シミ取りを夏に行うと、色素沈着ができてしまったりシミが濃くなってしまったりというリスクがあります。それでも、夏の長期休暇を利用してシミ取りをしたいと思っている人もいると思います。そんな人に夏にシミ取りを行うポイントやメリット・デメリットなどを解説していきます。
シミ取りは夏はダメですか?夏のシミ取りのリスクと成功させるためのポイントとは

この記事を読んでわかること
- 夏にシミ取りを行うメリットは、紫外線対策への意識が高まり習慣化しやすいことです。長期休暇を活用してダウンタイムを確保しやすい点も利点です。
- 夏にシミ取りを行うデメリットは、紫外線量が多く、治療効果が低下する可能性や新たなシミのリスクなどがあります。肌の炎症や摩擦が色素沈着を招きやすいというデメリットもあります。
- 夏にシミ取りを行う際の注意点は、紫外線を避け、マイルドな治療を選ぶことです。日焼け止めや物理的保護で紫外線対策を徹底し、保湿を忘れないことが重要です。
- 春や秋は紫外線が弱まり治療しやすいです。冬は紫外線の影響が少なく肌の回復が早いが乾燥対策が必要です。
目次
シミ取りを夏に行うことのメリットとデメリット

シミ取りの治療後は、紫外線は避けるようにという情報を聞いたことがあると思います。シミ取りを紫外線の多い夏に行った場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
夏にシミ取りを行うメリット
夏にシミ取りを行うメリットはあまりありませんが、あえて挙げるならば、紫外線を徹底して防ぐことが意識づけられ、紫外線対策に対しての意識が上がりやすいということです。
夏場の外出時には日焼け止めや帽子で紫外線対策をある程度行うと思いますが、シミ治療を行ったことで、より「紫外線対策を徹底しないといけない」という意識が強まります。これにより、夏場に紫外線対策を意識づけることができ、それ以降の季節でも、自然と朝のケアやメイクの時に紫外線対策を取り入れやすい環境や習慣が出来上がります。
また、長期で夏休み休暇を取ることができ、その期間中に屋外でのレジャーやスポーツなどの予定を入れない人にとっては、ダウンタイムを考慮したスケジュールが組みやすく、メリットになるかもしれませんね。
夏にシミ取りを行うデメリット
夏にシミ取りを行うデメリットとしては、何よりも紫外線の影響を受けやすく、シミ取り治療の効果を実感することが難しくなる可能性が高いということです。
夏は1年のうちで最も紫外線量が多く、紫外線は肌に様々な悪影響を及ぼします。そのひとつにメラニン色素の増幅がありますが、シミ治療によって肌のバリア機能が低下しているところに紫外線を浴びることで、普段よりもさらに紫外線の影響を受けやすくなります。シミ治療によってメラニンを分解・排出しているにも関わらず、紫外線の影響で新たなメラニンを生成してしまってはもったいないですよね。
さらに、シミ治療を行った後は肌の内部が炎症を起こしている状態であり、そんな状態の肌に日焼け止めを塗るときの摩擦が繰り返し加わることで、色素沈着を作りやすい状態にもしてしまいます。
このように、夏にシミ取りを行うことは、シミ取りの効果を半減させてしまうだけでなく、反対に濃くしてしまうリスクもあるということを知っておきましょう。
夏にシミ取りを検討する際の注意点
どうしても夏にシミ取りを行う場合は、肌の炎症が治まるまではできるだけ紫外線の多い場所には出かけないことや、強いレーザーでの治療は避け、マイルドな光による治療を検討するなどの注意が必要です。
シミ取りの治療後に最も気をつけたい期間は、肌やシミの部分に炎症が起きている期間です。この時期は普段よりも肌のバリア機能が低下していることもあり、紫外線の吸収率が高まります。また、紫外線対策をしようと、頻繁に日焼け止めを塗り直したり、刺激の強い日焼け止めを使用することで肌への負担が大きくなります。これらを防ぐためには、施術部位のシミを、テープなどで物理的に紫外線から保護するといいでしょう。また、普段よりもしっかりと朝・夜の保湿を徹底することが重要になります。
夏の紫外線とシミ取りの関係について

