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口角のボトックスが効果ない理由を解説。効率的に口角を上げる方法とは

口角のボトックスが効果ない理由を解説。効率的に口角を上げる方法とは

この記事を読んでわかること

  • 口角ボトックスは、口角を下げるときに働く口角下制筋にボトックスを注入し、筋肉の収縮を抑えることで、への字になった口角を持ち上げる治療です。
  • ボトックス注射は、A型ボツリヌス毒素が神経伝達をブロックし、筋肉の収縮を弱めることで口角を引き上げる効果を持続させます。
  • ボトックスの施術後、体を温めたり注射部位を揉むことは控え、数日間は激しい運動や飲酒を避けることが、効果の維持には必要です。
  • 歯並びの影響や、口角を持ち上げる筋肉が衰えている場合、口角ボトックスの効果が実感しにくいことがあります。

口角が下がっていると、どうしても不機嫌な顔に見られてしまいますよね。
そんな口角を上げたいと思った時、効果的に治療できるものがボトックス注射ですが、本当に効果があるのか心配な方もいると思います。
この記事では口角のボトックスを効果的に行う方法や、ボトックスをしても効果があまり見られないという方に向けて椿クリニックおすすめのカスタマイズ治療と共に解説していきます。

注:「ボトックス」とはアラガン社が開発したボツリヌス毒素製剤のブランド名であり、しわ治療の一般名ではありません。
椿クリニックではアラガン社(ボトックスビスタ®)を使用しています。
このコラムでは広く認知されているボトックスという商品名を使用しています。

口角ボトックスって何?基本から理解する

口角ボトックスとは、筋肉の引っ張りなどによってへの字になってしまった口角を、筋肉の収縮を抑え持ち上げる治療です。

口角ボトックスの治療とは:プロセスの概要

口角ボトックスの治療は、筋肉の収縮を抑えるボツリヌストキシン製剤を使用し、強い収縮によって下に引っ張られていた口角の引っ張りを改善し、への字の口を緩和させる治療です。

口角が下がりへの字の口になってしまうのは、口角を下げる原因である口角下制筋が強く収縮することが原因のひとつです。この口角下制筋にボトックスを注入することで筋肉を弛緩させ、口角を上に引き上げる力を優位にします。そうすることで、口角が下がってしまうことを緩和することができます。

ボトックスとは何か?成分と作用機序

ボトックスとは、ボツリヌス菌が生み出す毒素を精製した薬剤の商品名であり、“BOTOX”は、米国アラガン社(Allergen)の登録商標です。ボトックス注射の有効成分であるA型ボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌によって産生されるもので、一時的に筋肉の働きをブロックします。これにより、シワができにくくなったり、筋肉が細くなるため痩身の効果が期待出来たりします。口角に関しては下に引っ張る力が弱まるため、笑った時に口角が上がりやすくなったり、真顔でいる時のへの字の口を緩和することができたりします。
なぜボトックス注射が筋肉の働きを弱めるのかというと、神経から筋肉に「動け」と命令を出しているアセチルコリンという神経伝達物質を、ボトックスが阻害します。筋肉に命令が行かなくなることで筋肉は収縮をやめ、結果皮膚がぴんと伸びた状態になりシワが改善できたり、収縮しなくなった(働かなくなった)筋肉は徐々に痩せていくため例えばふくらはぎの筋肉をターゲットにした時、痩身効果が期待出来たりするのです。
ボトックス注射に使用される製剤はA型ボツリヌス毒素から抽出した毒性のないものなので心配ありません。

参考:Wikipedia ボツリヌス菌

参考:Wikipedia アラガン

口角ボトックスの安全性とFDA承認状況

椿クリニックでは、厚生労働省・FDA(アメリカ食品医薬品局)認可のアラガン社製ボトックスビスタを取り扱っています。このボトックスビスタはアメリカをはじめ、世界各国で使われている実績のあるボツリヌストキシンです。

アメリカ食品医薬品局(アメリカしょくひんいやくひんきょく、英語: Food and Drug Administration[4]、略称: FDA)は、アメリカ合衆国保健福祉省(Department of Health and Human Services, HHS)配下の政府機関。連邦食品・医薬品・化粧品法を根拠とし、医療品規制、食の安全を責務とする

引用:Wikipedia アメリカ食品医薬品局

口角ボトックスの効果を最大限に引き出す方法

ボトックスは施術後の注意点を守ることで効果を最大限発揮することができます。

効果を感じるまでの期間とは?

口角のボトックスを打った後は、効果を感じるまでだいたい2〜3日かかります。
一般的には3〜4ヶ月程度効果が持続すると言われていますが、日々の生活の中で自然と使う筋肉であるため、気づいたら元に戻っていたということが多いです。

治療後の注意点

ボトックスの治療後は、体を温めたり注射部位を揉んだりすることはやめましょう。
ボトックスは熱に弱い性質を持っています。注射後しっかりと筋肉に作用し始めるまでの3日間ほどは、激しい運動やサウナ、長風呂などはやめておきましょう。
また、ボトックスは効かせたい筋肉を狙って打っています。注射部位を揉んでしまうと薬剤が広がってしまい、効果が半減するほか、周りの筋肉にも影響を与えてしまう可能性があります。
この2つはボトックスの効果をしっかりと実感するためにも大事なことなので、守るようにしましょう。

