この記事では実際どのような肌悩みに効果的なのか、どの肌タイプに適しているのかをポイントを絞って徹底解説していきます。
ニキビやくすみなどお悩みの方はぜひ、参考にしてみてください。
サリチル酸マクロゴールピーリングが合うのはどんな肌!?8つのポイントで説明します。
この記事を読んでわかること
- サリチル酸マクロゴールピーリングの基本とケミカルピーリングが美肌を目指す歴史的な治療方法であること
- サリチル酸マクロゴールピーリングの特徴と効果:特にニキビや肌のくすみ改善に効果的である
- ピーリング治療の安全性とクリニックでの取り扱い:安全に受けるための条件やエステサロンとの違い
- ケミカルピーリングの前後のケア方法と継続的なケアが必要な理由
目次
ケミカルピーリングとは?
美しい肌を目指す歴史は古く、古代エジプト時代から人々は肌の健康と美容に注目していました。ケミカルピーリングはその歴史の中で進化し、今の時代では肌の若返りやトラブルの解決策として多くの人に選ばれている治療です。ケミカルピーリングの歴史から今のケミカルピーリングの治療まで解説していきます。
ケミカルピーリングの歴史と安全性
ケミカルピーリングの最も古い歴史として、紀元前のエジプトにピーリングを行った記録が残っているほど、昔から人の美肌への探究心は強いことがうかがえます。
ケミカルピーリングが脚光を浴びだしたのは、1960年代のレチノイン酸でその後、1980年代にはアルファヒドロキシ酸 (AHA) が広く認識されていきました。
日本では、ケミカルピーリングによる被害例があったため、2000年には「業として実施していれば医業に相当する」と厚生省が明言し、2001年より日本皮膚科学会がガイドラインを作成してきました。このガイドラインが作成されたことで、医療としてのケミカルピーリングとエステサロンとしてのケミカルピーリングの目的が明確化されるようになりました。
エステサロンでの疾病の治療を目的とした行為は法律で禁止されており、使用するピーリング剤についても濃度の規定などがあるため、ケミカルピーリングを受ける際は医療機関で安全に受けることをおすすめします。
ケミカルピーリング|公益財団法人 日本エステティック研究財団
参考:公益財団法人 エステティック研究財団HPより
ケミカルピーリングの基礎知識
ケミカルピーリングとは、酸性の薬剤を肌に塗布することにより古い角質を剥がし、肌のターンオーバーを整えます。また、毛穴に詰まった皮脂や汚れも落とすことができます。
ニキビ、毛穴の黒ずみ、小じわ、くすみの改善に効果的です。
フォトフェイシャル、レーザートーニング、イオン導入など他の治療と併用が可能です。ピーリング治療によりメラニンの排出を促進する他、古い角質が取り除かれることにより美容成分が肌の奥に届きやすい状態になり、併用することでシミ治療の効果も相乗的に引き上げます。
サリチル酸マクロゴールピーリング入門
ニキビ治療やくすみの改善に使用されることが多いサリチル酸マクロゴールピーリングは、サリチル酸の強力な角質剥離作用と、マクロゴールの肌へのやさしさが組み合わさり、さまざまな肌トラブルに対応する薬剤です。その具体的な作用と、どのような肌状態の方に適応するのかを探っていきます。
サリチル酸マクロゴールピーリングの基本
サリチル酸マクロゴールピーリングに使用されるサリチル酸は、強い角質剥離作用を持っており、単体でピーリングを行うと、酸が皮膚の奥まで浸透して痛みや赤み、炎症などの副作用が起こりやすいデメリットがあります。
サリチル酸
引用:サリチル酸 – Wikipedia
サリチル酸は、ベンゼン環に結合している水酸基の影響で、カルボキシ基がプロトンを放出した状態でも安定しやすくなるため、カルボン酸としては比較的強い酸であり、そのpKaは、2.97である。皮膚を腐食する作用がある。
そのため、マクロゴールを配合し、サリチル酸が皮膚の奥まで浸透するのを抑えるようにしました。サリチル酸とマクロゴールピーリングは親和性が高く、この2つが合わさることで、皮膚の奥の細胞を傷つけず、赤み、炎症のリスクを防ぐため肌への刺激が少ないのが特徴です。
医薬品・医薬品添加剤用に用いられるPEG『マクロゴール』
引用:三洋化成HPより
①毒性が低い、②優れた潤滑性を有する、③異なる分子量のものを任意に混合することができる、④水や多くの有機溶剤に優れた溶解性を示す。このような特長から医薬品・医薬品添加物、ヘアケア・スキンケア製品、洗剤、顔料分散剤、潤滑剤、バインダーなど、さまざまな用途に使用されている。
