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紫外線が引き起こす老人性色素斑を薄くするには?美白ケアから治療法まで美肌を叶える秘訣

紫外線が引き起こす老人性色素斑を薄くするには?美白ケアから治療法まで美肌を叶える秘訣

この記事を読んでわかること

  • 老人性色素斑は境界が明瞭な褐色の色素斑で、中年以降に発生することが多く、長年の紫外線の蓄積でメラニンが過剰に生成され蓄積することが原因です。
  • スキンケアで老人性色素斑を薄くするには、日焼け止めや帽子などで紫外線を防ぎ、保湿で肌を守ることが重要です。トラネキサム酸やビタミンC配合の美容液が効果的です。
  • 老人性色素斑を予防・改善するには、ビタミンB2、カリウム、ビタミンCを含む食材を摂取し、ターンオーバーを促進するといいでしょう。良質な睡眠やストレスの軽減、適度な運動なども効果的です。
  • より効率的に老人性色素斑を改善するには、フォトフェイシャルによる治療がおすすめです。

老人性色素斑は一般的にシミと呼ばれるもので、紫外線を長期間浴びることで生成されます。そのため、比較的年齢を重ねた方の方が濃く現れることが多いこともあり、老人性と言われます。
この老人性色素斑を予防するためには、若いうちから適切なケアを行うことが重要ですが、出来てしまった色素斑を薄くするにはどのようなアプローチが必要なのでしょうか。
このコラムでは、老人性色素斑を薄くするためのポイントについて解説します。

老人性色素斑とは?原因とメカニズムを理解しよう

老人性色素斑とは一般的にシミと言われるものですが、その主な原因やできるメカニズムなどについて解説します。

老人性色素斑の定義

シミ(色素斑)に関してはいくつか種類がありますが、その中でも老人性色素斑はシミとの境界が比較的明瞭な褐色の色素斑です。中年以降によく見られ、紫外線の暴露により生じるため、日光性色素斑とも呼ばれます。

参考:一般社団法人 – 日本形成外科学会 しみ(色素斑)より

老人性色素斑の主な原因

老人性色素斑は主に、長期間にわたり紫外線を浴びたことによって、表皮基底細胞の遺伝子に異常が生じてしまい、メラニン色素が過剰に生成され蓄積してしまったことが原因です。
長年紫外線にさらされる仕事をしていたり、屋外でスポーツをする機会が多かったり、普段から紫外線対策を行う習慣がなかったりすると、老人性色素斑ができやすくなります。

老人性色素斑の発生メカニズム

老人性色素斑は、紫外線によるメラニンの過剰な生成が原因ですが、紫外線を浴びた時肌はダメージから細胞を守ろうとしてメラニンを生成します。

新陳代謝が高く、肌のターンオーバーが正常に働いていると、メラニンが生成されてもその都度排出されていきます。ただし、ターンオーバーが乱れることでメラニンが正常に排出されず、少しずつ蓄積していき、肌の表面に老人性色素斑となって残ってしまいます。

他のシミとの違い

老人性色素斑の他にもいくつかシミはありますが、その違いは以下になります。

・肝斑
肝斑は頬の両側に対照的にできることが多く、境界がはっきりとした色素斑で、妊婦や経口避妊薬を使用している女性に多く見られます。

女性ホルモンと紫外線暴露が主な原因と考えられていますが、確かな原因はいまだ不明であると言われています。肝斑と老人性色素斑を合併している例もあり、専門医でなければ見分けが難しい場合があります。

・雀卵斑(そばかす)
遺伝でできることが多く、若いうちから見られる色素斑です。

この他にも、太田母斑や扁平母斑などの先天性のアザもあります。

老人性色素斑を薄くするための基本的なスキンケア方法

老人性色素斑を薄くしようと思った時、どのようなケアを行うといいのでしょうか。

保湿と紫外線対策

老人性色素斑を薄くするためには、新しく生成されるメラニンを抑制する必要があります。
まずは、紫外線対策を徹底しましょう。日焼け止めの塗布はもちろんですが、日傘や帽子など、物理的に紫外線を遮るアイテムもしっかりと活用しましょう。
また、紫外線に強い肌を作るには保湿も重要になります。保湿されて肌が潤っていることで、紫外線の影響を軽減させることができます。