他にも、注射後の内出血や傷の治りを遅らせてしまう原因となるため、飲酒や体を温め血行が良くなる行動も控えるようにしましょう。

繰り返し治療することの利点とリスク

ボトックスは薬剤が効いている間のみ、筋肉の動きを抑制してくれます。効果が切れると徐々に元の状態に戻っていくため、定期的な注射が継続して効果を得るためには重要になります。

ただし、あまりにも短いスパンでボトックス注射を受けてしまうと、ボトックスに対しての耐性ができてしまう可能性があるため、治療間隔は必ず医師の指示に従うようにしましょう。また、頻繁に打っていなくても、個人の体質などで耐性ができやすい場合もあります。万が一耐性ができてしまった場合は、別の治療を検討することをおすすめします。

口角ボトックス単独では不十分?他の治療との併用効果

口角のボトックスのみでは効果を感じられなかったという方は、単純にボトックスの注入量が少なかったことや、口角を下げている筋肉に上手く注入できていなかったことなどが考えられますが、それ以外にも理由はあります。

首ボトックスとの併用がもたらすシナジー効果

口角を下に引っ張っている筋肉は口角下制筋のみでなく、首にある広頚筋という筋肉も関係しています。
この筋肉が強く収縮していると、フェイスラインの皮膚が下に引っ張られるため、顔のたるみも出やすくなります。

口を「いー」としたときに首に浮かび上がる筋が広頚筋の発達によるものですが、この筋肉にボトックスを注射することで首の縦スジが改善できます。

口角が下がっているのと同時に首の縦スジも気になるようであれば、広頚筋により下に引っ張られている可能性もあるため、首のボトックスも一緒に行うと効果が見えやすくなるかもしれません。

頬のたるみ治療との組み合わせで見た目が若返る

頬にたるみがあることでも口角は下がって見えてしまいます。口角のボトックスをしても上から垂れてきている皮膚に押されてしまっていては、効果を実感することも難しくなります。
頬や口周りのたるみが同時に気になる場合は、ヒアルロン酸リフトや医療ハイフなどを併用することで下がった口角の改善と共に、お顔全体の若々しさも取り戻すことが可能です。

口角ボトックス治療のリスクと対処法

口角のボトックスのリスクや副作用について解説します。

一般的な副作用とその対応

ボトックスの治療には一般的に以下のような副作用が見られます。

  • 違和感
  • 施術中の痛み
  • 内出血
  • 赤み
  • 腫れ

などです。これらの副作用は2〜3日から1〜2週間程度で治まることがほとんどです。

口角ボトックスのリスク

口角のボトックスのリスクとして、左右差が出ることや、口元が動かしにくくなることなどがあります。

表情筋の使い方の癖や元々の左右差などでボトックスの後左右差が出てしまう可能性があります。なるべく左右差が出ないように元の状態から注入量などの微調整を行いますが、ボトックスが効き始めないと左右差が出ているかどうかは確認のしようがありません。
万が一左右差が出てしまっても、ボトックスの効果をなくす薬剤というのはないため、効果が切れるのを待つしかないでしょう。
なるべく左右差が出ないようにするためには、医師の技術にかかってくるため、症例写真などをしっかりと確認して施術するクリニックを決めるようにしましょう。
また、口元が動かしにくくなるというリスクがありますが、適切な量を適切な表情筋に打つことができていれば、生活や見た目には影響しない程度の違和感ですので、心配する必要はありません。

口角ボトックスで効果を感じにくい人は?対処法はある?

口角のボトックスで効果を感じにくい人はどのようなタイプの人なのでしょうか。

歯並びが悪い人

出っ歯や受け口など口元が前方に突出した歯並びの人は、口周りの筋肉に負担がかかりやすくなるため口角が下がりやすくなります。さらに、歯並びによっては意識していないと口が空いたままの状態になり、その状態が長く続いたり、歯並びの悪さがコンプレックスとなり笑うことが少なくなったりすると、口角を上に持ち上げる筋肉が衰えていきます。口角を下げる筋肉の動きを抑えても持ち上げることができなければ、効果は実感しにくい可能性があります。

口角を持ち上げる筋肉が衰えている人

年齢と共に表情筋は衰えていきますが、口角ボトックスの効果を実感するためには、口角を持ち上げる筋肉がしっかりと働いている必要があります。
口角を持ち上げる筋肉は、笑ったり話したりすることで鍛えることができます。よく笑ったりよく話したりして、頬や口周りの筋肉を意識して動かすようにしてみましょう。

まとめ

口角のボトックスは、口角を下に引っ張っている筋肉の動きを弱めることで口角を引き上げる治療です。ただし、口角を上に引っ張る筋肉の働きが弱いとボトックスの効果を実感しにくくなります。
他にも、首の広頚筋の働きや頬のたるみなども効果実感を左右する要因となるため、口角のボトックスのみで効果を実感しにくい場合はこれらの要因も考慮する必要があります。
ボトックスは医師の技術によっても左右されるため、クリニックの症例写真などをしっかりと確認し、信頼できる医師の元で施術を行うようにしましょう。

口角のボトックスに関して、こちらの記事でも詳しく解説しています。併せてお読みください


この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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