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レチノールのa反応で顎ニキビが悪化?生理前に出やすい症状と正しい対処法

レチノールのa反応で顎ニキビが悪化?生理前に出やすい症状と正しい対処法

この記事を読んでわかること

  • レチノールを使ったときに出る「a反応」と「肌に合っていないとき」の違いを知り、強いかゆみや広がる赤みが続くときは一度休むのが安心です。
  • a反応は使い始めてから3〜7日ほどで出ることが多く、1〜4週間で落ち着くのが一般的です。
  • 初めてレチノールを使用する際、刺激を減らすためには週1〜2回、米粒くらいの量からスタートし、化粧水やクリームで肌を守りながら使うと安心です。赤みが強く出た日は休みましょう。
  • 生理前など肌が敏感な時期は無理をせずにお休みし、再開するときは濃度や回数を半分に。夜だけ少しずつ慣らすとトラブルを防ぎながら再開することができます。

レチノールを使い始めたあと、顎まわりにポツポツとニキビが増えたり、赤みや皮むけが気になったりすることはありませんか?
それは「a反応(レチノイド反応)」と呼ばれる一時的な肌の反応で、生理前などホルモンバランスが揺らぐ時期に起こりやすい傾向があります。
しかし、使い方や頻度を少し調整するだけで、刺激を抑えながらケアを続けることができます。
このコラムでは、レチノールのa反応による顎ニキビの見分け方や、生理前に出やすい症状、悪化させないための使い方のコツをやさしく解説します。
「続けたいけど不安…」という方に、肌をいたわりながら上手に乗り越えるヒントをお届けします。

レチノールのa反応とニキビの見分け方|赤み・皮むけ・ポツポツの正体

レチノールのa反応とニキビの見分け方|赤み・皮むけ・ポツポツの正体

レチノールを使うと肌がざらついたり、赤みやポツポツが出たりすることがあります。

それが「a反応」なのか「肌に合っていないサイン」なのかを見分けることが、安心して続ける第一歩です。

反応で起きやすい赤みや皮むけのサイン

レチノールのa反応では、古い角質がはがれる過程で一時的に赤みや皮むけ、細かいニキビのようなポツポツが出ることがあります。とくに皮膚が薄い頬や顎まわり、口の横などに出やすい傾向です。

これらは肌の表面の古い角質が剥がれ、新陳代謝(ターンオーバー)が進んでいるサインであり、強い痛みがなければ自然に落ち着くことが多いです。赤みや皮むけなどのa反応が起きても焦らずに保湿を重ね、肌を休ませながら様子を見ましょう。

組織レベルのターンオーバーの例として、例えばヒトの表皮細胞は基底層で形成され、約28日かけて角化し、角質細胞になり最後は垢として剥落する。

引用:Wikipedia ターンオーバー(生物)

ビタミンA (Vitamin A) とは、物質としては一般にレチノール(英語版)(Retinol、アルコール体)を指し[1][2]、ビタミンA1としても知られる。

レチノールは必須栄養素で皮膚細胞の分化を促進する[4]。

引用:Wikipedia ビタミンA

「合わない時」との違い|強いかゆみ・広がる赤み

レチノールが肌に合っていない場合は、a反応よりも赤みが広がりやすく、かゆみやヒリつきが強く出るのが特徴です。

塗布した直後にしみるような痛みや、数日経っても改善しない赤みが続くときは、一度使用を中止して肌を休ませましょう。赤みや痒みが強い場合は、使用しているレチノール製品の濃度が強く肌に合っていなかったり、アレルギー反応が起きていたりする可能性があります。使用を中止し刺激が落ち着く場合は、低濃度の製品や使用頻度を見直してみましょう。ただし、使用を止めても症状が引かない場合は、すぐに医療機関に相談することが大切です。

反応が出る時期と落ち着くまでの目安(1〜4週)

a反応は多くの場合、使用開始から3〜7日ほどで出始め、1〜4週間のうちに落ち着いていくケースが一般的です。

早い人では数日で慣れることもありますが、無理をして使い続けると肌状態が悪化することもあります。症状が強いときや気になるときは数日休むなど、肌の回復に合わせて柔軟に対応しましょう。

上手な使い方と対処法|頻度・量・順番のコツと悪化させないケア

上手な使い方と対処法|頻度・量・順番のコツと悪化させないケア

レチノールは少量でもしっかり働く成分です。正しい使い方を知ることで、a反応を最小限に抑えながら効果的に続けられます。

初心者は週1~2回・米粒大から薄くスタート

初めてレチノール製品を使う場合は週1〜2回ほど、米粒大の量を薄くのばすことから始めましょう。

肌が慣れるまでは、毎日使うよりも「肌を休める日」をつくるのが安心です。効果を求めようと量を増やすより、適切な保湿で肌のバリア機能を守ることを優先しましょう。慣れてきたら少しずつ使用頻度を上げることで、刺激を感じにくくなります。