では、なぜ夏の強い紫外線がシミ取りを行った部分に影響を与えるのか、紫外線対策の方法とともに解説します。
紫外線がシミに与える影響
紫外線はシミの元であるメラニン色素の生成を促します。
紫外線を大量に浴びると肌の内部で活性酸素が発生します。この活性酸素は、メラニン色素を生成する「メラノサイト」を活性化させます。これにより、メラノサイトの中にあるチロシンというアミノ酸が、活性化されたチロシナーゼの作用によって徐々に変化してドーパ、ドーパキノンとなり、やがてメラニンとなります。

生成されたメラニンは肌のターンオーバーと共に排出されていきますが、生成が過剰になったりターンオーバーが有効に働かなかったりすると、メラニンが蓄積しシミとして現れます。

引用:Wikipedia メラニン細胞
メラニン細胞(めらにんさいぼう、英: melanocyte)は、メラニンを形成する細胞。メラノサイトとも呼ばれる。
夏の紫外線対策方法
夏の紫外線対策は、日焼け止めと、帽子や日傘などの物理的な方法でしっかりとブロックしましょう。
人の肌に作用する紫外線には2種類あり、短波長のUVBは表皮にダメージを与え、メラニンを生成します。長波長のUVAは肌の奥の真皮層にダメージを与え、シワやたるみの原因となります。

日焼け止めは適切に使用することで、高品質のものであれば紫外線を約90%以上防ぐことが可能であると言われています。しかし、完全に紫外線を防ぎきることはできないため、物理的に紫外線を遮断できる帽子や日傘、マスクなどと併用して使用することをおすすめします。
シミ取り後の紫外線対策
シミ取り後の紫外線対策は、肌への負担をできるだけ減らすことが重要になります。シーンに合わせた強さの日焼け止めを使用しましょう。
日焼け止めには「SPF」と「PA」が記載されています。「SPF」はUVBに対する防止効果を示すものです。数値で表され、その数値が大きいほど防止効果が高くなります。
「PA」はUVAに対する防止効果を示すものです。PA+~PA++++で表示され、+が多いほどUVAの防止効果が高くなります。
シーンに合わせた日焼け止めの選び方の例は以下になります。
- 短時間の散歩や近隣へのお買い物などはSPF20~30、PA++
- 屋外での短時間のスポーツや登山などのレジャーはSPF30以上、PA+++
- 炎天下でのお出かけやレジャー、スポーツなどはSPF50以上、PA++++

また、水に濡れるシーンでは、ウォータープルーフのものなど、耐水性の高いものを選ぶといいでしょう。
夏にシミ取りを避けた方が良い理由

夏にシミ取りを避けた方がいい理由は、紫外線によるメラニンの生成が助長されるというだけではありません。それ以外の避けた方がいい理由について解説します。
肌の回復が遅れるリスク
夏に浴びる強い紫外線や汗による刺激、エアコンによる肌の乾燥などは、肌の回復を遅らせる原因になります。
紫外線は、肌細胞のDNAにダメージを与えます。その結果、新しい細胞の生成が上手くできず、肌代謝が乱れ、効率的にターンオーバーが働かなくなります。ターンオーバーが乱れることで傷や炎症の修復が上手くできず、ダメージが蓄積していきます。また、肌が乾燥しやすくなることでバリア機能が低下し、さらなる紫外線ダメージが蓄積しやすい状態となります。
また、汗による刺激で肌が敏感になり、摩擦などのちょっとしたダメージでも刺激を受けやすくなることで、肌の回復が遅れる可能性があります。
この他にも、エアコンによる肌の乾燥によって肌のバリア機能が低下し、紫外線や摩擦などの刺激を受けやすくなり、肌の回復が遅れる可能性が高くなります。
色素沈着のリスク
色素沈着が起きる原因はいくつかあり、シミ取りの治療後に起きるリスクのある色素沈着は、炎症によるものや摩擦によるものがあります。
シミ取りの治療後は、肌に炎症が起きている状態です。炎症が長引くと、そのダメージから細胞を守ろうとして、メラニン色素を生成します。このメラニン色素が蓄積することで、色素沈着が起こりますが、紫外線や汗などのダメージによって肌の修復が遅れると炎症が長引きやすくなり、色素沈着が起きやすくなります。
色素沈着は、自然に薄くなり消えていきますが、長い時間がかかるため、シミを綺麗にしたい人にとっては避けたいものですね。
夏にシミ取りを行うための準備

