吹き出物と聞くと、「なんだか赤く炎症を起こして、触ると痛いもの」という認識が多いのではないでしょうか。実は吹き出物は医学的には尋常性ざ瘡と言う、一般的にニキビと呼ばれるもので、思春期にできるニキビと同じものなのです。
しかし、毛穴を塞ぐ角栓を作る原因が思春期と大人とでは異なるため、大人にできるニキビは吹き出物と呼ばれることがあります。
吹き出物は、ストレスや食生活の乱れ、間違ったケア方法などで引き起こされますが、原因や予防方法、改善策などをこのコラムで解説していきます。
その吹き出物、原因はどこに?生活習慣・環境・スキンケアから徹底チェック!

この記事を読んでわかること
- 吹き出物は、生活習慣の乱れ(食生活・スキンケア・睡眠不足・ストレスなど)が肌に負担をかけることや、ホルモンバランスの変化(ストレス・生理・更年期)が皮脂分泌を増やし、毛穴詰まりや炎症を起こしやすくすることで起こります。
- 白ニキビや黒ニキビは毛穴詰まりの初期段階で、適切なケアで悪化を防げます。赤ニキビや黄ニキビは炎症が進んだ状態で、アクネ菌の繁殖が原因で起こります。吹き出物とニキビは同じもののため、跡を残さないための早めの対処が重要になります。
- 誤った洗顔やメイク残りが毛穴詰まりや乾燥を招き、吹き出物を悪化させます。紫外線や大気汚染、衣類の摩擦なども肌に刺激を与え、炎症や毛穴詰まりを引き起こすことがあります。
- ストレスはホルモンバランスを乱し、肌のターンオーバーを低下させるため、吹き出物の原因になりやすいです。運動や趣味、十分な睡眠でストレスを軽減し、肌の健康を維持することが大切です。
目次
吹き出物ができる根本的な原因を徹底解説

