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レチノール使用でニキビが悪化?原因と正しい使い方を徹底解説

レチノール使用でニキビが悪化?原因と正しい使い方を徹底解説

レチノールは肌のターンオーバーを促し、エイジングケアやニキビ改善に効果があるとして注目されていますが、使い方を誤ると逆にニキビが悪化することもあります。この記事では、レチノールがニキビを悪化させる原因と、レチノールの効果を最大限に引き出すための正しい使用方法について詳しく解説していきます。レチノールの知識を深め、理想の美肌に近づく一歩を踏み出しましょう。

レチノールとは?ニキビにどう作用するのか

レチノールとは?ニキビにどう作用するのか

レチノールはビタミンAの一種です。ターンオーバーの促進、繊維芽細胞活性化によるコラーゲンやヒアルロン酸の生成促進など、その高い効果から多くのスキンケア製品に配合されており、皮膚科医からも推奨される美容成分のひとつです。ただし、特徴を正しく理解して適切に使用しなければ、かえって逆効果になり肌トラブルを招くことも。まずはレチノールの基本情報と、ニキビ肌への具体的な効果について見ていきましょう。

レチノールの基本情報

レチノールはビタミンAの一種です。様々な美容効果が期待され、皮膚科医からも推奨される成分のひとつです。レチノールの主な美肌効果としては、以下にあげられます。

①肌のターンオーバーの促進
②繊維芽細胞活性化によるコラーゲンやヒアルロン酸生成の促進
③皮脂分泌抑制効果

これらが相乗作用し、くすみやごわつきの改善、シワやたるみの改善、肌のハリ感や弾力感のアップ、ニキビやニキビ跡、毛穴の改善に効果をもたらしてくれます。

さらに、レチノールは市販の化粧品から医師処方の製品までさまざまな形で提供されており、製品によって濃度や安定性が異なります。高い効果も期待される成分ですが、濃度が高いものは刺激も強く、使用方法にも注意が必要です。それぞれの肌質や悩みに合わせて製品を選ぶことが重要で、特にレチノール初心者の方は濃度の低いレチノール製品から使用し、段階的に濃度をアップさせるなど、慎重に使用していくことが推奨されます。

ニキビ肌への効果

ニキビの主な原因は、毛穴の詰まりや皮脂の過剰分泌です。レチノールには肌のターンオーバー(肌細胞の生まれ変わりのサイクル)を促進させ、角質を柔らかくして毛穴の詰まりを防いだり、皮脂の過剰分泌を抑制する効果があります。さらに抗炎症作用により赤みや腫れを抑える効果も期待できるため、繰り返すニキビへのケアにも効果的です。
さらに、レチノールにより肌のターンオーバーが促進されることで、ニキビ跡の改善にもつながります。

レチノールの種類と選び方

レチノール製品には、純粋なレチノール、レチノール誘導体、レチナールなどさまざまなタイプがあります。純粋なレチノールは効果が高いのですが、それと同時に刺激も強いため、初めて使う方や敏感肌の方には、よりマイルドなレチノール誘導体から使用していただくことがおすすめです。また、レチノール製品は0.1%から1%程度の濃度が一般的です。
初めは低濃度から始め、肌の状態に合わせて濃度を徐々に上げていくなど、調整しながら肌に慣らしてていくのが良いでしょう。
製品の形状も、クリーム、セラム、ローションなど多岐にわたるため、自分の肌質や好みに合ったものを選ぶことで、無理なく継続しやすくなります。成分表示や口コミを参考に、最適な製品を見つけて、取り入れてみましょう。

レチノール使用によるニキビ悪化の原因

レチノール使用によるニキビ悪化の原因

レチノールは優れた効果を持つ一方、使い方を誤るとニキビが悪化するリスクがあります。原因を理解し、正しい対策を取ることで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。ここでは、レチノール使用時にニキビが悪化する主な原因について解説します。

過剰な使用とそのリスク

レチノールは非常に効果の高い成分ですが、その分、使用量や頻度を守らないと肌に負担がかかりやすくなります。特に、レチノールは角質層に働きかけて古い角質を剥がし、新しい細胞の生成を促す作用があるため、頻繁に使いすぎると肌の保護バリアが弱まり、乾燥や赤み、かゆみにつながります。
また、肌の保護バリアが失われると、外部からの細菌や刺激物が肌に侵入しやすくなり、ニキビや炎症が発生するリスクが高まります。
さらに、過度の使用は肌の赤みやひりつきを引き起こし、慢性的な炎症につながることもあります。特に「効果を早く感じたい」と考えて一度に多く塗布したり、推奨される以上の頻度で使用するのは避けましょう。しっかりと効果を得るためには、適切な使用量を低頻度から使い始め、肌の状態を観察しながら徐々に頻度を増やすのが理想的です。