サリチル酸マクロゴールピーリングの適応
サリチル酸は高い角質剥離作用があるため脂性肌に効果的です。
また肌への負担が少ないため敏感肌や乾燥肌の方も安心して受けていただけます。
脂性肌の人は皮脂により角栓ができやすく、毛穴が詰まることでニキビもできやすくなります。また、角栓があることで毛穴が開いてしまったり、角栓が酸化することで毛穴の黒ずみとして表面に現れたりするため、以下のような症状の改善にも効果的です。
- ニキビ、ニキビ跡
- 毛穴の開き、黒ずみ
- しみ、くすみ、色素沈着
- 肌質改善
- 毛孔性苔癬
角栓
引用:角栓 – Wikipedia
・角栓(かくせん、keratotic plug)とは、皮脂腺から分泌された皮脂や周囲の角質が毛穴中で凝固、発達したもの。
・角栓が毛穴を広げる影響は大きいと考えられ、
・表面が酸化して黒く見えることがある。
サリチル酸ピーリングによる皮膚治療の効果
サリチル酸ピーリングは肌の表面を綺麗にするだけではなく、ニキビの根本的な原因を対処し、肌の再生や若返りを促します。さらには色素沈着や肌のトーンの改善にも効果を発揮します。ここでは、サリチル酸ピーリングがもたらすこれらの効果について、具体的なメカニズムと共に詳しく見ていきます。
ニキビ治療における効果
サリチル酸は肌表面の古い角質を溶かして柔らかくする作用があり、アクネ菌の繁殖しやすい毛穴に詰まった角栓や皮脂を除去する効果があります。
また殺菌作用があるためニキビのもととなるアクネ菌の増殖を抑制します。
皮膚の再生と若返り
サリチル酸による剥離作用で古い角質が取り除かれることにより、ターンオーバーが正常化します。それにより、肌細胞は水分保持力や新陳代謝をアップさせ、真皮のコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンの生成を促進させます。生成が促された効果により肌のハリが蘇りシワ、小じわを改善します。
色素沈着と肌のトーン改善
サリチル酸ピーリングにより肌のターンオーバーが促進することで、肌サイクルの乱れを正常に戻す効果が期待できます。
これによって蓄積されたメラニンが排出、その後も蓄積しにくくなるのでしみの改善や美白の効果、肌荒れやキメを整える効果も期待できます。
サリチル酸ピーリングの即効性と持続性
ケミカルピーリングは肌表面の古くなった角質を少しずつ剥がしていく治療のため、1回で劇的に変化するということはほとんどありません。
ただし、人によっては「ざらつきがなくなりつるつるした感じになった」や「肌のトーンが上がった気がする」と感じる方もいらっしゃいます。
ほとんどの場合、1ヶ月に1回のペースで4~6回ほど続けていただくことで、肌の変化を感じることができます。しかし、ニキビ跡の治療や色素沈着の改善にはもう少し回数がかかる場合もあります。
ケミカルピーリングはお肌のコラーゲンも生成してくれるため、定期的に続けていくことでハリや弾力のある美肌をキープすることができます。
椿クリニックにおけるケミカルピーリングの種類と安全対策
美しい肌を目指すために改善すべき悩みは人それぞれです。椿クリニックでは個々の肌のニーズに応じて最適なピーリングを提供できるよう、いくつかの種類の薬剤を揃えています。ここからは、様々なケミカルピーリングの比較と、安全に治療を受けるための当クリニックの取り組みについてご紹介します。
椿クリニックのピーリング比較
当クリニックでは、先ほどご紹介したサリチル酸マクロゴールピーリング以外にも3つの薬剤をご用意しています。その時の肌の状態や肌悩みに合わせて使用しています。それぞれの薬剤の特徴を比較した上でどの肌タイプに適しているかを紹介していきます。
グリコール酸(AHA)
グリコール酸はフルーツ酸を用いた一般的なピーリングです。
特徴
分子量が小さいため、皮膚表面の角質層から表皮の最下層部にある基底層まで作用します。
奥に浸透するため刺激が強く、塗布後ピリピリと痛みを感じる場合があります。
効果
グリコール酸には古い角質を除去する働きがあるため、皮脂の分泌が正常になり、毛穴づまりを防いでニキビの予防効果が期待できます。
また肌のターンオーバーを正常化する働きにより肌の奥にあるメラニン色素を排出しやすくし、シミやそばかすの改善に効果的です。