美白成分の選び方

今ある老人性色素斑を薄くするためには、美白成分を部分的に塗りこむのもおすすめです。
トラネキサム酸には、メラニンの還元作用があり、美白の有効成分としておすすめです。トラネキサム酸が配合された美容液などを使用することで、効果的にメラニンにアプローチすることができます。
この他にも、ビタミンCが高濃度に配合された製品もおすすめです。ビタミンCはシミの原因物質であるメラニンの合成を抑制し、さらに黒色メラニンを脱色する働きを持っています。この作用により、紫外線によって生成されたメラニンの量を減少させることができ、美白効果が得られます。

参考:Wikipedia – トラネキサム酸

参考: ロート製薬 – スキンケア成分の知識:ビタミンC より

生活習慣を見直そう!老人性色素斑を予防・改善するためのポイント

老人性色素斑を予防・改善するためには、正しい肌ケアが必須ですが、同時に体内からアプローチすることも必要になります。

食事の改善と栄養素の取り方

老人性色素斑を改善するためには、肌のターンオーバーを維持することが必要です。また、メラニン色素を還元する作用をもつ食材や、肌の再生を促すような食材を積極的に取り入れましょう。

・皮膚の健康を保ち、肌のターンオーバーをサポートするビタミンB2
うなぎやレバー、青魚やアーモンドなど

・細胞の新陳代謝を助け皮膚の再生を促すカリウム
アボカドやいも類、小松菜やほうれん草など

・コラーゲンの合成をサポートしたり、メラニン色素を還元したりする作用をもつビタミンC
キャベツやキウイフルーツ、いちごやみかんなどの柑橘類

ビタミンB2やカリウムなどによって、新陳代謝を維持し、肌のターンオーバーを正常化させます。同時に、メラニン色素を薄くするビタミンCを取り入れることで、老人性色素斑の予防や改善をスムーズに行います。
これらの成分を取り入れつつ、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。

十分な睡眠とストレス管理

肌の再生を促す成長ホルモンは睡眠時に最も分泌されます。肌の再生が促されることで、自然とターンオーバーを維持することができ、メラニン色素の排出にも効果的です。
成長ホルモンは睡眠から3時間程度経ったころに訪れる深い睡眠時に最も分泌されます。しかし、このタイミングで眠りが浅いと、しっかりと成長ホルモンが分泌されず、肌の再生が上手く行えません。そのため、質の良い睡眠を取るためにも、睡眠の2時間前にはスマホなどのブルーライトをカットするように気をつけましょう。ゆっくりとぬるめの湯船につかるのもおすすめです。
睡眠と同じように大事になるのがストレスの管理です。ストレスは肌を老化させる活性酸素を発生させます。活性酸素は、紫外線を肌に浴びたときにも発生するもので、メラニン色素を生成するメラノサイトを活性化させる働きもあります。この活性酸素が体内で発生し、処理しきれなくなると、細胞が酸化していき、肌の黒ずみの原因や、シワの原因などになります。リラックスする時間を作り、ストレスを溜めないようにしましょう。

運動の重要性

適度な運動は、新陳代謝を上げ、肌のターンオーバーを維持することにつながります。
運動によって血行が良くなることで、肌のターンオーバーに必要な栄養素が体中に行き渡りやすくなります。これにより、肌のターンオーバーが効率よく行われ、蓄積したメラニン色素の排出に役立ちます。
ただし、運動をするときに注意していただきたいのが、紫外線対策をしっかりと行うということです。ジムなどの室内で運動する場合は問題ありませんが、屋外でウォーキングやランニングをする場合は気をつけましょう。紫外線によって新たにメラニン色素が生成されるため、老人性色素斑を効率良く薄くしたい場合はしっかりと日焼け止めを塗ったり、帽子などで紫外線を遮ったりするようにしましょう。

老人性色素斑に効果的なフォトフェイシャル

セルフケアや、日々の習慣によって老人性色素斑を薄くするアプローチは可能ですが、より早く薄くしたい場合は医療機関の治療を頼るのもひとつの手です。ここからは、老人性色素斑に効果的なフォトフェイシャルについて解説します。