好転反応によるニキビの増悪

レチノールを使い始めた初期には一時的な肌荒れやニキビの増加が起こることがあります。これは「好転反応」といわれるもので、肌のターンオーバーが通常よりも早く進むため、肌内部に蓄積されていた老廃物や角質が表面に排出され、ニキビや赤みが一時的に増える現象です。または「A反応」ともよばれ、ビタミンAが不足したお肌に急速にビタミンA(レチノール)が補充されることでターンオーバーが促進され、赤みや皮むけといった症状が出ます。この反応はは通常1〜2週間ほどで収まるとされていますが、人によっては1か月ほど続くこともあります。
ただし、あまりにも症状がひどく、赤みやかゆみが収まらない、痛みが伴う、場合などは、原因が異なることもあるため、使用を中止して医師に相談しましょう。レチノールを使用することで一時的な肌への反応が起こりうることをよく理解し、適切に対処していくことが大切です。

他のスキンケア製品との相性

レチノールは、他のスキンケア成分と併用する際に相性が重要です。特に、酸性のピーリング剤(AHAやBHAなど)や高濃度ビタミンC製品と一緒に使用すると、肌に強い刺激を与えることがあります。これらの成分も角質層に作用するため、レチノールと併用すると刺激が重なり、肌の赤みや炎症、乾燥が悪化することがあるため注意が必要です。
また、アルコールや香料が多く含まれる製品は乾燥や刺激を引き起こしやすいため、レチノールと一緒に使うことで肌トラブルが発生しやすくなります。安全に使用するためには、レチノールの使用前後は刺激の少ない保湿剤を使用したり、敏感肌向けの製品を選ぶことがおすすめです。できるだけ負担なくレチノールを効果的に取り入れるために、成分表をしっかり確認しながら、スキンケアの組み合わせを考えましょう。

正しいレチノールの使い方

正しいレチノールの使い方

レチノールの効果を最大限に引き出すためには、正しい使い方を知ることが必要です。初心者でも安心して使用できるよう、基本的な使い方や注意点について詳しく解説します。肌トラブルを防ぎながら効果を実感できるように、正しい使い方を学んでいきましょう。

初心者向けの使い方ガイド

初めてレチノールを使用する場合は、以下のステップを踏むと安全です。

  1. 低濃度の製品を選ぶ:0.1%程度の低濃度レチノールから始めましょう。
  2. 週に1〜2回の頻度で使用:赤みや皮むけなどの肌の反応を見ながら、少しずつ使用頻度を増やします。
  3. 夜のスキンケアで使用:レチノールは光に不安定な成分です。紫外線の影響を避けるために、夜に使うのが効果的です。
  4. 適量を守る:製品の説明に従い、適量を塗布します。

これらのステップを守ることで、肌への負担を最小限に抑えながらレチノールの効果を得ることができます。ビタミンAを、肌に少しずつ慣らしていくことがポイントです。

徐々に濃度を上げる理由

レチノールに慣れていない肌に、急に高濃度の製品を使うと、赤みや乾燥、ニキビの悪化などが生じることがあります。いわゆるA反応です。A反応を最小限におさえていくために、低濃度・低頻度から使用を始め、レチノールに対する肌への反応をよく確認しながら、少しずつ濃度や頻度を増やして、肌に慣らしていきます。数週間から数ヶ月かけて徐々に濃度や頻度を増やし、焦らず進めることで、肌にとって負担なくレチノールの効果を得ることができ、理想の肌に近づきやすくなります。

使用頻度とタイミング

レチノールは光に不安定なため紫外線に弱いです。紫外線の影響を避けるために、基本的には夜のスキンケアで使用するのが望ましいでしょう。初めのうちは週1〜2回から始め、肌の状態に応じて頻度を増やしていきます。以下が一般的な使用の目安です。

1~2週目:週に1回
3~4週目:週に2回
5週目以降:肌の調子が良ければ隔日、もしくは毎晩(製品メーカーの規定に従う)