グリコール酸は古い角質を取り除き、皮脂の分泌を正常にしてくれることから皮脂が過剰に分泌される脂性肌や、Tゾーンのみ皮脂が過剰に分泌されやすい混合肌タイプに適しています。
乳酸(ラクト)
乳清を発酵させて、その一部を抽出して作られた薬剤です。
特徴
乳酸はグリコール酸と比較すると分子が大きいため、皮膚の浅いところに作用します。 そのため肌への刺激や負担が小さいのが特徴です。
色素に高い効果が期待できます。
効果
乳酸は、メラニン生成抑制機能によりしみ、くすみ、色素沈着の改善に効果的です。また角質層のセラミドを増やし、肌の水分保持機能や外部刺激から守るバリア機能や皮膚の保湿力を高める効果があります。
乳酸は肌負担が少ないため敏感肌や
角質層のセラミドという保湿因子を増やす効果があるため乾燥肌の方に適しています。
マッサージピール(PRX-T33)
マッサージピールは、高濃度トリクロロ酢酸(TCA)と低濃度過酸化水素(H2O2)を配合したピーリング剤を使用し、皮膚をマッサージしながら浸透させる治療です。
特徴
PRX-T33の主な成分である高濃度トリクロロ酢酸は強いピーリング作用を持っていますが、そのままでは皮膚に強い刺激を与えてしまう薬剤です。それを、低濃度過酸化水素が中和してくれることで、皮膚の表面を傷つけることなく肌の奥まで高濃度トリクロロ酢酸の効果を浸透させることができます。
効果
一般的なケミカルピーリングは、皮膚表面のみの作用でしたが、マッサージピールは真皮にまで薬剤を浸透させ、コラーゲンの生成を促します。肌自体をふっくらとさせてくれる効果に加え、配合されているコウジ酸の効果で肌表面のくすみの改善も期待できます。
肌トーンをアップさせたい方や肌にハリ感がほしい方に向いています。
当クリニックの安全への取り組み
当クリニックでは、毎回医師が診察し、肌荒れの有無や肌悩みを見極めて薬剤や濃度、塗布時間を調整し、安全でより効果的な施術を提供しています。
初めての薬剤を使用する場合は必ずパッチテストを行い肌の反応をみてから施術を始めています。
施術後は肌が敏感になるため、看護師がアフターケアについて詳しく説明しますのでご安心ください。
施術前に知っておくべきこと
ケミカルピーリングは施術前の準備と肌のコンディショニングで効果が大きく変わります。ここでは、肌への最適なケア方法と、施術を受ける前に心掛けるべきポイントについて説明します。治療前の肌準備を適切に行うことで、施術後の肌の反応を和らげ、最高の結果を得ることができます。
ピーリング前の準備
角質が痛んでいるとケミカルピーリングが深く浸透してしまい、痛みが強くなったり、赤みが強く出たりする場合があります。ケミカルピーリング前日の顔剃り、パック、スクラブ洗顔など肌への刺激になることは避けてください。また、治療中の病気がある人や妊娠中、授乳中の人、傷あとが残りやすい人などは、ご予約の際に事前にご相談ください。
薬剤に関しては、トレチノイン酸は1週間前、ハイドロキノンは3日前から塗布を中止してください。
施術に向けた肌のコンディショニング
ケミカルピーリングを受ける前の肌ケアについてご紹介していきます。
- 紫外線対策
施術前は、特に日焼けをしないように注意してください。
サリチル酸ピーリングは肌に優しいとはいえ、少なからず刺激となります。
肌に負担の少ない日焼け止めを使用するなどして、いつも以上に紫外線を防ぐように心掛けましょう。 - 保湿
強く肌が乾燥していると肌のバリア機能が十分に働かず、赤みや痛みの原因になります。施術前は保湿ケアも入念にしていただくことをおすすめします。
施術後の肌ケア
ケミカルピーリングの施術後は、肌が敏感な状態にあり、適切なアフターケアと日常生活での注意が必要となります。ここでは、施術直後の肌の反応とそのケア方法、さらには施術後の日常生活での注意点について詳しくご紹介します。
直後の肌の反応とケア
ケミカルピーリング施術後わずかに赤み、ひりつきが残る場合があります。時間とともに落ち着くことが殆どですが、気になる場合はアイシングしていただくことをおすすめします。サリチル酸ピーリングの場合肌トラブルが生じることは稀ですが翌日以降も赤み、ひりつきが続く場合は早めにご相談下さい。
治療後の当日からお化粧は可能ですが、赤みやひりつき感がある場合は控えていただくか、なるべくお肌に優しいものを使用していただくことをおすすめします。
日常生活での注意点
ケミカルピーリングによる治療中は以下のことに気を付けて生活をしていただくことで、ケミカルピーリングの効果をより実感しやすくなります。