化粧水・保湿後に塗る「保湿サンド」で刺激を和らげる

初めてレチノールを使用する際は、化粧水と乳液で肌のバリア機能を整えた後、レチノールを薄く塗り、その上から再度保湿クリームを重ねる「保湿サンド」の塗り方がおすすめです。

何も塗っていない無防備な状態の肌にレチノールを直接のせるよりも、薄く1枚ベールを作ってあげることで刺激を和らげることができ、乾燥を防ぐ効果も期待できます。特に頬や口まわりなど刺激に敏感な部分は、事前に保湿剤を少量塗ってから重ねると安心です。

a反応が出た時の判断|休む・薄める・保湿でリカバリー

レチノールのa反応によって、軽い赤みやニキビのようなポツポツが出た日は、使用を1日休んで保湿と冷却を中心に行いましょう。

化粧水で肌を軽く整えたあと、低刺激の保湿クリームを重ねて水分を逃がさないようにしましょう。a反応が出ているときは肌のターンオーバーが促進されている分、バリア機能は低下している状態です。このタイミングでさらに刺激が加わってしまうと、赤みが長引いたり痒みが伴ってしまったりすることもあるため、バリア機能を高めるためのケアを意識するといいでしょう。

入浴後の温まった肌に塗ると、浸透が穏やかになります。無理に続けず、肌の調子が戻ってから再開するのが長く続けるコツです。

生理前や顎まわりのゆらぎに合わせたレチノール運用

生理前や顎まわりのゆらぎに合わせたレチノール運用

生理前の時期は、ホルモンバランスの影響で肌が敏感になりやすいタイミングです。このタイミングのレチノールを使用したケアには、少しの工夫が必要です。

生理前は肌が敏感に|回数を減らして穏やかに使う

生理前の1〜2週間は、ホルモンバランスの変化で皮脂分泌が活発になりやすく、肌が敏感になりやすい時期です。いつもより赤みや痒みが出やすかったり、顎やフェイスラインなどの皮脂分泌が活発な部分にニキビができやすかったりします。

ホルモンバランスの変化による肌の状態

この時期にレチノールを普段通り使ってしまうと、a反応による乾燥や刺激が強く出ることがあり、ニキビの増悪や肌トラブルにつながりやすくなってしまいます。そのため、生理前は使用頻度を週1〜2回に減らしたり、刺激を感じやすい数日間は思い切って“肌休み期間”を設けるのが安心です。

レチノールを休む間は、代わりに保湿とバリア機能のサポートに集中するといいでしょう。化粧水で潤いを与えたあと、セラミドやヒアルロン酸を含む保湿クリームでしっかりフタをします。肌のうるおいを保つことで、過剰な皮脂分泌を抑えることができ、生理前のゆらぎ肌を安定させやすくなります。

レチノールは“攻めのケア”ですが、肌状態が安定しない時期は“守りのケア”に切り替えることも肌トラブルを起こさずにレチノールを使い続ける秘訣です。

保水性が高く水分保持により粘性を持つ[3]。

引用:Wikipedia ヒアルロン酸

セラミドは、ヒトの皮膚の表皮層の表面を形成する角質層の主成分である。[2][3]セラミドは、コレステロールや飽和脂肪酸とともに、水を通さず乾燥による過度の水分喪失を防ぐほか、微生物の侵入を防ぐバリア機能を形成する。[4]

引用:Wikipedia セラミド

肌が揺らぐ時期の過ごし方とスキンケア調整

生理前や季節の変わり目など、肌がゆらぎやすい時期は、できるだけスキンケアをシンプルに整えることが肌を安定させるうえで大切です。肌のバリア機能が不安定なときに、ピーリング剤や高濃度ビタミンC、美白美容液など刺激の強い成分をレチノールの上から重ねると、赤みが長引いたり痒みが出たりする原因になります。

この時期は、クレンジングや洗顔もやさしい処方を選び、こすらずぬるま湯で優しく洗い流すことを意識しましょう。摩擦を減らすだけでも、乾燥や赤みを防ぐことができます。

日中は保湿による肌の水分バランスの維持と紫外線対策がとても重要になります。レチノール使用中の肌は角質が剥がれることもあり紫外線の影響を受けやすく、紫外線ダメージが重なると乾燥やシミにつながることもあります。SPF30〜50のUVケアを毎日欠かさず、屋内でも窓際にいるときは塗る習慣をつけるといいでしょう。外出が長くなる日は、日焼け止めを2〜3時間ごとに塗り直すとより安心です。

