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ダーマペンはニキビがある時でもOK?悪化を防ぐための正しいケア方法とは

ダーマペンはニキビがある時でもOK?悪化を防ぐための正しいケア方法とは

この記事を読んでわかること

  • ダーマペンは微細な針で肌を刺激し、コラーゲン生成を促す美肌治療です。炎症のないコメド状態のニキビには効果的ですが、赤ニキビや黄ニキビには逆効果の可能性があるので施術を避けるべきです。
  • 炎症ニキビがある場合、ダーマペンは推奨されず、まずはイオン導入やスキンケアで炎症を抑えることが重要です。施術前にニキビの状態を確認し、判断が難しい場合は専門医に相談しましょう。
  • ダーマペン後は肌のバリア機能が低下し、紫外線や乾燥の影響を受けやすいです。保湿ケアと紫外線対策を徹底し、肌を優しく扱うことが大切です。水分補給や栄養バランスの取れた食事も肌の回復を助けます。
  • 効果を感じるまでには3〜4週間かかり、1か月に1回の施術を5回程度受けるとより効果的です。施術の間隔が短すぎると肌に負担がかかるため、適切な頻度を守ることが重要です。

ニキビ改善の治療の選択肢として、ダーマペンが挙げられますが「ニキビがある時でもできるのかな」と思ったことはありませんか。
ニキビの重症度によっては、ニキビ改善の効果が期待できるため、ダーマペン施術が適していますが、炎症を起こしているニキビへの施術は逆効果になることも、、、
このコラムでは、ニキビの種類とダーマペンの施術可否、ダーマペンの効果やニキビを悪化させないケア方法まで、詳しく解説します。

ダーマペンはニキビがある時に使えるのか?

ダーマペンの治療を受けようと思った時、ニキビがあっても受けることができるのか、疑問に思った方もいるかと思います。ニキビのある肌へのダーマペン施術に関して解説します。

ダーマペンとは何か?仕組みを簡単に解説

ダーマペンとは、細い針を使用して肌に傷をつけ、肌が修復していく過程でコラーゲンの生成が促される作用を利用した美肌治療です。これをマイクロニードル法といいます。
さらに、ダーマペンの針によって角質層に小さな穴が開くため、バリア機能が一時的に低下し、肌質改善のための有効成分が浸透しやすくなります。

ダーマペンによって傷ついた肌は、修復しようと新しい細胞を生成します。この過程で、コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞も刺激され、肌のハリや弾力の回復が期待できます。
椿クリニックで採用しているダーマペン4は、髪の毛よりさらに細くなった超極細針が先端についています。従来のダーマペン3に比べて、針の深度を0.2mmから3.0mmまで調整可能になったことで、より肌悩みに合わせた治療が可能になりました。また、先端の針の数が増えたことで、治療時間が短縮され、お客様の負担を軽減できるようになりました。

ニキビ肌にダーマペン治療を受けるメリットとデメリット

ニキビ肌にダーマペンを受けるメリットとしては、ニキビが悪化する前に改善が可能という点ですが、炎症が悪化したニキビへの施術は、肌へのダメージが大きくなり、ニキビをより重症化させてしまう可能性があります。そのため、「ニキビ肌」と言っても、厳密にはニキビになる前の状態、ニキビの赤ちゃんである「コメド」の状態での施術にはメリットがあるという事です。
「ダーマペンはニキビ肌の改善に効果がある」と言って、炎症したニキビの状態で施術を受けることは、デメリットが多くなり、クリニックによっては施術が出来ないこともあるため、ニキビの状態をしっかりと知ることが重要です。

専門家が語る!ニキビの種類によって変わる治療法

ニキビにはいくつかの種類があり、コメドの状態から炎症ニキビまで、それぞれの状態に適した治療法があります。
ニキビは状態によって、以下のように分けられます。

炎症していないニキビは、毛穴に角栓が詰まった状態で、ぽつっと白いできものができていたり、酸化して黒くなっていたりします。コメドを放置してしまうと、肌のターンオーバーが乱れている人は特に角栓が取れにくくなって、毛穴の中でニキビの原因菌であるアクネ菌が繁殖していきます。アクネ菌は本来、肌の常在菌として存在していますが、塞がれた毛穴の中で皮脂などの栄養素が豊富な状態になると、どんどん繁殖し、毛穴の中で炎症を起こします。炎症が続くことで赤ニキビや黄ニキビなどの炎症ニキビになってしまいます。