大人になるとストレスや環境などでできてしまう吹き出物。その根本的な原因を解説していきます。
肌に負担をかける生活習慣の見直し
肌に負担がかかるような食生活やスキンケア、睡眠やストレス、生活環境などは吹き出物を作りやすくしてしまいます。
- 食生活
ジャンクフードや脂っこいもの、糖質中心の食事は、皮脂の過剰分泌につながりやすく、毛穴詰まりを引き起こしやすくなります。また、ビタミンの不足や水分の不足によって肌の代謝が低下したり、肌トラブルが悪化しやすくなったりします。 - スキンケア
洗顔のし過ぎや強い摩擦によって肌の潤いに必要な皮脂が取り除かれてしまうと、乾燥肌や、皮脂の過剰分泌につながります。また、合わないスキンケア製品は肌への負担や刺激を大きくしてしまいます。メイク残りがあることも、肌へ負担をかけ吹き出物を作りやすくしてしまいます。 - 睡眠
睡眠の質が低下すると、肌の修復が上手くできず、ターンオーバーも低下しやすくなるため、毛穴詰まりを引き起こす可能性が高まります。 - ストレスやホルモンバランスの乱れ
ストレスによってホルモンバランスが崩れると、皮脂が過剰に分泌されやすくなり、毛穴詰まりを引き起こしやすくなります。また、生理前などにもホルモンバランスは崩れやすく、皮脂の分泌量が増えやすくなるため、吹き出物ができやすくなります。 - 生活環境
枕カバーやタオルが汚れたままの状態だと、雑菌が繁殖しやすく吹き出物の原因になります。また、空気の乾燥や花粉などによって、肌が刺激を受けた状態だと肌のバリア機能が低下しやすくなり、そこに、紫外線の影響を受けることでより肌トラブルを引き起こしやすくなります。
これらの環境を見直すことが、吹き出物の予防につながります。
ストレスとホルモンバランスの関係性
ストレスによってホルモンバランスが崩れると、肌トラブルを起こしやすくなります。
- ストレスホルモン「コルチゾール」の影響
ストレスを感じると副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。このコルチゾールは、皮脂分泌を活発にさせ、さらに肌の炎症も引き起こしやすくしてしまうため、吹き出物ができやすくなります。 - 自律神経が乱れやすくなる
ストレスが溜まると、自律神経が乱れやすくなり、交感神経が優位になってしまいます。交感神経が優位になることで、血流が悪くなり代謝が低下します。肌の代謝が低下すると、ターンオーバーが上手く働かず、古くなった角質の排出が効果的に行われないことで毛穴が詰まりやすくなります。これにより、吹き出物ができやすい肌環境ができてしまいます。 - 睡眠の質が低下しやすくなる
ストレスが溜まると、交感神経が優位になってしまい、睡眠の質が低下しやすくなります。
肌の修復に関係する成長ホルモンは、入眠から3時間経った頃に訪れるノンレム睡眠の際に最も分泌されます。しかし睡眠の質が低下し、深い睡眠をとることができなくなると、肌の修復に十分な成長ホルモンの分泌が難しくなります。これによってターンオーバーの低下やコラーゲン生成の低下につながり、肌トラブルが起こりやすくなります。
この他にも、生理前や更年期など、ホルモンバランスが崩れるタイミングにも吹き出物ができやすくなります。
- 生理前
生理前になると、黄体ホルモン(プロゲステロン)が優位になります。この黄体ホルモンは、皮脂の分泌を活発にします。そうすることで毛穴が詰まりやすくなり、吹き出物ができやすくなります。特にフェイスラインや顎、口の周りにできやすく、生理前に吹き出物がよくできるという人は、黄体ホルモンが関係している可能性が高いです。 - 更年期
更年期に入ると、女性ホルモンと言われるエストロゲンの分泌量が低下します。これにより、皮脂のコントロールが上手くできなくなり、皮脂の分泌が過剰になったり、反対に皮脂の分泌が低下し乾燥肌になったりします。皮脂が過剰になっても、乾燥肌になりターンオーバーが上手くいかなくなっても、毛穴が詰まりやすくなって吹き出物の原因となります。
ストレスが溜まることで吹き出物ができやすい人は、ストレス管理を行うことが大事になります。生理前や更年期でホルモンバランスが乱れることが原因の場合は、スキンケアや食事で肌環境を整えることが大事になります。
ストレスによっても分泌が亢進される。
引用:Wikipedia – コルチゾール
交感神経と副交感神経の2つの神経系からなり、双方がひとつの臓器を支配することも多く(二重支配)、またひとつの臓器に及ぼす両者の作用は一般に拮抗的に働く(相反支配)。
引用:Wikipedia – 自律神経系
卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(ゲスターゲン)の2種類があり、うち女性らしい体つきなどへの影響が大きいエストロゲンを特に指して女性ホルモンと呼ぶ場合もある。
引用:Wikipedia – 女性ホルモン
食生活が肌に影響を与える仕組み
食事は私たちの肌だけでなく、体全体を作る元になります。そのため、吹き出物を作らない肌作りにバランスの良い食事は、とても重要になります。
- タンパク質
タンパク質は、肌や爪、髪の毛など体を作るために重要な成分です。肌を構成している成分で最も多い割合を占めており、ターンオーバーを正常に維持するために必要です。
赤身肉や納豆、豆腐、卵などに多く含まれています。 - 必須脂肪酸
血流を促進し、肌や粘膜を強くするのに役立ちます。血流が良くなることで、肌に必要な栄養素が巡りやすくなり、ターンオーバーの維持にもつながります。
ナッツ類やマグロ、ブリやサンマなどに多く含まれています。 - ビタミンB群
ビタミンB群は、肌を修復する際に必要になる成分です。体内では生成できないため、食事やサプリメントなどから摂取する必要があります。
豚肉や鶏肉、サバやゴマなどに多く含まれています。 - 食物繊維
腸内環境が乱れ善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、腸のバリア機能が低下します。すると、本来は腸内にとどまるはずの物質や細菌が血液中に漏れ出し、体内の炎症が増加します。その結果、肌の炎症も悪化し、吹き出物の原因になる可能性があります。そのため、腸内環境を整えてくれる食物繊維の摂取や、善玉菌を増やしてくれる食事などを意識しましょう。同時に、善玉菌の食事となるオリゴ糖も一緒に摂取することで、より腸内環境を整えやすくなります。便秘が続く人も腸内環境が乱れている可能性があるため、意識してこれらの成分を摂取するようにするといいでしょう。
ヨーグルトや納豆、チーズなどの発酵食品は善玉菌を増やしてくれるのに役立ちます。さらに善玉菌の食事となるキノコや海藻類、ゴボウやさつまいもなどの食物繊維、玉ねぎやバナナ、大豆などのオリゴ糖も一緒に摂取しましょう。バナナを入れたヨーグルトなどがおすすめです。
これらの成分をバランスよく摂り入れ、肌の環境を整えましょう。
吹き出物の種類別に見る原因の違い