また、マスクの摩擦や蒸れは、ゆらぎやすい頬や顎、フェイスラインへの刺激になります。長時間つける日はレチノールの使用を控えたり、マスク内にガーゼを挟み摩擦や蒸れなどから肌を守る工夫を取り入れたりするといいでしょう。

生理前の肌がゆらぎやすい時期は“やりすぎない”ケアで、肌の潤いと休息を優先することが、肌を育てるいちばんの近道です。

続けるためのコツ|やめ時・再開・アイテム選びのポイント

続けるためのコツ|やめ時・再開・アイテム選びのポイント

レチノールは続けることで効果を実感しやすい成分ですが、肌の調子に合わせた“引き際”と“再開のコツ”を知っておくことも大切です。

中止の目安は強い赤み・ヒリつき・かゆみが続く時

レチノールを使っていて、赤みや皮むけが軽く出る程度なら「a反応」として自然な経過ですが、ヒリヒリした痛み・痒み・熱っぽさなどが数日続く場合は、肌が炎症を起こしているサインです。

特に、触れただけでしみるような刺激や、赤みが広がる場合は無理をせず一度中止しましょう。使い続けてしまうと、肌をきれいにしてくれるどころか、ボロボロになってしまう可能性も。

中止している時は、肌を「冷やす・保湿する・休ませる」の3ステップを意識しましょう。

まず、ぬるめのシャワーや冷たいタオルで軽く冷やし、熱感を落ち着かせます。その後、アルコールや香料の入っていない低刺激の保湿剤でしっかりうるおいを補給します。1〜3日ほどで落ち着くケースが多いですが、痛みや湿疹が続く場合は皮膚科の受診がおすすめです。

「a反応だから我慢しよう」と思い込まず、“炎症は止める勇気”が大切です。バリア機能が低下しているときは、保湿を優先したケアを心がけるようにしましょう。

再開時は濃度・回数・量を半分からリトライ

肌が落ち着きレチノールの使用を再開する際は、いきなり元の使い方に戻さず、濃度・回数・量をそれぞれ半分に減らしてスタートしてみましょう。

たとえば、0.5%の濃度を使っていた人は0.3%に下げる、毎日使っていた人は週2回程度に使用頻度を減らす、米粒大を塗っていた人は半分の量にする、というようなイメージです。

再開後の1〜2週間は、肌の様子をこまめに観察しながら少しずつ使用頻度を上げていきましょう。赤みや乾燥を感じた日は、無理をせずお休みを挟むのが正解です。この時期に重要なのは「肌の調子がいい日を増やす」こと。もし再開後も同じような刺激が出る場合は、使用する製品を変えるか、より保湿力の高いアイテムと組み合わせて使うなどの方法を検討してみましょう。

焦らず、一歩ずつレチノールに肌を慣らしていくことが結果的に最短の近道です。

低濃度×夜のみで慣らし、2週間で安定を目指す

レチノールに慣れるまでは、低濃度製品を夜だけ使うシンプルな使い方が安心です。

日中は紫外線や空気の刺激を受けやすく、レチノールが分解されやすいため、夜のスキンケアに限定するのがおすすめです。

使用ステップは「洗顔 → 化粧水 → 保湿 → レチノール → 保湿」の順を基本にしてみましょう。とくに最初の2週間は、肌を“慣らす期間”と考え、週2〜3回の夜ケアで様子を見るのがおすすめです。この期間に大きなトラブルがなければ、徐々に週3〜4回に増やしていくといいでしょう。

肌が安定してきたら、レチノールの濃度を少しずつ上げることで、ハリ・ツヤ・キメの改善を実感しやすくなります。ただし、肌の調子が良くても「もっと早く」と焦らないことが大切です。レチノールは“時間をかけて肌を育てるスキンケア”です。時間をかけて慣らすことで、刺激の少ない美肌サイクルが定着します。

まとめ

レチノールによるa反応は、軽度の赤みや皮むけ、刺激感やニキビなどですが、これは肌のターンオーバーが促進されている証拠で、乗り越えることで美しく健やかな肌を目指すことができます。しかし、強い赤みや痒みなどは肌がダメージを受けているサインでもあるため、状態によってはレチノールの使用を中止することも重要です。

また、生理前などの肌がゆらぎやすいタイミングでは、レチノールによる刺激を強く受けやすかったり、ニキビの増悪につながったりすることもあるため、肌の状態を確認しながら使用頻度を減らしたり保湿ケアを中心に行ったりするのもおすすめです。

レチノールは攻めのケアですが、自分の肌状態をしっかりと把握しながら使用していくことが美しい肌を育てるためには重要です。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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