医療ハイフはたるみの改善に効果的な治療ですが、たるみの予防にも効果を発揮します。
強くなりすぎたたるみは、医療ハイフでは改善が難しいため、たるみが進行する前に予防的に治療を開始することで、たるみの進行を遅くすることができます。
今回は、たるみの予防に焦点を当てて、ハイフの解説をしていきます。
この記事を読んでわかること
医療ハイフはたるみの改善に効果的な治療ですが、たるみの予防にも効果を発揮します。
強くなりすぎたたるみは、医療ハイフでは改善が難しいため、たるみが進行する前に予防的に治療を開始することで、たるみの進行を遅くすることができます。
今回は、たるみの予防に焦点を当てて、ハイフの解説をしていきます。
目次
たるみを改善・予防する医療ハイフについて解説していきます。
ハイフ(HIFU)とは「High Intensity Focused Ultrasound」という正式名称で、日本語に訳すと「高密度焦点式超音波法」と言います。その名の通り、超音波の熱エネルギーを皮膚深層に点状に照射し、リフトアップ効果、小顔効果をもたらすことが出来る治療です。
虫眼鏡で太陽の光を集めると、日の当たる部分を焦がすことができますが、この原理を応用しています。ハイフは元々、前立腺がんの治療に使われていました。そのハイフが肌表面へダメージを与えることなく狙った肌内部のみに作用することを美容分野の医療ハイフに応用したのがたるみ治療に使われる医療ハイフの始まりです。
椿クリニックの医療ハイフは、3種類のカートリッジを「皮膚の真皮層」「皮下脂肪層」「SMAS 筋膜」の3つの層によって使い分け、同部位に高エネルギーをしっかり照射することで、高い効果を発揮します。
メスを使った手術ではなく「照射系」の治療になるため、お肌や体への負担は少なくダウンタイムもほとんどありません。
医療ハイフは皮膚を支える土台となるSMAS筋膜まで作用します。
SMAS筋膜が引き締められることで土台が回復し、その上に位置する脂肪や皮膚を支えることができるようになるため、たるみに効果的です。
医療ハイフと他の美容施術との違いは、たるみ以外の部分にもアプローチできるということです。
たるみを改善しようと思うと、美容外科分野であれば糸リフト、美容皮膚科分野であればヒアルロン酸注入などがあります。
強いたるみには糸リフトが最も効果的ですが、顔にメスを入れるため人によっては傷跡が残ってしまうこともあります。
ヒアルロン酸注入を「ヒアルロン酸リフト」と言われる方法で注入することでたるみを改善することもできますが、あくまでもたるみの改善のみとなります。
医療ハイフであれば、SMAS筋膜への刺激によるたるみの改善から、皮膚の真皮層のコラーゲン生成の補助までできるため、肌全体のハリの回復も期待できます。
なぜ顔のたるみが起きるのかを解説していきます。
たるみの大きな原因に加齢によるものがあります。
年を重ねるごとに皮膚を支える土台である筋膜が衰えて緩んでいきます。そうすることで筋膜の上に乗っている脂肪や皮膚がどんどん垂れ下がっていき、たるみが生まれます。
また、脂肪が減少することで皮膚を支えることができなくなるため、加齢による脂肪の減少と顔のたるみも大きく関係しています。反対に脂肪が多すぎてもほうれい線が濃く見えてしまうなどのデメリットがあるため、適度な脂肪量を保つことが老け顔を予防するためには大事になります。
こちらはハイフでは改善できないたるみの原因にはなりますが、加齢による骨密度の低下で骨が萎縮し、土台自体が小さくなってしまうことで皮膚が支えられずたるみにつながることもあります。骨密度の低下は閉経後に顕著になりやすいと言われているため、カルシウムやビタミンDなどをサプリメントも上手に活用し摂取していくといいでしょう。
加齢の他にも、普段のライフスタイルや癖などもたるみのできやすさに影響を与えます。
まず姿勢ですが、猫背になっている人は自然と顔が前に出た状態になります。そうすることで皮膚が下に引っ張られ、少しずつたるみが加速していきます。
次に表情筋の使い方の癖です。普段あまり笑わない人は皮膚を上に引っ張る大頬骨筋などが衰えてしまっている可能性があります。上に引っ張る表情筋が衰えてしまっているだけでもたるみは起こりやすくなりますが、さらに皮膚を下に引っ張る口角下制筋などが発達してしまっているとさらにたるみの度合いが大きくなりやすいです。
無表情になった時に口角が下がる「への字」の口になっている人は要注意です。また、首に広がる広頚筋の発達も皮膚を下に引っ張ってしまう原因となるため、口を強く「いー」の形にしたときに首に縦スジが入る人もたるみが進行しやすくなるため注意してください。
最後に、お風呂でシャワーを直接上から当てる癖のある人もたるみが進行しやすくなります。普段から重力によって下に垂れていく皮膚をさらに上からシャワーの圧力を与えることで余計に垂れやすくなります。さらに、シャワーの刺激を直接肌に与えることは肌のキメなどにとっても良くないため、美肌を保つには直接シャワーを当てないことを心がけましょう。