コメドの場合、毛穴を塞いでいる角栓を取り除くことで、悪化を防ぐことができます。ダーマペンによって肌のターンオーバーを促進することで、角栓を取り除きやすくするため、コメドにはダーマペンが適しています。

一方で、炎症が進んだ赤ニキビや黄ニキビの場合は、毛穴の中で炎症を起こし、毛穴が傷ついている可能性が高いため、ダーマペンによる刺激が肌への負担を大きくしてしまい、炎症を悪化させてしまいます。そのため、ダーマペンなどのアクティブな治療より、イオン導入やケミカルピーリング、また適切なスキンケアで炎症を抑えるように働きかけることが大事になります。

ニキビがある時にダーマペンの施術を受けるべきタイミング

ニキビがある時にダーマペンの施術を受けるべきタイミング

ニキビがある時にダーマペンの施術を受けたいと思った人へ、ニキビの状態を確認する簡単な方法を解説します。

症状が軽い場合と重い場合でダーマペン治療適応が異なる理由

ニキビの症状によってダーマペンの適応が異なる理由は、肌の負担が大きくなることを避けるためです。
炎症しているニキビの毛穴ではアクネ菌が繁殖し、毛穴内に炎症を起こしている状態です。

この炎症が悪化することで、膿が溜まり黄ニキビに進行していきますが、毛穴がダメージを受けている状態にさらにダーマペンによる刺激を与えてしまうことで、毛穴の炎症が長引きやすくなります。炎症が長引けば長引くほど、傷の正常な修復が困難となり、凸凹としたクレーター状のニキビ跡になってしまいます。
こういった肌へのリスクを避けるために、炎症したニキビへのダーマペン施術は基本的には行わないようにしています。

ダーマペンを受ける前に確認すべき肌の状態

ダーマペンを受ける前には、必ずニキビの状態を確認するようにしましょう。
以下のイラストを参考に、自分のニキビをチェックしてみましょう。

  • 白ニキビは炎症を起こしておらず、比較的小さい、ぷつっと膨らんでいるものです
  • 黒ニキビは白ニキビが酸化し、黒く見えるもので、白ニキビ同様炎症を起こしておらず、毛穴の黒ずみのように見えることが多いです
  • 赤ニキビは、その周辺がほんのりと赤く炎症を起こしており、ニキビ自体も濃い赤色に炎症を起こしています
  • 黄ニキビは、ニキビ周辺もほんのりと赤く炎症を起こしており、ニキビ自体は白っぽく濁ったような黄色であることが多いです

赤ニキビや黄ニキビは、炎症を起こしているため、痒みも伴いやすくなっています。
これらを目安に、自分のニキビを確認し、ダーマペンの施術を受けられるかを判断しましょう。施術を受けていいか判断の難しいニキビの場合は、一度クリニックに相談するのもおすすめです。

ダーマペンで逆効果にならないための注意点

ダーマペンで逆効果にならないための注意点

ダーマペンの施術の後は、好転反応でニキビが出てくる可能性があります。そんな時は慌てずに、適切なケアで悪化を防ぎましょう。

ニキビの悪化を防ぐために押さえるケアポイント

ダーマペン施術後のニキビの悪化を防ぐためのケアポイントは、肌の保湿によるバリア機能の回復と、皮脂と水分のバランスを適切に保つことです。
ダーマペンの施術によって、肌のターンオーバーが促進され、肌の中に眠っていたニキビが表に出てくることがあります。また、施術によるバリア機能の低下で、外的刺激を受けニキビができてしまうこともあります。まずは、化粧水とクリーム等を使用して肌の水分と油分のバランスを整えましょう。
肌は、皮脂膜や角質層によってバリア機能が保たれていますが、ダーマペン施術の後はバリア機能が穴開きの状態になるため、ケア用品によってバリア機能を保つ必要があります。

しかし、化粧水による水分補給のみでは、すぐに蒸発してしまうため、クリームや乳液を使用して水分が蒸発しないように蓋をする必要があります。化粧水によって角質層の水分補給を行い、クリームなどによって皮脂膜の代わりとなる蓋をすることが大事になるという事です。
また、不必要に肌に触れたり擦ったりすることで刺激が加わり、ニキビが悪化してしまう可能性があるため、ケアの際は優しく、タオルなどで肌を拭くときも、優しく抑え拭きするように心がけましょう。