レチノールを使用する前に、クレンジングと洗顔で肌を清潔にし、化粧水で肌を整えます。その後、レチノールを塗布し、最後に保湿をしっかりと行いましょう。

レチノール使用中の注意点

レチノール使用中の注意点

レチノールを安全に、効果的に使用するためには、いくつかのポイントがあります。レチノールの特徴を理解して、正しい方法で使用することで、肌トラブルを避けながら様々な美容効果を最大限に引き出すことができます。ここでは、特に気をつけたいポイントについて詳しく解説していきます。

使用前のパッチテストの重要性

レチノールは非常に効果が高い分、肌に強い刺激を与える可能性があり、アレルギー反応や敏感肌の方にとっては過敏症を引き起こすこともあります。まずはパッチテストを行うことで、肌に合うかを事前に確認することが大切です。パッチテストは以下の手順で行います。

①テスト部位の選定:腕の内側や耳の後ろなど、目立たない場所に少量を塗布します。
②24〜48時間の観察:そのまま待ち、かゆみ、赤み、腫れなどの異常が出ないかをチェックします。
③異常がなければ顔に使用:顔に塗布する際も、少量からスタートし、様子を見ながら使い続けます。

異常が見られた場合はその製品の使用を控え、別の成分や濃度の低いレチノール製品を検討すると良いでしょう。

日焼け止めとの併用

レチノールは、紫外線に対する感受性を高める可能性があるため、日中の紫外線対策が非常に重要です。特にSPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを使用し、日中は2〜3時間ごとにこまめに塗り直すことで、紫外線から肌を守ります。加えて、帽子やサングラスなどの物理的な遮光アイテムを活用するのも効果的です。
紫外線にさらされると、レチノールが持つ効果が低下するだけでなく、シミや肌ダメージを引き起こす可能性があるため、日焼け止めとの併用は欠かせません。適切な紫外線対策で、レチノールの効果を最大限に引き出しましょう。

保湿ケアの徹底

レチノールを使用中は、肌の乾燥が進みやすくなるため、保湿ケアが不可欠です。レチノールの使用による乾燥を防ぎ、肌のバリア機能を守るために、以下の保湿ケアのポイントを押さえておきましょう。

  • ヒアルロン酸やセラミド配合の保湿剤を選ぶ:肌の水分保持力を高める成分を含む保湿剤は、レチノールの乾燥作用を和らげてくれます。
  • 朝晩の保湿ケアを徹底:洗顔後すぐに化粧水やクリームで保湿をして、肌の潤いを逃がさないようにします。
  • 刺激の少ない製品を使用:アルコールや香料が少なく、敏感肌向けの保湿剤を選ぶことで、余計な刺激を避けられます。

十分な保湿を行うことで、レチノール使用時の副作用は軽減されます。肌のコンディションを安定させると、効果を感じやすくなります。

レチノールの副作用と対策法

レチノールの副作用と対策法

レチノールは美容効果が高い分、副作用のリスクも伴います。トラブルをできる限り避けるためには、正しい知識や対処法を十分に理解して使用することが大切です。ここでは、よくある副作用とその対処法について詳しく解説します。

乾燥や赤みへの対策

レチノール使用時の乾燥や赤みは、肌がレチノールに順応する過程でよく見られる反応です。まずは使用頻度を調整することがポイントとなります。赤みや乾燥の症状が出たら、週1回に減らして肌の状態を確認しながら進めましょう。またレチノールによる乾燥を防ぐためには、保湿剤を複数回に分けて塗布する「重ね塗り」や、保湿効果の高いシートマスクを併用するなど、保湿ケアを強化することも大切です。さらに、低刺激の洗顔料を使い、摩擦を避けて泡で優しく洗うように心がけましょう。洗顔後はすぐに保湿を行い、乾燥を防ぎます。症状が続く場合や悪化する場合は、使用を一時中止し、肌を休めることも選択肢として考えましょう。

皮むけへの対処法

レチノール使用で起こる皮むけは、肌のターンオーバーが促進されている証拠ですが、無理に剥がそうとすると肌を傷め、炎症や色素沈着の原因になる可能性があります。スキンケア時は、ゴシゴシ洗わず、泡立てた洗顔料で優しく肌に触れるように洗顔することが大切です。また、保湿は十分に行い、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が含まれる製品を使って肌の水分保持力を高めると、皮むけを抑えやすくなります。スクラブやピーリング剤といった刺激の強い製品の使用は避け、肌が自然に落ち着くまで待つことも必要です。皮むけが長期間続く、または痛みを伴う場合は、皮膚科医の相談を検討してください。