自宅でできるたるみ対策としては、気づいたら姿勢を正すようにすることや、意識して表情筋を使ったり、表情筋のトレーニングを行ったりするといいでしょう。
また、洗顔の際には手でお湯をすくって優しく肌に押し当てるように流してあげると水圧や刺激による肌のダメージを軽減することができ、たるみの予防や肌のキメの維持につながりやすくなります。
他にも、喫煙や睡眠不足、ストレスなどによる過剰な活性酸素の発生もたるみにつながるため、リラックスできる時間を作ったりたばこ以外の趣味を見つけるなどして規則正しい生活を送るよう心がけましょう。
たるみ以外にもシミやシワの原因となる紫外線は、日焼け止めや日傘などを使ってしっかりとブロックするようにしてください。
たるみを予防するための表情筋のトレーニングについて、詳しくはこちらの記事でご紹介していますので併せてお読みください。
ここからは椿クリニックで提供している医療ハイフの施術の流れについて解説していきます。
医療ハイフに限らず、どの美容施術でも受けていただく前にしっかりとカウンセリングをしていきます。
カウンセリングを行う理由は、お客様の肌悩みをお聞きし、最適な治療をご提案させていただくためです。時には、お客様がしたいと思っている施術でも今はまだ必要でなかったり、ご希望の施術でないものが悩みの改善に最適であったりすることもあります。
医療ハイフであれば、脂肪の量やたるみの具合なども確認し、ハイフを照射して思うような変化を得ることができるのかということやハイフを照射しない方がいい部分の見極めなどを行います。
お客様に準備していただきたいのは、お肌のコンディションをできるだけ整えておくことです。特に日焼けは、医療ハイフ治療時の火傷などのリスクの増大につながるため、しっかりと日焼け対策をしていただき、肌が乾燥しないように保湿を行うようにしてください。肌のコンディションが整っているとしっかりと熱を与えることができるため、より効果も実感しやすくなります。
医療ハイフの施術当日はクレンジングなどをご用意していますので、メイクをして来て頂いて大丈夫です。
お部屋にご案内後、クレンジングフォームを使いしっかりとメイクや日焼け止めを落としてください。
すっぴんの状態になりましたら医師の診察にて肌状態を確認し、照射してほしくない部分などがありましたらお伝えください。特に多いのは、頬のこけが心配なため頬のあたりは避けてほしいというお声です。医療ハイフには脂肪を分解する作用もあるため、頬の脂肪量などもしっかりと確認しお客様と相談したうえで照射するかどうかを決めていきます。
医療ハイフの照射中も気になることがありましたら、お気軽に担当のスタッフにお申し付けください。
照射が終わりましたらパックで鎮静し、肌トラブルが起きていないか確認して終了となります。
施術後はすぐにメイクをしていただいて大丈夫です。パウダールームに化粧水などの基礎化粧品をご用意していますのでお使いください。
身だしなみが整いましたら受付に来ていただき、次回の予約を取ってお帰りとなります。
パウダールームにて使用していただいた化粧品でお肌に合うものや、ご自宅でも使ってみたいものがありましたらすぐにご用意いたしますので、お気軽にご相談ください。
医療ハイフの施術直後は、肌内部に熱がこもっている状態のため、赤みや熱感がある場合はタオルに包んだ保冷材などでしっかりと冷やすようにしてください。
長風呂や激しい運動、飲酒など血行の良くなる行動や熱のこもる行動は当日中は避けるようにしましょう。
肌に直接刺激を与えるマッサージなどは1ヶ月程度は控えるようにしましょう。
次回の医療ハイフの施術までの間、肌が乾燥しないように保湿をしていただき、紫外線のダメージからしっかりと守るようにしてください。
医療ハイフの効果や持続期間は使用する機械によって多少変わりますが、椿クリニックで使用している医療ハイフ機器の効果や持続期間について解説します。
医療ハイフは施術後すぐに肌の引き締まりを実感することができます。
皮膚を支える土台であるSMAS筋膜へ熱ダメージを与えるため、SMAS筋膜が引き締まります。これにより、施術後すぐに肌が引き締まった感じを実感することができます。
医療ハイフによって熱ダメージを受けた真皮層や皮下組織の創傷治癒力が働き、施術後1ヶ月ほどかけてコラーゲンの生成やエラスチンの回復が行われます。ダメージを受けた部分はより綺麗に治そうとするため、施術後1ヶ月ほどすると、直後よりもより引き締まり感や肌の若々しさを感じることができます。
施術後1ヶ月かけてピークを迎えた肌は3ヶ月ほどその状態を維持し、その後は緩やかに元の状態に戻っていくため、効果の持続期間は3ヶ月〜1年程度です。医療ハイフの機械によって効果の持続期間は異なりますが、椿クリニックでは初めのうちは3ヶ月〜6ヶ月に1回の施術をおすすめしています。
