医療ハイフは、たるみの引き締めに効果的な施術で、多くの人に人気があります。しかし、医療ハイフで照射してはいけない場所もあり、そのリスクや注意点を解説します。
また、医療ハイフが適さない場合の、そのほかの施術についても解説していきます。
医療ハイフを当ててはいけない場所は?医療ハイフの効果とリスクを徹底解説
この記事を読んでわかること
- 医療ハイフは、高密度の超音波を使い、たるみや引き締めに効果的な、メスを使わない美容施術です。
- ハイフを当ててはいけない場所は、目元や甲状腺部分、脂肪の少ない部位や頬のこけが心配な人の頬の部分などがあります。
- 施術前は肌の状態を整え、健康状態を確認し、カウンセリングで適切な施術計画を立てることが重要です。
- 不適切な施術は皮膚へのダメージや神経損傷のリスクがあるため、信頼できる医療機関で受けるべきです。
目次
医療ハイフとは何か?
医療ハイフは肌のたるみや引き締めに効果的ですが、その効果や基本情報について解説します。
医療ハイフの基本原理
ハイフ(HIFU)とはHigh Intensity Focused Ultrasoundという正式名称で、日本語に訳すと高密度焦点式超音波法と言います。その名の通り、超音波の熱エネルギーを皮膚深層に点状に照射し、リフトアップ効果や小顔効果をもたらすことが出来る治療です。
虫眼鏡で太陽の光を集めると、日の当たる部分を焦がすことができますが、ハイフはこの原理を応用しています。ハイフは元々、前立腺がんの治療に使われていました。そのハイフが肌表面へダメージを与えることなく狙った肌内部のみに作用することを美容分野の医療ハイフに応用したのがたるみ治療に使われる医療ハイフの始まりです。
椿クリニックの医療ハイフは、3種類のカートリッジを「皮膚の真皮層」「皮下脂肪層」「SMAS 筋膜」の3つの層によって使い分け、同部位に高エネルギーをしっかり照射することで、高い効果を発揮します。
メスを使った手術ではなく「照射系」の治療になるため、お肌や体への負担は少なくダウンタイムもほとんどありません。
医療ハイフの一般的な使用用途
医療ハイフは以下のお悩みの解消に使用されます。
- フェイスラインや頬のもたつきが気になる
- 二重アゴが気になる
- 切らずに痛みが少ないリフトアップをしたい
- ほうれい線やマリオネットラインを改善したい
- パンパンな頬を引き締めて小顔になりたい
美容業界における医療ハイフの人気の理由
医療ハイフが美容業界で人気の理由は、メスを使わずにたるみの引き締めが可能であるという点です。
さらに、皮膚の真皮層へのアプローチによって肌のハリや弾力の回復、脂肪層へのアプローチによって脂肪の減少によるほうれい線の改善や小顔効果、SMAS筋膜へのアプローチによる肌のたるみを土台から引き締める、といった、1台で様々な部分に働きかけることが可能な点も人気の理由です。
医療ハイフをあててはいけない場所とは?
たるみの引き締めに効果的な医療ハイフですが、施術部位によっては、神経損傷などの危険が伴うため、あててはいけない場所が存在します。
顔の特定のエリア
医療ハイフは脂肪層に働きかけるため、元々脂肪の少ない部分や、頬のこけが不安な方への頬への照射などは避ける部分です。
また、医療ハイフはレーザーよりも深くまで照射できるため、目元への照射はNGとなります。このほかにも、喉の甲状腺部分への照射も避けて行います。
間違った場所へ間違ったレベルでの照射は、神経損傷や大きなトラブルにつながってしまいます。
過去に美容施術を受けた方の注意点
過去に糸リフトなどの美容施術によって、金の糸や金属のプレートを入れている人は、火傷のリスクが高まるため施術を受けることができません。
他にも、シリコンの入っている部分も避けて照射を行います。
また、直近で美容施術を受けた方は、肌への負担が大きくなるため、一定の間隔を空けて施術を受けていただくことをおすすめします。受けた美容施術の内容によって空ける間隔は変わるため、医療ハイフの施術の前に必ず、クリニックに確認するようにしましょう。
骨に近い場所のリスク
骨に近い場所は熱を吸収しやすくなります。
適切な照射レベルでの施術であれば問題はありませんが、知識不足で必要以上に強いレベルで照射してしまうことで火傷のリスクが大きくなります。
肌トラブルを起こさないためにも、信頼できるクリニックや医師、施術者の元で施術を受けるようにしましょう。
医療ハイフ施術の前に知っておくべきこと
医療ハイフを効果的に受けるための施術前の注意点を解説します。
医療ハイフ施術の前の準備
医療ハイフの施術前には、お肌のコンディションをできるだけ整えておくことが重要です。特に日焼けは、医療ハイフ治療時の火傷などのリスクの増大につながるため、しっかりと日焼け対策をしていただき、肌が乾燥しないように保湿を行うようにしてください。
また、ケミカルピーリングや同じような作用のあるケア用品、皮むけの起こるケア用品なども、1週間前くらいまでにはストップしておくといいでしょう。
肌のコンディションが整っているとしっかりと熱を与えることができるため、より効果も実感しやすくなります。
施術前の健康状態の確認
医療ハイフの施術前には、健康状態もしっかりと確認しておきましょう。
体調不良だったり、風邪をひいていたりすると、肌への負担も大きくなるため、体調の悪い時は施術を延期するようにしてください。
