エラボトックスは“やりすぎ”ても大丈夫?安全な施術のために知っておきたいこと
エラボトックスは、咬筋が原因で起こるエラ張りの改善に効果的な治療ですが、繰り返し施術をやりすぎても大丈夫なのでしょうか。
適切な注入量と頻度なら「やりすぎ」も問題ない理由
エラボトックスは、適切な注入量を適切な間隔で施術することで、大きな問題にはならないことが多いです。
ボトックスは一時的に筋肉の収縮を弱めるだけで、体内にずっと残るものではありません。一般的には3〜6ヶ月ほどで効果が徐々に切れて、元の状態に戻っていきます。そのため、3ヶ月以上の間隔を空けて施術を受けることで、より効果が持続しやすくなります。仮に一度の注入で「ちょっと効きすぎたかも」と感じても、時間とともに筋肉の動きは回復していくため、永続的な変化にはなりにくいのです。
また、エラ張りの原因となる咬筋は、個人によって発達具合や太さが異なるため、個人にあった注入量を見極める医師の目が必要になります。医師がお客様一人ひとりの顔全体のバランスを見て、必要最小限の量を見極めて打てば、効きすぎることを避けつつ、しっかり小顔効果も実感できます。
エラボトックスをやりすぎても、問題なく綺麗な状態を維持するためには、信頼できる医師選びがカギになります。
効果が消えるまでの期間と戻り方
エラボトックスの効果は、3〜6ヶ月程持続します。
ボトックスの施術後、2〜3日で薬剤が効き始め、2週間経つ頃にはその効果はピークに達すると言われています。その状態が3ヶ月程続いた後、数ヶ月かけて徐々に元の筋肉の動きに戻っていきます。
「やりすぎたかも」と感じても、焦ってすぐに修正を考える必要はありません。ボトックスは体内で自然に分解され、時間とともに効果が薄れていくため、自然経過を待つだけで見た目の違和感が軽減されるケースも多いのです。
特にエラ張りの原因となっている咬筋は、顔の印象を左右する大きな部位なので、一時的にシャープになりすぎたと感じても、少しずつ戻っていく過程で「ちょうどよく感じる」ようになることも少なくありません。
効果が切れる期間を知り、安心してエラボトックス施術を受けましょう。
安心につながる医師選びとカウンセリングの重要性
エラボトックスで安心して繰り返しの施術を受けたいと思ったとき、最も重要なのが施術前のカウンセリングと医師選びです。同じ薬剤を使っていても、注入する位置や量、深さは医師によって異なります。そのため、信頼できる医師に任せるかどうかで仕上がりの自然さや安全性が大きく変わってきます。
カウンセリングでは、「どのくらいシャープにしたいか」「今のフェイスラインのどこに悩みがあるか」など、自分の希望や不安をしっかり伝えることが大切です。経験豊富な医師であれば、表情筋の動きや骨格に合わせた無理のないプランを提案してくれます。
また、施術歴やアフターケアの実績がしっかりしているクリニックなら、万が一「やりすぎたかも」と思ったときもすぐに相談できます。医師との信頼関係があれば、「効果が消えるまでどう過ごすか」や「次はどう調整するか」といったフォローも丁寧に対応してもらえるでしょう。
安心して美容医療を受けるためには、技術力はもちろんですが、元々のお顔の作りから違和感が生まれないように調節するデザイン力なども重視することが欠かせません。施術の満足度を上げるためには、カウンセリングから妥協しないことが大事です。
「やりすぎ」に気をつけたいパターンと注意点とは?
