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【失敗談で学ぶ】シミ取りレーザー完全ガイド ─ 原因・副作用・再発防止まで徹底解説

【失敗談で学ぶ】シミ取りレーザー完全ガイド ─ 原因・副作用・再発防止まで徹底解説

この記事を読んでわかること

  • シミ取りレーザーはシミの種類や肌質の診断が不適切だと効果が出ず、炎症後色素沈着や白斑などの副作用を招くことがあります。
  • QスイッチレーザーやIPLなど機器ごとに適応が異なり、出力設定ミスが色素沈着や白斑を引き起こす原因になることがあります。
  • レーザー後は保湿と紫外線対策が不可欠。ケア不足で炎症後色素沈着などのシミが再発する可能性があるため注意が必要です。
  • 施術前の紫外線対策や刺激物の回避、適切な診断と治療計画でリスクを減らし、複数回の施術やダウンタイムにも備えましょう。

「シミをきれいに取りたい」と思ってレーザー治療を受けたのに、思ったような結果が出なかった…。実はこうした“失敗談”は珍しくありません。
シミ取りレーザーは非常に効果的な治療ですが、正しい診断や機器選定、アフターケアを誤ると「シミが消えない」「むしろ悪化した」といったトラブルが起こることも。
このコラムでは、美容クリニックでよく見られるレーザー治療の失敗例をもとに、原因や副作用、対処法などを徹底解説します。治療前に知っておきたい準備や、後悔しないためのチェックポイントもご紹介。
「失敗しないシミ取りレーザー」のために、まずは正しい知識を身につけましょう。

シミ取りレーザーにまつわるリアルな失敗談

シミ取りレーザーにまつわるリアルな失敗談

シミ取りレーザーは、美容皮膚科で多く用いられる治療法のひとつです。しかし、正しい診断やケアが不十分な場合、期待通りの効果が得られず、かえって悪化するケースもあります。実際の失敗談から学び、トラブル回避のために必要な知識を解説します。

シミが消えない・逆に悪化する理由とは?

スポットでのシミ取りレーザーを受けたにもかかわらず、「思ったほど変化がない」「かえって濃くなった」といった声は珍しくありません。これは、シミの種類の診断や照射設定、アフターケアの不足が原因で起こることが多いです。

たとえば、施術後にしっかりと反応が起こりかさぶたができたものの、かさぶたが取れてしばらくしたら再び濃くなったというケースでは、施術後に「炎症後色素沈着」が起きて、メラニンが生成されてしまったという例もあります。

また、薄いシミに対して強すぎるレーザーを照射してしまい、反応性色素沈着が発生したという失敗例もあります。これらは、適切な照射設定とアフターケアがあれば予防できた可能性が高いトラブルです。

このような失敗例を防ぐには、経験豊富な医師の診断と、施術後の正しいケアが不可欠です。

レーザー後に白斑ができてしまう

シミ取りレーザーの施術後、稀なトラブルにはなりますが、「白斑」という症状が起きることがあります。白斑とは、施術部位の皮膚の色素が抜けて周囲よりも白く見える症状です。

白斑が起こる主な原因は、レーザー照射によって、メラニン色素を生成する細胞であるメラノサイトが過剰に破壊されてしまうことです。特に、照射の出力が強すぎたり、頻回に同じ部位に照射を繰り返したりした場合、メラノサイトがダメージから回復できず、メラニンを産生できなくなります。

また、個人の肌質や体質によっても、メラノサイトが過敏に反応し、過剰に壊れてしまうことがあります。深いシミや濃い色素を一度で除去しようと強い設定を選ぶことが、かえってリスクを高めてしまう場合も。白斑は、炎症後色素沈着とは異なり、自然に元の肌色に戻りにくいのが特徴です。そのため、無理に1回でシミを取りきろうとせず、肌への負担を最小限に抑える治療設計を行うことが重要です。

また、施術前には肌状態をしっかり整え、医師に確認してもらいながら進めていくことが大事になります。過去にレーザー治療で異常反応が出たことがないかなども、事前の問診で伝えておくと安心です。

白斑は見た目にも目立ちやすく、美容的な悩みとなるため注意が必要です。

皮膚の色を構成するメラニンを生成するメラニン細胞(メラノサイト)が消失、あるいは機能停止しているとも示唆されている。

引用:Wikipedia 尋常性白斑

失敗の原因はどこにあったのか?