吹き出物とニキビはどう違うの?と疑問に思った人もいるかと思いますが、医学的にはどちらも「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる同じものです。一般的には年齢や原因によって使い分けられることが多く、思春期にできるものを「ニキビ」、大人になってからできるものを「吹き出物」と呼ぶことがあります。
白ニキビ・黒ニキビができる要因とは
白ニキビや黒ニキビは、比較的初期の段階のもので、コメドと呼ばれ、ニキビの赤ちゃんのようなものです。
これらは、過剰な皮脂分泌と古くなった角質が混ざり合い、作られた角栓によって毛穴が塞がった状態を指します。

白ニキビは、毛穴に詰まった角栓が白いふくらみになり、毛穴にぽつっとしたできものができた状態です。さらに、この角栓が酸化し黒くなることで、黒ニキビができます。
どちらも毛穴の中ではまだ炎症を起こしていない状態のため、この段階で角栓を取り除くことができると、赤ニキビや黄ニキビになることを防げます。
赤ニキビや膿を伴う吹き出物の特徴
白ニキビや黒ニキビによって、毛穴が詰まった状態が続くと、ニキビが重症化し、赤ニキビや膿が溜まる黄ニキビに進行します。
肌にはいくつかの常在菌が存在しており、そのひとつがアクネ菌です。アクネ菌と聞くと、ニキビを作る悪い菌だという認識が強いかと思いますが、実は常在菌として毛穴に常に存在しており、普段は肌へ影響を与えるような菌ではありません。しかし、毛穴が塞がり出口を無くしたアクネ菌は、毛穴の中で皮脂を栄養として少しずつ繁殖していきます。アクネ菌が繁殖した毛穴では炎症が起こり、皮膚の表面が赤くなる赤ニキビとなります。さらに炎症が進むことで毛穴の中で膿が溜まり、黄色っぽく見えるため、黄ニキビと言われる状態になります。
赤ニキビや黄ニキビによる炎症は、毛穴の周りの細胞を破壊してしまうため、ニキビが治った後にクレーターなどの傷が残ることもしばしばあります。
思春期のニキビと大人の吹き出物、原因は同じ?
思春期にできるニキビも、大人にできる吹き出物も、医学的には尋常性ざ瘡という、一般的にニキビと呼ばれるものですが、年齢によってできる原因が異なることがあります。
思春期にできるニキビは、成長期にホルモンバランスが崩れることで皮脂の分泌が活発になり、角質と混ざり合って角栓を作ることが原因です。おでこや鼻などの皮脂分泌の多い部分にできやすいのが特徴です。

一方で、大人にできる吹き出物は、生活習慣の乱れや食生活、ストレスなどで自律神経が乱れたり皮脂のコントロールが上手くいかなくなったりすることが原因です。乾燥し刺激を受けやすい口周りや顎、スキンケアを怠りやすいフェイスラインなどのUゾーンにできやすいのが特徴です。

思春期にできるものも、大人にできるものも、角栓によって毛穴が塞がれるという点では同じですが、元々の原因が異なることが多いです。
吹き出物が増えるタイミングとは何か