フォトフェイシャルの特徴

フォトフェイシャルは幅の広い光を照射することで、老人性色素斑や色素沈着、毛細血管の拡張による赤ら顔などの様々な肌悩みにアプローチできるのが特徴です。
フォトフェイシャルの光が肌トラブルの原因となるターゲット(メラニンや毛細血管など)に当たると光のエネルギーが熱に変わりターゲットにダメージを与えます。
フォトフェイシャルの光はターゲットのみに作用するため、正常な肌細胞は傷つけることなく肌悩みの改善が可能です。同時に肌の弾力に関係するコラーゲンを増生するため、肌質の改善や肌のキメを整えハリのある肌を保つのにも役立ちます。

フォトフェイシャルの効果

フォトフェイシャルは以下のように様々な効果が期待できます。

  • 老人性色素斑やそばかすの改善
  • しわの改善
  • ニキビの治療
  • 毛穴の引き締め
  • 肌のくすみの改善
  • 肌のハリや小じわの改善
  • 赤ら顔の改善

フォトフェイシャルの作用によってターンオーバーが促進します。これにより、蓄積したメラニンの排出が可能になります。また、コラーゲンの生成が促されるため、ハリの回復やしわの改善はもちろんですが、ハリが生まれることで毛穴の引き締めも期待でき、過剰な皮脂分泌が抑制されニキビのできにくい肌へと改善が可能です。
拡張した毛細血管を破壊する効果も期待できるため、赤ら顔の改善も可能です。

フォトフェイシャルのメリット

フォトフェイシャルのメリットは、ダウンタイムがほぼないことに加え、1回の治療で様々な肌悩みを改善できるということです。
また、フォトフェイシャルの効きの種類によっては、光治療が禁忌である肝斑にも対応することが可能です。椿クリニックではM22という機器を採用しており、フィルターを付け替えることで肝斑のある肌への照射も可能になります。

老人性色素斑の治療後の注意点

フォトフェイシャルによる老人性色素斑の治療後に気をつけたいポイントについて解説します。

治療後に気をつけること

フォトフェイシャルの治療後に気をつけることは、紫外線対策と保湿です。
フォトフェイシャルの治療後は、肌のバリア機能が一時的に低下します。そのため、紫外線の影響を受けやすい状態になり、老人性色素斑が濃くなってしまう原因になります。

外出時には日焼け止めを塗り、フォトフェイシャルによる治療期間中は、できるだけ紫外線を多く浴びる活動は控えるようにしましょう。
また、低下したバリア機能を補うために、しっかりと保湿するように心がけましょう。
バリア機能が低下した肌は、紫外線の影響を受けやすかったり、外的刺激によって肌荒れを起こしやすかったりします。

保湿力の高い製品を使用して、化粧水からオイル、クリームまで順に使用し保湿するようにしましょう。

治療後のケア方法

治療後の適切な肌ケアは、できるだけ摩擦を抑え、しっかりと保湿するということです。

メイクやクレンジング、洗顔や拭き取りの際は擦らないように気をつけます。
クレンジングに関しては、肌にクレンジング剤を押し当てるようにじんわりとなじませてメイクを落とします。肌への負担が大きくなるため、1分以内には洗い流すようにしましょう。洗顔は、しっかりと泡立てた泡を使用し、こちらも肌に押し当てるように洗います。ごしごしと擦る必要はなく、濃密な泡が毛穴の汚れを浮き上がらせ落としてくれるため、泡を押し当てるだけで十分です。洗い流すときも、手ですくったぬるま湯を肌に押し当てながら流すようにしましょう。ただし、洗い残しがあると肌トラブルの原因となるため、泡が残らないように気をつけましょう。
洗顔後は肌の乾燥を防ぐために、できるだけすぐに保湿します。化粧水で水分を補った後は必ずクリームや乳液で水分が蒸発しないように蓋をしましょう。化粧水とクリームとの間にオイルを挟むことで、より乾燥しにくい肌作りが可能です。また、美容液を老人性色素斑のある部分に塗りこむことで、より効果的に改善が可能になります。

まとめ

老人性色素斑を薄くするには、紫外線をしっかりとカットしたり、肌のターンオーバーを乱さないように保湿や適度な運動などを行うことが重要です。
睡眠不足やストレスも肌の老化を促進させたり、ターンオーバーを乱す原因になったりするため、質の良い睡眠やストレスを溜めないように心がけることも重要です。
より効率よく老人性色素斑を改善するためには、フォトフェイシャルなどの医療機関でのケアを受けることも必要です。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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