夏にシミ取りを行う場合は、しっかりと肌の準備を行ってから受けるようにしましょう。
適切なスキンケア方法
シミ取り治療を行う前にはしっかりと肌の保湿を行い、日焼けしないように気を付けましょう。
夏はエアコンの風などによって肌が乾燥しやすくなります。その状態でシミ取り治療を行うことは、肌の炎症を強くしてしまったり、治療によるダメージを長引かせてしまったりします。また、日焼けしている肌への施術は治療によるレーザーや光の吸収率を上げてしまい、余計な熱ダメージを与えてしまいます。
治療後はもちろんですが、治療の前からしっかりと肌を保湿し、紫外線対策を行うことが重要です。
美容皮膚科での相談
夏にシミ取り治療を行う場合は、必ず治療を受ける美容皮膚科でしっかりと相談するようにしましょう。
肌の状態によっては治療を受けることができない場合もあります。また、肌の状態が悪いところに治療を受けてしまうことで、肌のダメージが大きくなってしまって、シミが濃くなってしまう可能性もあります。
シミ取り治療を受ける前には必ず、医師の診察を受けるようにしましょう。
日焼け止めの選び方
夏のシミ取り前は、日焼けをできるだけ抑えるためにSPF値が強く、+の多いものを選ぶといいでしょう。
シミ取りの治療後は、できるだけ柔らかいテクスチャーのもので肌への摩擦や負担を避けるようにしましょう。
紫外線を浴びる時間や、出かける先の紫外線量などに合わせて、適切な強さの日焼け止めをチョイスしましょう。水を浴びたり、汗をかき日焼け止めが落ちやすいシーンでは、水に強いタイプのものや、ウォータープルーフのものを選ぶようにしましょう。
シミ取りを行う最適な季節はいつか

夏にシミ取りを避けた方がいい理由を解説してきましたが、シミ取り治療に適した季節はいつなのでしょうか。
春や秋にシミ取りを行うメリット
春や秋にシミ取り治療を行うメリットとしては、エアコンの使用頻度が減り、紫外線も弱まるため、肌への負担が軽減されます。
春や秋は暑さや寒さが緩和し、エアコンを使う機会が減る方が多いでしょう。そのため、エアコンの影響を受けにくく、乾燥から肌を守りやすくなります。また、ゴールデンウィークなどの長期休暇を利用して、シミ取り治療のダウンタイムを気にすることなく治療を受けることが可能です。ただし、夏に比べて紫外線が弱まるとは言え、まだまだ強い時季もあるため、日焼け対策は忘れずに行うことが重要です。
また、この季節は花粉が多く飛散する時期でもあるため、花粉による刺激で肌の痒みなどが起こりやすい人は、保湿を徹底し帰宅後には肌を洗い流すなどして、しっかりと花粉対策を行いましょう。
冬にシミ取りを行うメリット
冬にシミ取りを行うメリットは、紫外線の影響を受けにくくなるということです。
しかし、冬でも特に晴れの日や、雪が積もった後は紫外線が乱反射して影響を受けやすくなるため、しっかりと日焼け止めを塗布するようにしましょう。
また、冬の乾燥した風や、ニットなどの化学繊維によっても刺激を受けやすくなるため、しっかりと肌を保湿するようにしましょう。
年末年始の長期休暇を利用するのもいいでしょう。
フォトフェイシャルでのシミ取り治療