施術後の肌トラブルを避けるための日常ケア方法

ニキビ以外にも、ダーマペンの施術後は肌トラブルが起きやすくなります。施術後に多い肌トラブルとしては、色素沈着や肌の乾燥によるかさつきなどですが、適切なケアで防ぐことが可能です。
日常的なケアとしては、保湿はもちろんのこと、紫外線対策を徹底して行いましょう。バリア機能の低下した肌は、紫外線の影響を強く受けてしまいます。紫外線は肌のメラニンを生成するメラノサイトを刺激し、メラニン色素が過剰に生成されることで色素沈着として肌に残ってしまいます。

また、ダーマペンによる炎症が長引いてしまうことも、色素沈着の原因となります。
外出時には必ず日焼け止めを塗り、帽子や日傘などを使用して紫外線対策を行いましょう。ダーマペン後の炎症は、保冷材を使用して冷やすようにするといいでしょう。施術の翌日以降は、冷やしたフェイスパックを使用すると保湿も冷却も叶うためおすすめです。

ダーマペンだけじゃない!その他のニキビケア方法も検討を

ダーマペンだけじゃない!その他のニキビケア方法も検討を

ニキビケアの方法はダーマペン以外にもいくつかあります。

イオン導入とうまく併用するアイデア

炎症ニキビがある場合、ダーマペンの施術を受ける前にケアとして取り入れたいのがイオン導入です。

角質層にはバリア機能が備わっており、外からの異物の侵入を防いでいますが、化粧水などのケア用品に含まれている有効成分の浸透も阻んでしまいます。そのため、化粧品からの保湿は角質層までにとどまってしまいますが、イオン導入を使用することでバリア機能を通過して、より肌の奥にまで有効成分を届けることができます。

これを利用して、肌の奥深くからニキビの炎症を抑えたり、ニキビの鎮静化を図ったりします。
ニキビがあってもダーマペン施術を受けたいと思っている人は、まずはイオン導入で肌状態を整えてからダーマペンを受けることをおすすめします。

ピーリングやフォトフェイシャルなど人気施術と比較してみよう

ダーマペンの他にも、ケミカルピーリングやフォトフェイシャルなどもニキビケアに効果的です。
ケミカルピーリングは、肌の古くなった角質を剥がし、ターンオーバーを整える治療です。これにより、毛穴の汚れや角栓を取り除くことができるため、ニキビの予防やニキビケアに使用されます。ダーマペンのように肌を傷つける治療ではないため、軽度の炎症ニキビであれば施術が可能なことが多いです。

フォトフェイシャルもニキビケアや予防に効果的ですが、IPLという幅の広い波長の光を肌の奥に照射していくため、炎症ニキビには照射ができません。しかし、毛穴の引き締めやターンオーバーの促進が期待できるため、新しくできるニキビを抑制することが可能です。また、ダーマペンのように肌を傷つけることがないため、ダウンタイムが気になる人に人気です。

治療によってニキビができていても施術が可能であったり、ダーマペンと同様、ニキビの部分は治療ができなかったりするため、必ず施術前に確認するようにしましょう。

ダーマペン施術中・後に気をつけたい生活習慣

ダーマペン施術中・後に気をつけたい生活習慣

ダーマペンの施術期間中や、施術後に気をつけたい生活習慣について解説します。

紫外線対策は必須:治療中の日焼けリスク

ダーマペンの施術期間中は、紫外線による影響を受けやすくなり、シミや色素沈着などを作りやすくしてしまいます。治療中は必ず紫外線対策を徹底するようにしましょう。
外出時だけでなく、室内でも窓際で作業するときは必ず紫外線対策を行いましょう。窓ガラスを通過して入ってくる紫外線のUVAは、肌の真皮層にまで作用し、シワやたるみを作りやすくしてしまいます。

しかし、どの強さの日焼け止めでも良いというわけではなく、シーンに適した強さの日焼け止めを使用することが、肌への負担や肌荒れを防ぎ、より効果的に紫外線をカットするためには重要です。

普段から紫外線を浴びる機会の多い人は、日焼け止めのみではその作用を防ぎきることは難しいため、紫外線量の低下する冬の期間に施術を受けるといいでしょう。

肌への負担を減らす食事と水分補給習慣

ダーマペンは、肌へ傷をつけ修復する過程で肌が綺麗になるのを利用した治療です。そのため、施術後により早く肌の修復を促すことが、肌トラブルなく綺麗にしていくためには重要です。ケア用品を使用して外側からのケアも重要ですが、内側からのアプローチも大事になります。食事からは、肌の修復を促したり、皮脂分泌を調整したりしてくれる栄養素を意識して摂るといいでしょう。