失敗の原因はどこにあったのか?

シミ取りレーザーの失敗には、実は多くの場合「予測可能だった原因」が潜んでいます。ここでは、よくある3つの原因を解説し、施術前にチェックすべきポイントをご紹介します。

シミの種類が正しく診断されていなかった

レーザー治療の失敗で最も多いのが、「シミの誤診」によるものです。シミにはいくつもの種類があり、それぞれ治療方法が異なります。代表的なシミの種類は以下になります。

  • 老人性色素斑(紫外線や加齢が原因の一般的なシミ)
  • 肝斑(ホルモンバランスの影響を受けやすく、炎症に弱い)
  • 雀卵斑(そばかす)(遺伝的なことが多く、年齢とともに変化)
  • 炎症後色素沈着(ニキビ跡や擦り傷など炎症が起きた後にできる色素沈着)

このうち、肝斑は強いレーザーなどの刺激によって炎症が起きてしまうと、症状が悪化して範囲が広がったり、濃くなったりすると言われています。

また、複数のシミが重なって現れている場合は、「どのシミから治療を始めるか」という順番も重要になるため、医師にシミの状態を確認してもらい、最適な治療を提案してもらうようにしましょう。

使用機器や照射設定が適切でなかった

シミ治療に使用する機器は複数ありますが、シミの種類に適したものを使用できていないと、改善が難しくなったり、反対に悪化してしまったりすることがあります。

例えば「Qスイッチヤグレーザー」を使用したシミ治療の場合、肌の深部まで到達し、深いシミ(真皮にある青あざや太田母斑など)に適した1064nmの波長と、浅い層のメラニンに効果的で、表皮のシミ(老人性色素斑など)に向いている532nmの波長を使い分けます。Qスイッチヤグレーザーは高い効果が期待できる一方で、照射出力の設定や波長の選定を誤ると、炎症や白斑のリスクがあります。

また、フォトフェイシャルなどのIPL機器は、幅の広い波長の光を照射し、マイルドにシミを含む肌全体のコンディションを改善していきます。顔全体のトーンアップや赤みの改善など、複合的な美容効果が期待できる反面、Qスイッチヤグレーザーに比べてメラニンへの選アプローチが弱く、濃いシミやピンポイントな色素沈着には効果が出にくい傾向があります。そのため、複数回の治療が必要になり、「1回で効果を感じなかった」という結果になってしまうこともあります。

同じ「シミ取り」「シミ治療」といっても、QスイッチヤグレーザーとIPLでは適応やアプローチが大きく異なります。

失敗を回避し、効果を感じるためには、医師がシミの深さや種類を的確に判断し、どの機器を用いるかを見極めることが重要になるため、信頼できるクリニックで治療を受けることが大事になります。

アフターケアや説明が不十分だった

意外と見落とされがちなのが、「治療後のケアや説明不足」が原因による失敗です。レーザー治療は、照射が終わった時点では完了ではありません。その後のケアが結果を大きく左右します。特にスポットでのシミ治療を受けた後は、最低でも2〜3ヶ月は普段以上に保湿や摩擦、紫外線などの刺激を意識したケアが重要になります。

どの機器を使用した場合でも、シミ治療の施術後の患部はバリア機能が低下し、紫外線や摩擦などの刺激に弱い状態になります。そのため、余計な刺激が加わり、炎症が起きたりメラノサイトが刺激されてしまったりすると、過剰にメラニン色素が生成されてしまいます。

また、治療後の炎症が長引いてしまうことも、メラノサイトを刺激してしまう要因になります。

こうした説明がないまま施術を終えてしまうと、正しいケアを知らずにトラブルにつながることもあります。安心して治療を受けるためには、適切な保湿や紫外線対策の方法を教えてもらえたり、施術後の塗り薬や保護テープを処方してもらえたりするかなど、アフターサポートの有無の事前確認も重要になります。

シミ取りレーザーの副作用とは?よくある症状とその対処法

シミ取りレーザーの副作用とは?よくある症状とその対処法

スポットでのシミ取りレーザーは比較的安全性が高い治療ですが、肌に刺激を与える医療行為である以上、一定の副作用が出る可能性はあります。ここでは、特に多く見られる副作用と、それぞれに対する正しい対処法をご紹介します。