吹き出物は季節の変わり目やホルモンバランスが乱れるタイミングなどで増えることが多いです。
季節ごとの肌トラブルとその理由
季節によって、吹き出物ができやすいタイミングがあります。
例えば、春や秋など花粉やアレルギーに悩まされる季節は、それらが肌に付着することによって刺激が起こりやすくなります。これにより、肌が炎症を起こし、バリア機能が低下しやすくなります。また、1日の寒暖差が大きいことも肌の乾燥を助長しやすくなり、過剰な皮脂分泌につながります。
夏は、冷房によって空気が乾燥することで肌の水分が蒸発しやすく、乾燥肌になりやすい状況です。肌が乾燥すると皮脂が過剰に分泌されやすくなるだけでなく、肌のバリア機能が低下し、夏の強い紫外線の影響を受けやすくなります。紫外線の影響は様々ですが、特にコラーゲンへのダメージが肌のターンオーバーの低下につながりやすく、角質が排出されにくくなったり、角質が積み重なる角質肥厚という状態になり、保湿が効果的に行えなくなったりします。結果としてこれらが毛穴を詰まらせ、吹き出物を作りやすい状態にしてしまいます。
冬は空気が乾燥しているため、肌も自然と乾燥しやすくなります。スキンケアを怠ってしまうと、肌は潤いを失いカラカラの状態になってしまいます。これが過剰な皮脂分泌につながりやすくなってしまいます。また、寒さで血流が滞ってしまうと、肌のターンオーバーに必要な栄養素が行き届かなくなり、ターンオーバーと共に排出されるはずの角質も蓄積していきます。老廃物が排出されなくなると、毛穴の詰まりを引き起こしやすくなってしまいます。また、冬に着用することの多いマフラーやニットなどの、化学繊維による肌への刺激も、吹き出物を作りやすくしてしまいます。
季節によって吹き出物を作りやすくしてしまう原因は異なりますが、1年を通して、適切なスキンケアや保湿を行い、肌を外的刺激から守ることや、紫外線の影響を防ぐためにしっかりと日焼け止めを塗るなどして、紫外線対策を行うことが重要になります。
睡眠不足やホルモン周期の影響について
睡眠不足は肌の修復を阻害してしまうことがあります。特に睡眠の質が低下すると、肌の修復に必要な成長ホルモンが十分に分泌されず、ターンオーバーの低下につながりやすくなります。成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、肝臓に働きかけます。そうすることで、肝臓からIGF-1という成長因子が分泌されますが、この成長因子が肌の角化細胞に働きかけることで、肌の潤いを保つ成分が、線維芽細胞に働きかけることで、コラーゲンの生成が促されます。これにより、健康な肌の維持につながり、吹き出物の予防にもつながります。
生理前のホルモンの周期も吹き出物のできやすさに関係します。
黄体ホルモン(プロゲステロン)は、排卵〜次の月経までの間に優位になりますが、このホルモンによって妊娠しやすい体の準備が行われます。しかし、黄体ホルモンが優位になることで、皮脂腺が活発になりやすく、肌がゆらぎやすくなります。これにより毛穴が詰まりやすい肌環境ができてしまい、吹き出物を作りやすくしてしまいます。

スキンケア製品で引き起こされる吹き出物とは

肌に合わないスキンケア製品の使用でも、吹き出物を作りやすくしてしまいます。
洗顔料やメイク落とし選びが重要な理由
洗顔料やメイク落としの選択も、吹き出物を作りにくい肌にするために重要になります。
例えば、拭き取りタイプのメイク落としは、忙しい方や、夜遅くに帰った時などにさっと済ませることができ便利ですが、拭き取った後そのままにした状態では、肌への負担が大きくなります。また、コットンで拭き取る際に、肌を擦ってしまうことでも負担をかけてしまいます。できれば、手でなじませてメイクを落とすタイプのものを使用し、クレンジング後は洗顔を行うようにしましょう。また、普段から毛穴詰まりを起こしやすかったり、乾燥肌の人は、肌への負担が大きくなりやすいオイルタイプのメイク落としは避けた方が良いでしょう。ジェルやミルク、クリームタイプのクレンジング剤が、肌への負担を軽減し、優しい洗いあがりが期待できるためおすすめです。
化粧品による毛穴詰まり
毎日メイクをする人は特に気をつけたいのが、化粧品による毛穴詰まりです。
毛穴を隠すために塗るファンデーションは、塗った時はしっかりと毛穴を隠し綺麗な状態を作ることができますが、時間が経つにつれて皮脂と混ざり合っていきます。皮脂と混ざり合ったファンデーションは、毛穴に少しづつ流れ込んでいき、毛穴詰まりを起こしてしまいます。化粧品による毛穴詰まりを予防するためには、しっかりとメイクを落とし、洗顔にて毛穴の汚れを洗い流すことが重要になります。
オイル成分が敏感肌に及ぼす影響
クレンジングのタイプには、オイルやジェル、クリームなど様々なタイプがありますが、特にオイルタイプのクレンジングは、化粧を落とすための成分が強いです。濃いメイクをする人には適していますが、肌が弱い方や敏感肌の人には刺激が強い可能性があります。
肌への負担が大きくなると、その刺激から肌を守ろうと、角質を厚くしてしまいます。熱くなった角質は、化粧水の浸透を妨げたり、老廃物の排出を妨げたり、毛穴を塞ぐ原因になったりします。
肌の弱い人や敏感肌の人は、クリームタイプやジェルタイプなど、肌への負担が少ないクレンジング剤を選ぶといいでしょう。
環境要因と吹き出物との密接な関係