  • ターンオーバーをサポートし、肌の健康を維持してくれるビタミンB2
    うなぎ、レバー、アーモンド、卵など
  • 皮膚の炎症を予防し、皮脂のコントロールをしてくれるビタミンB6
    豚肉の赤身、うなぎ、のりなど
  • 細胞の新陳代謝を助け、皮膚の再生を助けてくれるカリウム
    アボカド、いも類、小松菜、ほうれん草など
    ただし、アボカドは脂質やカロリーが高いため、1日に1/2個を目安にし過剰摂取には注意しましょう

これらの栄養素を意識して食事に摂り入れつつ、バランスの良い食事を心がけましょう。
また、水分が不足することで肌が乾燥しやすくなるため、1日に2Lを目安に、水分が不足しないように気をつけましょう。

効果実感までに知っておくべき期間やプロセス

効果実感までに知っておくべき期間やプロセス

ダーマペンの施術後、効果を実感するまでの期間は3〜4週間で、5回程施術を繰り返すことで、より効果を実感しやすくなります。

初回から効果は期待できる?目安期間とは

ダーマペンの施術は、初回の施術から効果を実感することができます。
ただし、針によって肌に傷をつけるため、1~2週間ほどダウンタイムがあり、ダウンタイムが治まって次の新しい肌が出てくる頃に効果を感じることができます。

治療の経過は、

  1. ダーマペンの針で細かい傷をつけていくので、直後は施術部位全体に赤みが出ます。
    また、少量の出血が見られますが、すぐに止まりますので安心してください。
  2. 施術の翌日から4日ほどで赤みが消え新しい皮膚が出てきます。早ければ施術翌日以降から、赤みは徐々に軽減していきます。
  3. 施術部位のバリア機能が低下し、水分が蒸発しやすい状態になるため、肌が乾燥しカサカサして皮むけが出てきます。しかし、これは肌が再生している証拠ですので、刺激のないケア用品でお肌をしっかり保湿してください。
  4. 以上の経過を肌のターンオーバーに合わせ、約3〜4週間かけて行っていきます。

そのため、効果を実感するためには、施術後3〜4週間ほど期間を見るといいでしょう。

適切な間隔で通うことが大切な理由

ダーマペンは1か月に1回の頻度での施術をおすすめします。
その理由として、ダーマペンによる傷を修復し新しい肌に生まれ変わるまでに約1か月かかるためです。
高頻度に施術を受けてしまうと、肌が回復していない状態に施術を施してしまうことになり、肌への負担を大きくしてしまいます。肌への刺激が積み重なり、色素沈着のリスクや、コラーゲンの生成異常などのリスクが高くなってしまいます。
そのため、約1か月空けて、肌がしっかりと回復してから次の施術を受けるようにしましょう。ただし、年齢を重ねるごとに肌の代謝は低下し、ターンオーバーの期間も長くなってしまうため、より適切に安全に治療を受けるためには、医師の指示に従うようにしましょう。

定期的なメンテナンスは必要?

肌のターンオーバーは年齢を重ねるごとに遅くなっていきます。また、コラーゲンやエラスチンも劣化・減少し、肌のハリの低下につながります。より綺麗な肌を維持したい場合は、定期的にメンテナンスを受けることをおすすめします。
ダーマペンで改善したい肌悩みが改善されるまでは、1か月に1回の頻度で、5回程繰り返し施術を受け、肌を改善します。改善した肌はしばらく維持されますが、年齢と共に肌の老化も進んでいくため、老化の進行を遅くし、より若々しい肌を維持したい場合は、肌が不調になってきたなと感じた頃の施術がベストタイミングです。
定期的なメンテナンスで、より理想とする肌の維持が可能となります。

まとめ

ダーマペンは、ニキビの重症度によっては、施術ができない可能性があります。
コメドと言われるニキビの初期段階の場合は、毛穴に詰まった角栓を取り除くことで悪化を防ぐことができるため、ダーマペン施術が有効です。一方で、炎症している赤ニキビや黄ニキビは、ダーマペンの刺激によってニキビの悪化や、肌への負担が大きくなることが考えられるため、施術はおすすめできません。
炎症ニキビがある際は、イオン導入などを利用してニキビのケアをした後に、ダーマペン施術を受けるようにするといいでしょう。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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