また、施術部位に何らかの皮膚疾患や、ヘルペスなどの感染症を患っている場合も、完治するまでは施術を控えるようにしてください。
施術前のカウンセリングの重要性
医療ハイフに限らず、どの美容施術でも受けていただく前にはしっかりとカウンセリングにて、肌悩みや肌状態の確認が重要になります。
カウンセリングを行う理由は、お客様の肌悩みをお聞きし、最適な治療をご提案させていただくためです。時には、お客様がしたいと思っている施術でも今はまだ必要でなかったり、ご希望の施術でないものが悩みの改善に最適であったりすることもあります。
医療ハイフであれば、脂肪の量やたるみの具合なども確認し、ハイフを照射して思うような変化を得ることができるのかということやハイフを照射しない方がいい部分の見極めなどを行います。
医療ハイフ施術による主なリスクと注意点
医療ハイフは効果的な美容施術として知られていますが、すべての人に適しているわけではありません。以下に、その理由と注意点を詳しく説明します。
皮膚へのダメージリスク
不適切な医療ハイフ施術は、以下のような肌へのリスクが大きくなる原因となります。
- 火傷や赤みの可能性
ハイフは高密度の超音波を使用するため、エネルギーが強すぎると皮膚表面に火傷や赤みを引き起こすことがあります。また、日焼けしている肌や、ダメージを受けた状態の肌に照射することでも、肌へのリスクが大きくなります。 - 色素沈着のリスク
特に肌が敏感な人や色素沈着しやすい肌質の人は、施術後に色素沈着が起こる可能性があります。 - 皮膚のたるみやこけ
不適切な施術により、期待した効果が得られないばかりか、反対に皮膚のたるみや頬のこけが生じることもあります。
このように、不適切な施術はダメージが大きくなるため、必ずしっかりと知識のある医療機関や、信頼できる医師、施術者の元で施術を受けるようにしましょう。
神経損傷の可能性
医療ハイフのエネルギーが神経に影響を及ぼすと、一時的な麻痺やしびれを感じることがあります。
間違った場所や間違ったレベルで照射を行うことで、神経を傷つけてしまう可能性があります。
ただし、確かな知識を持った施術者の元での施術であれば、そのリスクはほぼないため、必ず医療機関で受けましょう。エステサロンなどでもハイフを提供しているところがありますが、エステサロンではトラブルが起きたときにすぐに対応することができないため、自分の身を守るためにも医療機関での施術をおすすめします。
医療ハイフ施術後のケア方法
医療ハイフは施術後の適切なケアで、より効果を実感しやすくなります。アフターケアのコツを解説します。
施術後の肌の冷却
医療ハイフは、肌の内部に熱を与えていきます。これにより、照射部分が全体的に熱を帯びた状態になるため、肌の赤みや痒みが出る可能性があります。
副作用をできるだけ抑えるために、施術後に赤みや痒みが気になる場合は保冷材などを用いて冷却するようにしましょう。
保湿と鎮静の重要性
施術後は肌の内部に熱がこもる関係で、肌が乾燥しやすくなります。
肌が乾燥してしまうことで、紫外線などの外的刺激を受けやすくなってしまいます。また、乾燥していることで、肌の弾力やハリの低下につながります。
施術後は普段以上にしっかりと保湿をし、肌を乾燥から守るようにしましょう。
冷やしたフェイスパックで保湿を行うことで、同時に冷却もできるのでおすすめです。
避けるべき活動と行動
医療ハイフの施術後は激しい運動や飲酒、長風呂など体温が上がる行動は避けるようにしましょう。
赤みや痒みなど副作用の原因となります。
また、強い紫外線を浴びることで肌の弾力の低下や、効果を感じにくくなる原因となるため、紫外線を長時間浴びる野外活動はできるだけ控えるようにしましょう。また、外出時には日焼け止めを塗るなどしてしっかりと紫外線対策を行いましょう。
医療ハイフと他の美容施術との比較
医療ハイフの他にもたるみのケアに使用できる美容施術との違いを解説します。
ボトックスとの違い
ボトックスは、筋肉の働きを抑えることで発達した筋肉によるエラ張りを解消したり、ふくらはぎを細くするなどの目的で使われます。
このボトックスを、皮膚を下に引っ張る口角下制筋や広頚筋に注射します。これらの筋肉が発達してしまっていることで、皮膚が下に引っ張られたるみが強くなりますが、その引っ張りを和らげるのに役立ちます。
医療ハイフと組み合わせて治療を受けることで、よりリフトアップの効果を実感しやすくなります。
ヒアルロン酸リフトとの比較
ヒアルロン酸リフトは、皮膚を引っ張り上げるようにヒアルロン酸を注入します。また、年齢を重ねこけてしまった頬やこめかみなどに注入し、自然にふっくらとしたお顔を作ることで若々しい印象を保ちます。
ヒアルロン酸リフトでは、皮膚を支える土台を補充するように注入するため、医療ハイフでは改善が難しい進行したたるみに効果的です。
まとめ
医療ハイフを当ててはいけない場所は、元々脂肪の少ない部分やこけることが心配な人の頬、目元、喉の部分にある甲状腺などです。
他にも、金の糸や金属のプレートを入れている場合も医療ハイフの施術を受けることができません。
肌状態が悪かったり、感染症に罹っている場合も、施術は延期した方がいいでしょう。
医療ハイフの他にも、ボトックス注射やヒアルロン酸リフトなどもたるみの改善に効果的なため、医療ハイフが適さない場合はこれらの施術も検討してみましょう。