医療ハイフの効果を最大化するためのポイントは、紫外線対策をしっかりと行うことです。
紫外線によるダメージは真皮層のコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、シワやたるみを増長させてしまいます。医療ハイフでこれらの成分の生成を促していても、紫外線によって破壊されてしまっていてはハイフの効果を得ることは難しくなります。
また、紫外線によるダメージから肌を守るためには保湿も大変重要になります。
医療ハイフの治療期間はできるだけ紫外線から肌を守るようにしてください。
医療ハイフの副作用や安全性について解説します。
医療ハイフの副作用として見られる症状は以下のようなものです。
肌に熱による軽度な炎症が起こることで現れます。長くても1週間以内には治まることがほとんどです。気になるようであればしっかりと冷やすようにしてください。
医療ハイフの熱エネルギーが施術部位周辺や熱のこもりやすい骨付近に過度に伝わると、火傷や水ぶくれを起こす可能性があります。これらはすぐに医師に相談するようにしましょう。
医療ハイフはSMAS筋膜にも作用します。そのため、筋肉痛のような痛みを感じることがありますが、数日から1週間程度で落ち着きます。
医療ハイフの照射レベルを間違ったり、超音波によって深いところまで照射してしまうと神経を傷つけてしまう可能性があります。稀なケースで、数ヶ月で回復しますが、施術後にピリピリとした痛みや違和感がある場合は医師に相談するようにしましょう。
医療ハイフを避けた方がいい人は以下のような人です。
医療ハイフは顔の脂肪を分解する作用があるため、元々お顔の脂肪が少ない人は頬がこけるといったリスクがあります。また、たるみが進行しすぎている人は医療ハイフでは改善しきれず効果がなかったということもあるため、進行する前に予防的に医療ハイフを受けるといいでしょう。
糸リフトで金の糸を入れたことのある人は、医療ハイフの超音波によって糸が加熱され、熱傷の原因になるため医療ハイフを受けることができません。
他にも以下の人が医療ハイフを受けることができません。
これ以外にも医師の診断により施術を受けることができない場合もあるため、必ず内服している薬や既往歴は医師に伝えるようにしましょう。
医療ハイフは使用する機械によって効果の感じる期間や特長が変わります。椿クリニックの医療ハイフについて解説します。
椿クリニックの医療ハイフは3種類のアタッチメントを使用し、細かい悩みまで対応できるようになっています。
また、1ショットで20個以上のスポット照射が可能で、300ショットで6000個ものスポット照射ができるため、顔全体を漏れなく照射することが可能です。
椿クリニックでは施術前のカウンセリングにも力を入れています。
特に、初めて美容クリニックに施術を受けに来るお客様には、できるだけ緊張をほぐしていただけるように心がけて接客を行っています。
美容クリニックで肌悩みを解決するために遠回りにならないように、必要な施術をご提案させていただくとともに不必要な施術に関してはしっかりとその理由を伝えるようにしています。
椿クリニックでの医療ハイフによる変化や、おすすめの組み合わせ治療をご紹介します。
部位
顔全体
年代
40代女性
施術回数
1回
所要金額
初回19,800円
2回目以降38,280円
症例についての詳細
超音波の熱エネルギーを皮膚深層に照射し熱のダメージによる創傷治癒によるコラーゲンやエラスチンの生成が促進され、肌の引き締めを促し、たるみを改善する治療です。
この患者様は、ほうれい線とお顔全体の下垂がお悩みでした。
お肌の脂肪は少なめでしたが、ほうれい線に影響する頬の部分にしっかり照射しお肌の引きあがりが実現したことでほうれい線が薄くなりました。
施術の副作用(リスク)
発赤・熱感・痒み・痛み・乾燥を生じる可能性があります。
医療ハイフのみの治療ももちろん効果的ですが、さらにヒアルロン酸注入によるヒアルロン酸リフトを併用することでよりたるみの改善に効果的です。
医療ハイフで土台の引き締めを行った後、さらに加齢によって減少している脂肪の代わりとなる土台をヒアルロン酸で補充していきます。ヒアルロン酸注入の併用は、医療ハイフの効果があまり感じられなかったり、進行したたるみがあったりする人に特に適しています。
医療ハイフ後のヒアルロン酸注入は1週間ほど空けていただければ可能ですが、肌の状態などによって受ける期間が変わることがあるため、必ず医師の指示を守るようにしましょう。
医療ハイフはたるみの改善に効果的です。しかし、進行した強いたるみには効果がないため、進行する前に予防的に医療ハイフ治療を受けることをおすすめします。
よりたるみの改善の効果を得たい場合には、医療ハイフ治療に加え、ヒアルロン酸注入を受けるとより効果的です。