そのトラネキサム酸が肝斑やシミの治療に使われるようになり、多くの医療機関で肝斑・シミの治療薬として取り扱われています。そんなトラネキサム酸についてこの記事で深堀りしていきます。
美白や美肌の味方トラネキサム酸の効果とは、副作用についても解説します
目次
トラネキサム酸とは
トラネキサム酸は化粧品に入っていたり、市販薬でよく耳にする人も多いと思います。どんな効果があるのか解説していきます。
トラネキサム酸ってどんな薬?
トラネキサム酸は、人工的に合成されたアミノ酸です。止血剤や抗炎症剤として出血の予防や治療に用いられます。重度の外傷、分娩後の出血、外科手術、抜歯、鼻血、重度の月経など出血量が多くなるような場面で投与されることがあります。
内服以外にも、美容クリニックなどでイオン導入に使用されることもあります。
美白効果があるため、シミや肝斑の改善が期待できます。
どんな効果があるの
止血作用
医療の現場で、手術時の止血などに使用されています。血液を固めやすくする作用があるため、血が固まることで悪化させてしまうような疾患を持っている人は内服できない可能性があります。
抗炎症作用
炎症やアレルギーを抑えるため、湿疹やじんましんなどの炎症の治療に使われます。風邪をひいたときなど、のどの痛みや炎症を抑えるために処方されるトラネキサム酸は、この効果があるからです。
トラネキサム酸が医薬部外品の美白有効成分として承認を得たのは2002年で、さらに色素沈着や肝斑への効果が認められ、一般用医薬品として発売されるようになったのは2007年からです。
トラネキサム酸は食品からは摂取できない成分のため、医療機関で処方してもらう内服薬や、薬局などで売っている市販薬から摂取する必要があります。
美容クリニックでのトラネキサム酸の立ち位置
美容クリニックでのトラネキサム酸の役割を解説していきます。
シミの予防・治療
トラネキサム酸は、炎症を引き起こす生体内の酵素「プラスミン」を抑制する「抗プラスミン作用」を持っています。
プラスミンはメラニン細胞を活性化します。
トラネキサム酸はこのメラニン細胞の働きを抑える力があるので、美白効果が期待できます。
トラネキサム酸が、もっとも初期の段階でメラノサイト活性化因子(プラスミン)を阻害し、メラニンをつくるための情報伝達をブロックします。
引用:第一三共ヘルスケア トランシーノ肝斑に効く仕組み
肝斑の治療
トラネキサム酸には前述した働きがあるため、肝斑にも効果を発揮します。肝斑ははっきりとした原因はわかっていませんが、摩擦による炎症が原因であるとも言われています。その炎症を抑え、改善する効果もトラネキサム酸にはあります。レーザーや光治療などは肝斑には禁忌ですが、肝斑部以外には照射が可能です。その際に併用することで、過剰な肝斑への刺激を抑え、かつ肝斑を薄くする効果も期待できます。
摩擦により憎悪する傾向があるとされ、顔をさわるクセのある人に出やすいとされる。洗顔やスキンケア、マッサージなどで顔を強く擦らないように注意したほうがよい。
引用:Wikipedia 肝斑
内服薬のトラネキサム酸
トラネキサム酸は内服薬のほか、イオン導入などで外側から入れ込む使い方もできます。ここからは椿クリニックでご用意している、内服以外のトラネキサム酸についてお話していきます。
摂取方法
トラネキサム酸は医薬品の為、内服する場合は、医師や薬剤師に必ず処方してもらう必要があります。椿クリニックでは、朝夕1錠ずつの内服で処方しております。
副作用
トラネキサム酸は止血効果があるので、摂取することで、血液が固まりやすくなる可能性があります。副作用が現れることは稀ですが、軽い月経の減少や、胃の不調が出ることもあります。しかし、化粧品などで肌から取り入れた場合は、血液に入っていく量も少ないので、血液が固まりやすくなるリスクは低くなります。
また、脳血栓や心筋梗塞など、血液が固まることでリスクが高くなるような疾患を持っている人には、慎重投与になります。
市販薬と処方薬の違いとは
薬局などで購入できる市販薬にも、医師の診察を受けて購入する処方薬と同じ成分であるトラネキサム酸が配合されています。