皮膚科医のアドバイスを受ける方法

レチノールの副作用が続く、もしくはセルフケアに不安がある場合は、皮膚科医に相談することが最も効果的です。診察時には、症状の変化をしっかり伝えられるよう、写真や日記で肌の状態を記録しておくと、適切な診断やアドバイスが得やすくなります。さらに、現在使用中のスキンケア製品を持参することで、肌に合わない成分や組み合わせのチェック、より具体的な指導を受けることも可能になります。疑問や不安に感じる点があれば遠慮なく質問し、解消していきましょう。

レチノールを取り入れたスキンケアルーティン

レチノールを取り入れたスキンケアルーティン

レチノールを効果的に取り入れるためには、他のスキンケア製品との組み合わせや使い方にも工夫が必要です。ここでは、レチノールを中心に据えたスキンケアルーティンを詳しく解説します。

他のスキンケア成分との組み合わせ

レチノールと相性の良い成分や、避けるべき組み合わせを知ることで、効果的なスキンケアルーティンが作れます。

相性の良い成分

  • ヒアルロン酸:安定性・安全性の高い高分子の保湿成分。角質柔軟効果と、高い保湿効果で、乾燥を防ぎます。
  • セラミド:角層細胞どうしのすき間を満たし、細胞どうしや水分をつなぎとめる役割を持ちます。肌のバリア機能をサポートします。
  • ナイアシンアミド:ビタミンB群の一種。炎症を抑える効果、シワ改善への効果、メラニンの生成を抑えて美白への効果が期待されます。また、セラミドなどの細胞間脂質の産生を促し、乾燥を防ぎバリア機能のサポートをしてくれます。

避けるべき組み合わせ

  • AHA/BHAなどの酸性ピーリング剤:刺激が強くなり、肌トラブルの原因に。
  • 高濃度ビタミンC:レチノールとの併用は肌への刺激が強くなる場合があります。使用するのであれば夜レチノール、朝にビタミンCと分けるのが良いでしょう。

化粧品などに保湿成分として添加され皮膚表面での保湿作用がある

引用:Wikipedia – ヒアルロン酸

セラミドは、ヒトの皮膚の表皮層の表面を形成する角質層の主成分である。

引用:Wikipedia – セラミド

美容に対しては、2017年のレビューで以下が発見された[2]。30人の健康な女性が被験者となったランダム化比較試験 (RCT) では、シワを減少した[16]。50名でのRCTではシワ、色素沈着、黄色味が減少し、弾力が向上した[17]。色素沈着を減少[18]

引用:Wikipedia – ナイアシンアミド

朝と夜の使い方の違い

レチノールは光に不安定なため紫外線の影響を考え、基本的には夜に使用します。
朝のスキンケアでは以下の点に注意しましょう。

  • 朝はビタミンCや抗酸化成分を使用:紫外線ダメージから肌を守ります。
  • 日焼け止めを必ず使用:SPF30以上を選び、こまめに塗り直します。
  • 保湿をしっかり行う:夜のレチノール使用による乾燥を補います。

また夜のスキンケアでは、クレンジングと洗顔で肌を清潔にし、化粧水で整え、レチノールを塗布した後にしっかり保湿します。

継続使用の効果とその確認方法

レチノールの効果は即効性ではなく、継続的に使用することで現れてきます。効果を確認するための方法として以下があります。

  • 定期的に肌の写真を撮る:同じ条件で撮影し、変化を比較します。
  • 肌の感触をチェック:滑らかさや弾力の変化を感じ取ります。
  • 肌悩みの改善度合いを記録:ニキビの数やシミの薄さを数値化します。

最低でも4〜6週間は継続し、その後効果を評価すると良いでしょう。

まとめ

レチノールは、適切な使い方をすれば肌のターンオーバーを促進し、シミやシワ、ニキビ跡の改善にも役立つ強力な美容成分です。しかし、間違った使い方や過剰な使用は、乾燥や赤み、さらにはニキビの悪化といった肌トラブルを引き起こすことがあります。レチノールを効果的に取り入れるためには、まず低濃度から始め、肌の反応を見ながら少しずつ濃度や使用頻度を調整することが大切です。また、パッチテストの実施や日焼け止め、保湿ケアの徹底が肌を守る上で欠かせません。さらに、万が一トラブルが起きた場合には、使用頻度の調整や一時的な中止を考慮し、必要に応じて皮膚科医に相談することが推奨されます。

この記事で紹介した正しい使い方や注意点を守りながら、レチノールの力を上手に活用して、理想的な美肌を手に入れましょう。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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