エラボトックスは繰り返し施術を受けることが可能な施術ですが、副作用や高頻度で施術を受けることによる注意点なども知っておくことが大事です。
起こりうる副作用とその特徴
エラボトックス施術の副作用は、内出血や注射時の痛み、腫れや痒みなどです。
また、稀に起こる副作用としては
- 左右差が出る
- アレルギー反応が起こる
- 表情が不自然になる
- 皮膚がたるむ
などですが、医師の技術力によって大きく左右される部分でもあります。
エラボトックスで一番気にしたいのは「左右差」ではないでしょうか。これは、元々の筋肉の太さを考慮せずに単純に左右で同じ量の薬剤を注入してしまうことで起こりやすくなります。特に、咬筋は普段の嚙み合わせや、片方に偏って食べ物を噛む癖がある場合などに左右差が生まれることが多いですが、その元々の左右差を把握して注入量を決定できる医師を選ぶことが重要になります。また、不自然な表情を回避するためにも、顔全体のパーツや作りを見ながら、バランスよく注入する技術も求められます。
アレルギー反応が起こった場合、赤みや痒みが強く長く続くことがあります。万が一アレルギー反応が起きた場合は、施術を受けたクリニックにすぐに相談するようにしましょう。
注射針を使用して薬剤を注入していくため、ある程度技術のある医師でも内出血が起こることがあります。内出血が起きた場合は、出来るだけ体温を上げたり血行を促進したりしないようにし、気になる場合は保冷材などでクーリングを行うことがおすすめです。内出血は1〜2週間ほどで自然に治まっていきます。
信頼できる医師の元での施術で、安心して施術を受けることがボトックス注射を成功させる秘訣です。
頻度が高すぎた場合のデメリット
エラボトックスの使用頻度が高すぎる場合、まれにボトックスに対する抗体ができてしまい、効果を実感することが難しくなる可能性があります。
ボトックス注射の有効成分であるA型ボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌によって産生されるもので、一時的に筋肉の収縮をブロックし、筋肉を痩せさせていきます。
これをエラの部分の咬筋に注射することでエラ張りを改善させますが、体がボトックスを異物と認識して「中和抗体」という抗体を作ってしまうと、ボトックスを無効化してしまうことがあります。
この抗体の生産は、必要以上に多量のボトックスを注射することや、ボトックスがまだしっかりと効いているタイミングで次の注入をしてしまうことで起こりやすくなります。
ボトックスの注射後3ヶ月間は薬剤の効果が持続しているため、必ず3ヶ月は期間を空けるようにしましょう。
エラの筋肉が落ちすぎると起きるトラブル
エラの張りを左右する咬筋などの顔の筋肉は、皮膚が垂れないように支えるための土台として機能しています。そのため、一気に筋肉を細くしてしまったり、肌にハリがない状態でボトックスを注射してしまったりすると皮膚のたるみが起こりやすくなってしまいます。
皮膚のたるみを回避するためには、肌にハリがある比較的若い年齢のうちに、治療を始めることが大事です。ボトックス注射を打つ表情筋は、皮膚と直接つながり、たるまないように皮膚を支えている土台でもあるため、その表情筋の緊張をほぐすことはたるみを促進させるリスクも隣り合わせであると言えます。また、咬筋が大きく発達している人ほど、土台が小さくなった時の皮膚の支えが失われやすく、たるみも起こりやすい傾向にあります。
皮膚のたるみが心配な場合は、事前に医師に相談し、適切な治療プランを立てることが重要です。
エラボトックスのやりすぎを防ぐための施術プランの組み方
エラボトックスを、リスクを回避しながら繰り返し施術を受けるためには、適切な治療プランが大事になります。
注入量・頻度・効果持続のバランスがカギ
咬筋は、個人によって筋肉の太さが大きく左右されるため、その太さに合わせた注入量が必要です。
過剰な量の注入は、ボトックスに対する抗体を作りやすくしてしまう他、効かせたいところ以外の筋肉にも作用させてしまう可能性もあります。しっかりと医師に、筋肉の太さに合った注入量を見極めてもらうようにしましょう。
頻度は、3ヶ月以上空けて施術を受けることを守るようにすることが重要ですが、筋肉の動きを必ず確認してから次の施術時期を決定しましょう。
一般的にボトックスは3ヶ月程薬剤が効いた後、少しずつ自然に元の状態に戻っていきます。3ヶ月以降は、エラの筋肉の戻り具合を確認し、自分が理想とする状態よりも「横に広がってきたな」「触った時の硬さが戻ってきたな」と思うタイミングで受けると、より効果が持続しやすくなります。
繰り返し受けるタイミングは、3ヶ月以降は個人差があるため、必ず自分の筋肉の状態を確認してからクリニックや医師に相談するようにしましょう。
カウンセリングで伝えるべき「なりたい印象」
エラボトックスの仕上がりに満足するためには、「小顔になりたい」だけではなく、もう一歩踏み込んだなりたい印象をカウンセリングで伝えることが大切です。
例えば、「柔らかい雰囲気になりたい」「顔の横幅をすっきり見せたい」など、具体的なイメージを共有することで、医師はそれに合った注入量やバランスを調整しやすくなります。