生活している環境によっても肌は刺激を受け、吹き出物ができやすい状態が作られているかもしれません。
大気汚染や紫外線ダメージが与える肌ストレス
吹き出物など肌にダメージを与える大きな要因のひとつとして紫外線があります。
紫外線による肌へのダメージは、シミの原因となるメラノサイトの活性化や、たるみの原因となるコラーゲンの破壊などがあります。
紫外線でも特にUVBは肌の表面にダメージを与え、炎症や日焼けを引き起こします。

ダメージを受けた肌は修復しようと働きますが、その一方で、さらなる紫外線ダメージから肌を守ろうとして角質を厚くしてしまうことがあります。角質が厚くなると、肌のターンオーバーが乱れやすくなり、古くなった角質が肌に残りやすくなってしまいます。これにより、毛穴が塞がれやすくなります。また、角質が厚くなることで化粧水などスキンケア製品の浸透を阻むため、効率よく保湿を行うことができず、肌が乾燥しやすくなります。角質が厚くなった肌に、乾燥によって皮脂が過剰分泌されるとさらに毛穴を塞ぎやすくなってしまうため、吹き出物ができるリスクが上がってしまいます。
また、排気ガスや花粉、黄砂などの大気汚染によっても肌は刺激を受け、吹き出物を作りやすくしてしまいます。
空気中に浮遊している汚染物質は、時に皮脂や汗と混ざり合い、毛穴に入り込みやすくなります。これが酸化することで、皮脂の性質が変わり毛穴に詰まりやすくなってしまいます。さらに、空気中の汚染物質によって肌のバリア機能が低下してしまうと、刺激を受けやすくなるだけでなく、肌の潤いを守る役割も低下してしまうため、水分が蒸発しやすくなって皮脂の過剰な分泌につながります。
このように、紫外線や大気汚染によって肌が刺激を受けることでも、吹き出物ができやすくなってしまうため、紫外線対策をしっかりと行いつつ、外から帰った後は肌を水で洗い流ししっかりと保湿を行うことが重要になります。また、外出時には、ファンデーションを塗るなどして、大気汚染による刺激から肌を守ることも有効です。
身体を締め付ける服装による皮膚への刺激
吹き出物は顔だけでなく、体にもできてしまいます。
体にできる吹き出物の原因は、顔にできる原因と同じようなものですが、さらに衣服による刺激や締め付けなども原因となります。
例えば、化学繊維の衣服は肌へ刺激を与えやすくなります。その刺激によって炎症が起こると、肌は刺激から肌を守ろうとして角質を厚くします。角質が厚くなった肌はターンオーバーが乱れ、古くなった角質が肌に残りやすくなってしまいます。また、顔と違い体は保湿を怠りやすくなってしまい、乾燥しやすくなります。乾燥した肌は皮脂を過剰に分泌してしまうため、毛穴が詰まりやすくなってしまいます。
衣服による締め付けも、その摩擦によって角質が厚くなってしまいます。
体も顔と同じように、保湿を行う習慣をつけたり、肌に優しい綿素材やシルク素材の衣服に変えるなどして対策を行うといいでしょう。
メンタル面から考える吹き出物予防法