炎症後色素沈着とは?シミが再発・悪化して見える理由と対策

スポットでのシミ取りレーザーの副作用として、最も多くの方が経験するのが「炎症後色素沈着」です。レーザーでシミを治療したはずなのに、「気づいたらまた濃くなってきた」「以前より目立って見える」といった声の多くは、この炎症後色素沈着が原因です。

炎症後色素沈着はその名の通り、「炎症」を起こした後にできる「色素沈着」で、レーザーによる熱刺激で起きた炎症が必要以上に長引いてしまうことで、メラノサイトが活性化され、メラニン色素を生成してしまう状態です。特にアジア人のような色素が濃い肌タイプは、この炎症反応に対して敏感であり、炎症後色素沈着を起こしやすいと言われています。

レーザー後の炎症を長引かせてしまう要因としては、日焼けや摩擦などの外的刺激、強すぎるレーザーの出力、不十分な保湿ケアなどが挙げられます。

炎症後色素沈着を回避するためには、適切な出力で照射してもらうことや、施術後の患部の保護などが重要になります、クリニックによっては、施術後の炎症を早い段階で抑えるための塗り薬などを処方してもらえる場合もあるため、しっかりと活用していきましょう。

炎症後色素沈着が起きてしまった場合、時間の経過とともに薄くすることは可能ですが、年単位の長い時間がかかることがあります。失敗を防ぐためにも、施術後のケアの指導はしっかりと受け、必要であればハイドロキノンなどの美白を後押しする塗り薬や、炎症を抑えるためのトラネキサム酸などの内服薬も検討してみましょう。

外用薬ではハイドロキノンと呼ばれることのほうが多い。ヒドロキノンは、その強力な漂白作用を利用したもので、シミ取り剤として皮膚科などで処方されるほか、薬局などでヒドロキノン配合の軟膏・クリーム等が市販されている。

引用:Wikipedia ヒドロキノン

トラネキサム酸(トラネキサムさん、Tranexamic acid)は、人工合成されたアミノ酸であり、止血剤・抗炎症剤として出血の予防・治療に用いられる。

引用:Wikipedia トラネキサム酸

水ぶくれ・赤み・かさぶた:照射後の正常な反応と注意点

スポットでのレーザー照射後、一時的に赤みやかさぶたなどが現れることがありますが、これらはほとんどの場合、皮膚の正常な反応です。

施術直後から現れる赤みは、1〜2週間程度で自然に改善します。その後、メラニンを含んだ古い皮膚組織が排出される過程でかさぶたができ始めます。この期間は、患部を常にテープで保護しておく必要があり、無理に剥がすと色素沈着の原因になるため注意しましょう。

必要以上に強い出力でレーザーを照射してしまうと、水ぶくれができてしまうことがありますが、万が一できてしまった場合は自分で潰さずに、すぐに施術を受けたクリニックに相談しましょう。対処が遅れてしまうと、色素沈着の原因となってしまうため、違和感を感じたらできるだけ早く連絡するのがいいでしょう。

施術効果を高める!レーザー治療前にできる準備と対策

施術効果を高める!レーザー治療前にできる準備と対策

スポットでのシミ取りレーザーの効果を最大限に引き出すには、施術前の準備が非常に重要です。ここでは、施術前におすすめの2つの基本対策をご紹介します。

診断とカウンセリングを活用してベストな治療プランを選ぶ

スポットでのシミ取りレーザーの成功には、施術前の正確な診断とカウンセリングが不可欠です。シミの種類や深さ、肌質、生活習慣などを踏まえた治療計画が立てられることで、リスクを減らし効果を最大化できます。

肝斑のようにスポットでのレーザー治療が適さないシミもあるため、自分のシミがレーザー治療の適応なのか医師に確認してもらいましょう。シミの種類が確認出来たら、次はレーザーで取るべきなのか、IPLで少しずつ改善していくべきなのかを見極めてもらいましょう。

そのあとは、治療を受けるうえでの副作用や施術後のケア方法、ダウンタイムなど、自分の生活に支障の出ない治療プランかどうかを確認しておきましょう。

施術前のカウンセリングを最大限活用することは、トラブルを未然に防ぐだけでなく、納得のいく施術結果につながりやすくなります。

施術前にやるべき準備&避けるべきNG行動リスト

レーザー治療前の肌状態が良いほど、効果が出やすく、副作用のリスクも軽減されます。特に重要なのが「紫外線対策」と「刺激の少ないスキンケア」「肌の保湿」です。

少なくとも施術の2週間前からは、しっかりと紫外線対策をし、日焼けしないように心がけましょう。日焼け止めの塗布だけでなく、帽子や日傘なども使用して、物理的にも紫外線をブロックしましょう。