また、「過去にボトックスが効きすぎたことがある」「ナチュラルな変化がいい」など、自分の体験やこだわりも積極的に伝えましょう。仕上がりイメージの共有が曖昧だと、医師側は「しっかり効かせてほしいのかな?」と判断し、結果的にやりすぎと感じることにもつながりかねません。
不安がある場合は、クリニックの症例写真やビフォーアフター画像を見ながら相談するのもおすすめです。理想の仕上がりに近づく第一歩は、「どんな顔になりたいか」を自分の言葉で伝えることが大事です。そのイメージの共有こそが、後悔しないエラボトックスにつながります。
エラボトックスを安心して長く続けるために大切なこと
エラボトックスを安心して繰り返し続けていくためには、自分の状態をしっかりと把握することや信頼できるクリニックを見つけることなどが大事になります。
自分の変化を記録することが“安心”につながる理由
エラボトックスに限らず、美容施術を始めると、元々の自分の状態がわからなくなり、ついついやりすぎてしまうことがあります。このやりすぎが、顔のバランスの崩れや違和感などにつながってしまうため、あらかじめ元の自分の状態を記録しておくことをおすすめします。
施術前の自分のエラの状態から、施術後のエラが改善された状態までを、写真などに撮り残しておきましょう。そうすることで、自分の元々の状態を忘れることなく、改善した部分の把握や変化の把握がしやすくなります。
元の状態を覚えておくことが、ボトックスのやりすぎによる崩れや違和感を防ぐポイントです。
信頼できるクリニックとの関係が安心感を生む
エラボトックスを繰り返し受けるうえで、信頼できるクリニックと長く付き合うことは、安心感に直結します。回数を重ねるごとに、医師が自分の表情や筋肉の癖を把握してくれるため、その人にとってちょうどいい変化を目指した調整がしやすくなるからです。
例えば、1回目でやや効きすぎた場合も、次回は「前回より控えめにしましょう」といった微調整ができるのは、筋肉の癖を知っている医師がいる通い慣れたクリニックだからこそです。選んだクリニックが自分に合わないからと、施術ごとに違うクリニックの医師にかかると、過去の経過が共有されず、毎回リスクの把握がゼロからのスタートになってしまいます。
さらに、アフターケアの体制が整っているクリニックであれば、違和感や不安を感じたときも相談しやすく、「これって普通?」という悩みもすぐに解決できます。
美容医療は一度きりの施術ではなく、信頼できるパートナーとの継続的な関係があってこそ、安心して受け続けられるものです。「この医師やクリニックになら任せられる」という相手を見つけることが、満足度の高い結果への近道です。
やりすぎたかも…と思ったときの対処法
万が一「エラボトックスの施術をやりすぎたかも」と思った時も焦らずに、正しい対処法を知っておくと安心です。
違和感との上手な付き合い方
エラボトックスの施術後は、それまで使えていた筋肉が使えなくなることによる違和感を感じやすくなります。そのため、「効きすぎたかも?」「表情がいつもと違う気がする」と思う方も多いですが、それは失敗ではなく、筋肉の収縮が抑えられたことによる一時的に違和感を覚えるというケースが多いです。
特に施術直後は、噛みしめ時の力加減の違いや、顎の使い方の違和感など、感覚的にいつもと違うことが強調されて不安になりがちですよね。しかし、その筋肉の使いにくさに慣れてしまうことで違和感も解消されるため、違和感に過剰に反応せず、「今はこういう時期なんだ」と客観的に受け止めることが大切です。
気になる場合は、定期的に顔の写真を撮っておくと、自分では気づきにくい微細な変化を冷静に確認できます。
施術の効果は「今この瞬間」だけで判断せず、変化を観察しながら時間と上手く付き合う視点を持つことが、美容医療と上手に向き合う第一歩です。
修正前に確認すべきポイント
エラボトックスを「やりすぎたかも…」と感じたとき、すぐに修正を検討するのは自然な反応ですが、まずは落ち着いていくつかのポイントを確認してみましょう。
第一に確認したいのは、施術を受けた時期です。ボトックスは注入後すぐに完成形になるわけではなく、2〜3週間かけて効果がじわじわと現れます。早い段階での違和感は、まだ効果が安定していない途中経過かもしれません。また、使っていた筋肉が使えなくなったことから起きる違和感の可能性もあります。
次に確認すべきなのは、本当に不自然に見えているかという客観的な視点です。鏡に映る自分の顔は、ほんのわずかな変化でも気になりやすいものですよね。そのため、信頼できる第三者に見てもらったり、施術前後の写真を見比べてみたりすると、過度な心配を防げることがあります。
また、「違和感」の原因が本当に身体的な問題か、それとも「見慣れないことによる違和感」かを区別することも重要です。自分では失敗に感じても、医師から見れば正常な反応であることもあります。
すぐに修正するかどうかを決める前に、まずは冷静な判断材料をそろえることが、後悔のない美容医療につながります。
まとめ
エラボトックスを繰り返し施術する際は、1回の注入量や施術間隔をしっかりと守ることで、やりすぎる問題を回避することができます。
エラボトックスを注射する咬筋は、個人によって筋肉の太さが異なるため、しっかりと必要な量を見極めることができる、信頼できる医師を見つけることが、安心して施術を受けるためには重要になります。
エラ張りでお悩みの方は、椿クリニックにご相談ください。