご紹介します。

症例1

総額
77,000円(税込)
施術回数
1本
部位
涙袋
年代
20代女性
リスク
疼痛、腫れ、紅斑、内出血、血管閉塞・アレルギー・感染・硬結を生じる可能性があります。
医師の解説
こちらの患者様は、きれいな平行二重ですが、華やかさを出したいとのご希望で柔らかいヒアルロン酸(アラガン社ボルベラ)で涙袋をふっくらさせました。

症例No.11043
※お問い合わせの際は、こちらの番号をお伝えください。

症例2

総額
ボライトXC2本使用 56,100円(税込)~¥75,900(税込)
施術回数
1回
部位
顔全体(額と鼻以外)
年代
40代女性
リスク
疼痛、腫れ、紅斑、内出血、血管閉塞・アレルギー・感染・硬結を生じる可能性があります。
医師の解説
この患者様は、お肌の水分不足からのハリの無さ、毛穴、乾燥からくる赤みがお悩みでした。ボライトを施術し1カ月の施術後の写真は、内側からふっくらし、ツヤが出てお悩み部分が改善されています。

症例No.11070
※お問い合わせの際は、こちらの番号をお伝えください。

施術の痛みや不快感について

施術の痛みは、我慢できる程度とおっしゃる方がほとんどです。また、ヒアルロン酸を注入することで、施術部位に圧迫されるような違和感を感じることがありますが、ヒアルロン酸が体に馴染んでいくことで違和感を感じなくなります。
痛みや違和感が心配であれば、施術前に医師に相談するようにしましょう。

ヒアルロン酸注入が適さないケース

ヒアルロン酸注入が適さないケースを解説します。

アレルギー体質の人

ヒアルロン酸製剤には麻酔の成分が含まれています。そのため、麻酔に対してアレルギー反応を起こしたことがある人は、施術を控えた方がいいでしょう。
他にも内服している薬や既往歴のある人は、必ず医師に相談するようにしましょう。

妊娠中や授乳中の方

妊娠中や授乳中の人は、ホルモンバランスが乱れやすくなります。この関係で、副作用が大きく出たり、肌への負担が大きくなったりする可能性があるため、施術は控えた方がいいでしょう。
出産後や卒乳後に施術を計画するようにしましょう。

特定の持病や皮膚疾患を持つ人

施術部位に感染症のある方、免疫が低下している方、ケロイド体質の方、出血傾向のある方などは、施術を受けることができない場合があります。
注射によって傷ができますが、その傷が治りにくくなったり、感染しやすかったりとリスクが高くなるため、現在何らかの病気のある人や皮膚に問題がある人は必ず医師に相談するようにしましょう。

まとめ

ヒアルロン酸注入は製剤によって、形を形成する目的で使用するのか、肌質改善の目的で使用するのかに分かれます。
ダウンタイムがほぼなかったり、自然な形成が魅力ですが、医師のデザイン力や技術力によって仕上がりが左右されたり、定期的に注入する必要があったりと、デメリットも存在します。
また、施術後のアフターケアも重要になるため、しっかりと医師や看護師から説明を受け、注入部位に気をつけて過ごすことが重要です。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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