スキンケアはセラミドやヒアルロン酸などが配合された高保湿のケア用品を使用し、バリア機能を強化しておきましょう。

反対に、刺激の強い以下のような成分は施術の1週間前から中止するようにしましょう。

  • レチノールや、トレチノインなどのビタミンA誘導体配合の製品
  • スクラブ剤やピーリング剤などの角質を取り除くケア用品
  • 高濃度のビタミンCが配合された製品
  • ステロイドや抗生物質などの外用薬

ハイドロキノンは3日前から使用を中止し、それ以外に使用している薬や内服などがある場合は、必ず事前に医師に相談しましょう。

こうした準備をしておくことで、治療効果の最大化とトラブルの回避が可能になります。

日本で医薬部外品として化粧品に配合されたレチノールのシワ改善作用の効能表示が承認されているが[5]、皮膚刺激性と物質としての不安定な性質は問題視されている[6][7]。

引用:Wikipedia ビタミンA

シミ取りレーザーで後悔しないために!治療前に知っておきたいこと

シミ取りレーザーで後悔しないために!治療前に知っておきたいこと

どれだけ丁寧に準備しても、体質や外的要因によってレーザー治療後に予想外のトラブルが発生することもあります。そんなときこそ、落ち着いて行動できるように、施術前に知っておきたいことを解説します。

シミ取りレーザーは1回で終わらない?治療回数・期間・ダウンタイムの目安

「1回でシミが消えると思っていたのに、数回通う必要があるなんて聞いてなかった…」という声を聞くことがあります。スポットでのレーザー治療は、シミの種類や濃さ、肌質によって必要回数が異なることがあります。

老人性色素斑は、ほとんどの場合1回で取りきることができます。ただし、深い部分にメラニン色素が蓄積している場合は、2〜3回の治療が必要なこともあります。

そばかすも老人性色素斑と同様に、ほとんどの場合1回で取りきることができますが、複数個所に点在していることが多く、肌への負担を考え複数回に分けて照射することがあります。クリニックや医師の判断によっては、目立つそばかすのみをスポットで照射し、残りはIPLなどの光治療やレーザートーニングを勧められる場合もあります。

複数回のスポット照射が必要になる場合は、同じ個所への照射は3ヶ月程空けて、しっかりと肌が回復してから次の施術になります。

かさぶたができるダウンタイムは1〜2週間程ですが、その後も1〜2ヶ月ほどは継続して保湿や紫外線対策を行うことが必要です。

事前に「何回くらい必要なのか」「どのくらい通うのか」をしっかり確認しておくことで、途中で不安になったり期待外れに感じたりすることを防げます。

シミ取りレーザー後のトラブルはどう対応する?

スポットでのレーザー治療後、赤みが強くなったり、痛みがひどくなったり、水ぶくれやかゆみが悪化した場合、それは通常の反応ではなくトラブルの兆候かもしれません。

  • 施術部位が熱を持ち続ける
  • 強い痛みや腫れ、かゆみが引かない
  • 水ぶくれが広がる、化膿している
  • 高熱や全身症状を伴う

こうした症状が現れた場合、まずは施術を受けたクリニックにすぐに連絡し、状況を詳しく伝えましょう。自己判断はNGです。市販の薬や自分での処置は避け、必ず医師の診察を受けることが重要です。

まとめ

スポットでのシミ治療の失敗は、シミの種類の誤診や照射レベルの間違い、施術後のケアが不十分だったことなどが挙げられます。
シミのレーザー治療を失敗しないためにも、施術前から肌のコンディションを整えたり、適切なシミの診断・施術機器の選択のできる医師を見つけたりすることが重要です。
施術後のケア方法についても詳しく説明してくれるクリニックであれば、なお安心です。
「シミ治療をしたのに、余計に濃くなった…」なんてことにならないように、信頼できるクリニックや医師を見つけましょう。

シミでお悩みの方はぜひ、椿クリニックにご相談ください。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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