フォトフェイシャルでのシミ取り治療は、肌への負担が少なく、シミ以外の肌ケアも可能です。フォトフェイシャルの効果や治療後の注意点などを解説します。
フォトフェイシャルでの効果と注意点
フォトフェイシャルはIPLという特殊な波長の光を肌に照射し、シミやくすみなどあらゆる肌悩みを改善する治療です。正常な肌細胞は傷つけることなく肌の深層まで届く光線がメラニン色素を分解してシミを薄くします。
また、細胞を刺激してコラーゲンの生成を促すため、ターンオーバーが促進され、くすみやニキビ跡の改善にも効果的です。
顔全体に照射するため、そばかすや細かいシミが多くある人は、フォトフェイシャルでのシミ取り治療が最適です。
フォトフェイシャルの施術後は、照射部位全体の肌のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。そのため、顔全体をしっかりと保湿し、紫外線対策を行う必要があります。
シミ取り後のスキンケア
フォトフェイシャルによるシミ取り後のスキンケアは、化粧水やクリームなど、適切な保湿剤を用いて肌を保湿するようにしましょう。
保湿前の洗顔は、熱すぎないぬるま湯または水で行いましょう。たっぷりの泡で肌を優しく包み込むように洗顔します。この時に肌をごしごしと擦り過ぎてしまうと摩擦で炎症が強まる可能性があるので注意しましよう。
泡をしっかりと洗い流し、タオルで拭き取った後は、すぐに化粧水で水分を補います。このままにしておくとどんどん水分が蒸発してしまうため、すぐにオイルやクリーム、乳液などで蓋をするようにしましょう。
この間に、美容液などで美白成分を補うのもおすすめです。
シミ取り治療後は、摩擦は避け、しっかりと保湿するように心がけましょう。
日常生活での注意点
日常生活では、肌を擦ったり掻いたりといった刺激は避けるようにしましょう。
また、メイクをする際も肌に優しく触れるようにし、過度な摩擦は避けるようにしましょう。
例えば、スティックタイプのコンシーラーを使う時は、筆に取ってから使うようにし、ファンデーションを塗る際は、シミの部分は優しく押さえるように塗るといいでしょう。
肌全体はもちろんですが、特にシミの部分への摩擦には注意するようにしましょう。
シミ再発防止の方法
シミの治療後も、適切なケアが行われなかったり、新しい刺激が積み重なったりすることで、シミが再発する可能性があります。
シミの再発を防止するためには、適切な保湿ケアや、紫外線対策を行うようにしましょう。
特に治療後の2週間ほどは、肌のバリア機能が低下し、紫外線や摩擦の影響を受けやすくなります。しっかりと保湿をし、紫外線の強い場所にはできるだけ出かけないように心がけましょう。
ダウンタイムが終わった後も、シミの再発を防止するためには、徹底した紫外線対策が重要になります。シーンに適した日焼け止めを使用して、紫外線を防ぎましょう。
まとめ
夏のシミ取りは、紫外線の影響や、肌へのダメージが大きくなりやすいため、おすすめしません。
どうしても、夏にシミ取りを行う場合は、徹底して紫外線対策や保湿を行うようにし、肌へのダメージを軽減することが必要です。
安心してシミ取り治療を行う場合は、紫外線の弱まる冬がおすすめです。ただし、乾燥が進みやすくなるため、しっかりと保湿を行うようにしましょう。
安心してフォトフェイシャルによるシミ取り治療を受ける場合は、ぜひ、椿クリニックにご来院ください。