紫外線対策
ケミカルピーリング後は角質が除去されて、肌のバリア機能が低下し、光(特に紫外線)に対して過敏に反応するようになります。
そのため紫外線対策を怠ると、紫外線による肌のダメージが大きくなります。
対策としては室内で過ごす場合でもSPF30以上の日焼け止めを塗る、帽子や日傘、長袖などで紫外線を浴びないようにすることです。
日焼け止めの塗り直しや、室内での日焼け止めの塗布に抵抗がある方は飲む日焼け止めの使用もおすすめです。
保湿
ケミカルピーリング後は角質が剥がれ、保水能力が低下することで肌が乾燥しやすくなります。施術後も保湿ケアが必要です。
夜お風呂上がりの保湿はもちろんのこと、朝の洗顔後も化粧水とクリームで保湿するように心がけてください。
肌への負担軽減
ケミカルピーリング後は肌が敏感になっているため、剃毛や脱毛など、肌に負担がかかる行為を控える必要があります。
脱毛の施術を受ける場合は肌の状態にもよりますが、ケミカルピーリング後1~2週間ほど空けてから受けるようにしてください。
長期的な肌ケアとメンテナンス
1回の施術で効果が実感できる場合もありますが、ニキビやニキビ跡の改善には多くの回数が必要となります。ニキビを作らない肌への改善には、まずは毛穴を塞いでいる角質の除去、肌表面の古くなった角質を除去しターンオーバーを正常に戻す必要があります。ニキビ跡の治療も同じで、肌の中に蓄積されたメラニンをターンオーバーとともに排出する必要があるため、少なくとも5回以上の治療は必要になってきます。
しかし、必要な回数は肌状態により個人差があるため、まずは1回試してみることが大事です。
クリニック選びのポイント
ケミカルピーリングを提供しているクリニックはたくさんありますが、より自分の目指す肌への効果が期待できるクリニックの選び方をお伝えします。
クリニック選びで重視すべき設備とサービス
多様な強みをもつクリニックも増えてきているなか、選択する時に重視すべき点を紹介します。
- ピーリングが肌悩みに適切かどうか見極める必要があるため、丁寧なカウンセリングであるか。
- どの薬剤が自分の肌に合うのかわからないため選べる薬剤の種類が豊富であるか。
- 身体の悩みに適応したボディのピーリングメニューがあるか。
- ケミカルピーリングは継続的に受けることが多いため、コース料金が安価であること。またお得に継続できるキャンペーンやポイントを貯めるシステムがあるか。
椿クリニックの料金体系
当院では気軽にお試しできる初回トライアル価格がございます。コース料金も単発で続けられるよりも安価な設定となっています。
ボディメニューも豊富ですのでお気軽にお問い合わせください。
まとめ
サリチル酸マクロゴールピーリングは、高い角質溶解効果があるため脂性肌に効果的です。また薬剤が肌の奥に浸透しないため乾燥肌や敏感肌の方でも安心して受けられる注目の施術です。
当院では丁寧なカウンセリングを実現し、ボディメニューも豊富で多様な悩みに適応できます。気になっている方はぜひ椿クリニックにご相談ください。
よくあるご質問
- ピーリング治療は痛いのか?
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従来のピーリングに比べ皮膚の刺激が少ないですが、肌のコンディションによってピリピリした痛みを感じる場合もあります。
心配な方はクリニックへ相談してください。 - 一度の施術でどれくらい効果が見られるか?
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サリチル酸マクロゴールピーリングは1回でも効果を期待できる人はいます。しかし、ニキビ治療や美肌をキープするためのメンテナンス目的の方は定期的に施術を受けることをおすすめします。
- どれくらいの頻度で治療を受ければ良いか?
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ケミカルピーリングの再施術を行う際は、前回の治療から2週間以上の間隔を空ける必要があります。
そのため治療を開始したばかりのうちは、2週間に1回のペースで回数を重ねることで肌トラブルの改善に繋がります。
改善が徐々に実感できている場合、肌の状態にあわせて段階的に再施術までの期間を広げ、1カ月〜1カ月半に1回程度にまで頻度を下げることをおすすめしています。