2つの薬の違いは、含有されているトラネキサム酸の量にあります。
処方薬でのトラネキサム酸の服用量は、1日750〜2000mgと内服できる範囲が広くなっています。しかし、市販薬では1日最大750㎎と決められており、処方薬の方が圧倒的に内服できる量が多くなります。
この違いは、医師の診断や観察下ではないことや副作用のリスクなどがあり、安全性の面を考慮しているためです。そのため、トラネキサム酸の高い効果を期待する場合には、処方薬を選ぶことをおすすめします。
引用:日本医薬情報センター トラネキサム酸錠添付文書 用法及び用量
トラネキサム酸として、通常成人1日750〜2000mgを3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
引用:第一三共ヘルスケア トランシーノ 使用上の注意
本剤はトラネキサム酸を、一般用医薬品の1日最大配合量750mg配合しています。過量服用による副作用を避けるための注意です。
参考:Wikipedia トラネキサム酸
内服薬以外のトラネキサム酸とは
トラネキサム酸は内服薬以外に、美容の施術にも取り入れられています。ここからは椿クリニックでご用意している、内服以外のトラネキサム酸についてお話していきます。
イオン導入で入れ込む美白成分
イオン導入は、本来角質層までしか入らない美容成分を、微弱な電流の力を利用して、肌の奥深くにまで美容成分を入れ込んでいく治療です。
肝斑やシミの改善のために、直にトラネキサム酸の成分を入れ込んでいくことで、改善が期待できます。
こんな方におすすめ
- シミ・そばかすが目立ってきた
- しわが気になる
- ニキビを治したい
- 毛穴の開きをなんとかしたい
- 肌のくすみが気になる方
- 肌のハリ・小ジワが気になる
- 赤ら顔を治したい
- 肝斑が気になる
メラニン生成阻害作用と炎症抑制作用を持つ薬剤で、美肌と肌荒れに同時に効果を発揮します。肝斑やシミ、くすみ、ニキビによる炎症や、日焼けによる炎症も抑制してくれます。ビタミンCと組み合わせて施術することにより有効に作用します。
美白点滴にも入ってます
スノーホワイト美白点滴・注射にもトラネキサム酸が入っています。
注射や点滴は血管を通して高濃度の成分がそのまま全身に無駄なく行き渡ることが大きな特徴です。体に良い成分をダイレクトにからだにチャージすることができます。
主な成分
ビタミンC
L-システイン
トラネキサム酸
グルタチオン
こんな方におすすめ
- 肌を白くしたい方
- 肌の潤い・ハリを出したい方
- シミ・肝斑を改善したい方
- 肌の透明感を出したい方
点滴・注射のポイント
ビタミンC+L- システインがメラニン色素の生成を阻害・排出し、シミ・そばかすの改善・美白効果をもたらします。トラネキサム酸が美白・シミ予防・肝斑を改善し、グルタチオンが持つ強い抗酸化作用により酸化が原因で起こる老化を防ぎ、メラニンの生成を抑えます。
点滴・注射では、体の内側から改善していくため、他の美肌治療と組み合わせることで、相乗効果を得ることができます。内服はちょっと…という人は、注射の針が大丈夫であれば、点滴・注射から始めてみるのもおすすめです。
まとめ
トラネキサム酸はメラニン細胞の働きを抑える作用があります。薬の選択や、飲み方を間違わなければ、肝斑やシミに大きな効果を発揮してくれる薬です。飲み薬のみでなく美容施術で入れ込むこともできる成分のため、ライフスタイルに合わせて選択し、悩みの改善に役立ててください。
よくあるご質問
はい、トラネキサム酸を治療に取り入れたり、内服薬を服用することで肌を白くする効果が期待できます。抗炎症作用とメラニン生成抑制作用により、シミや肝斑を改善し、肌全体の美白効果が期待できます。
トラネキサム酸には抗炎症作用とメラニン生成抑制作用があるためです。抗炎症作用とは体内の活性酸素を抑え体のさびつきを防ぎます。メラニン生成抑制作用とはメラニン色素の生成を抑えシミやそばかすを防ぎます。
はい、トラネキサム酸はシミを薄くする効果があります。トラネキサム酸にはプラスミンやプロスタグランジンといったメラノサイト活性化の因子を阻害する働きがあるためです。