吹き出物は、外からの刺激だけでなく、ストレスなどのメンタル面の乱れも関係して起こることがあります。
思い込み過剰?心配事と肌トラブルの関係性
心配事やストレスが溜まっている時、肌の調子が悪いと感じたことはありませんか。
ストレスが溜まった体では、肌の修復が遅れたり、自律神経が乱れ皮脂の過剰な分泌につながったりします。
ストレスを受けた体内では、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。このコルチゾールは、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を増幅させてしまいます。また、ストレスが溜まった状態が長く続くと、男性ホルモンと呼ばれるアンドロゲンの分泌が増え、ホルモンバランスが乱れやすくなってしまいます。アンドロゲンは皮脂の分泌を促進する作用があるため、Tゾーンやフェイスラインなどに吹き出物ができやすくなってしまいます。
さらに、長く続くストレスは、免疫機能を低下させてしまい、肌の修復力の低下につながるため、できた吹き出物が治りにくくなったり、炎症を悪化させてしまったりします。自律神経が乱れることも血流を悪化させ、肌のターンオーバーを低下させてしまいます。
心配事やストレスが溜まっている場合は、リラックスできる環境を作り、肌をストレスから守りましょう。
肌質別!自分に合った対策方法を知ろう

肌質によって、ケア方法や吹き出物の対策方法が異なります。自分の肌質に合った対策方法を見つけることが、吹き出物予防や改善の近道です。
オイリー肌の場合に意識すべきポイント
オイリー肌の場合、皮脂を取りすぎないことやしっかりと保湿を行うことを意識しましょう。
肌は皮脂と水分のバランスが保たれていることで、潤い、バリア機能を維持することができます。しかし、肌の乾燥が進むと、外的刺激から肌を守ろうと皮脂の分泌が過剰になってしまいます。皮脂が多くなると肌がべたついたり、メイクが崩れやすくなったりするため、皮脂を取り除こうと脂取り紙を頻繁に使ったり、1日に何度も洗顔をしてしまったりしがちです。しかし、これらの習慣が、さらに皮脂を分泌してしまう原因となり、オイリー肌を作る悪循環になってしまいます。
脂取り紙を頻繁に使っている人は、ティッシュに変えてみることで、必要な皮脂は肌に残すことができ、過剰な皮脂分泌を抑制することができます。また、何度も洗顔している人は、朝と夕の2回に留めるようにしましょう。洗顔後は化粧水やクリームを使って、しっかりと肌を保湿することを忘れないように注意しましょう。
皮脂分泌を過剰にしやすくなる、ジャンクフードや脂質の多い食事はできるだけ控え、肌の乾燥を防ぐ必須脂肪酸(肉や魚、ナッツなど)や、皮膚や粘膜を健康に保つビタミンB群(レバーやうなぎ、卵など)、脂質の酸化を防いだり血行を促進するビタミンE(アーモンドやアボカドなど)を、バランスよく食事に摂り入れることもおすすめです。
ケミカルピーリングやフォトフェイシャル、レーザートーニングなどの美容医療を活用し、過剰な皮脂を抑えたり、毛穴の引き締めを行ったりすることも、オイリー肌の改善に効果を発揮します。
乾燥肌でも油断禁物?隠れた原因とは
乾燥肌の人は、皮脂が過剰に分泌される前に、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
肌が乾燥していると、バリア機能も効果的に働かないため、外的刺激を受けやすくなります。
洗顔後できるだけ素早く化粧水で水分を補い、オイルで油分を補給した後に、クリームでしっかりと水分が蒸発しないように蓋をしましょう。乾燥肌の人はケア商品による刺激も受けやすいため、低刺激のものや、アルコールが含まれていないものなどを選択し、必ずパッチテストで自分の肌に合うかどうかを確認してから使用するようにしましょう。
化粧水はしっとりタイプのものを、クリームは油分の多いものを使用することがおすすめです。
イオン導入を利用して、化粧品では浸透しない真皮層にまで有効成分を浸透させることもおすすめです。より肌の奥深くからケアすることができるため、1週間に1回のスペシャルケアとして活用するのもいいでしょう。
まとめ
大人にできるニキビを一般的に吹き出物と言うことがありますが、偏った食生活や睡眠不足、間違ったケアやストレスなどが原因で起こります。
思春期にできるニキビと、できる原因が異なりますが、毛穴を塞ぎアクネ菌が増殖することで炎症を起こすという点では同じです。
吹き出物を予防するためには、ストレスを軽減することやバランスの良い食事を意識すること、適切な肌ケアを行うことが大事になり、時には、美容医療を活用して肌環境を整えることもおすすめです。
吹き出物に困ったら、一度椿クリニックにご相談ください。より適したケア方法や治療方法をご提案いたします。