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色素沈着の原因から予防、レーザー治療の効果まで完全ガイド

色素沈着の原因から予防、レーザー治療の効果まで完全ガイド

この記事を読んでわかること

  • 色素沈着は、メラニンの過剰生成が原因で、紫外線や炎症、ホルモンバランスの乱れが主な要因です。炎症後色素沈着、老人性色素斑、肝斑、雀卵斑などの種類があります。
  • 色素沈着の予防には、紫外線や摩擦を防ぎ、ホルモンバランスを整えることが重要です。保湿や早期の炎症ケア、脱毛による摩擦軽減などが効果的です。
  • レーザー治療では、レーザートーニングを使用してメラニン分解やターンオーバー促進を図ります。効果を実感するには10回以上の施術と保湿・紫外線対策が必須です。
  • 赤みや痒みなどの一時的な副作用や、頻回施術による白斑リスクなどがあります。信頼できるクリニック選びと適切な施術頻度が重要です。

色素沈着にはさまざまな種類があり、炎症や紫外線、ホルモンバランスの乱れなど、要因は数多くあります。しかし、その色素沈着のほとんどは、レーザー治療で改善することが可能です。
ただし、痒みや赤みなどの副作用や、施術のスパンが短すぎることで白斑などのリスクを起こしてしまうこともあるため、色素沈着をレーザーで治療する際には、必ず信頼できる医師やクリニックの元で行うようにしましょう。

色素沈着とは?基本的な知識

色素沈着とは?基本的な知識

色素沈着とは肌にできる薄い茶色の跡です。シミや肝斑なども含まれる色素沈着について解説します。

色素沈着の原因

色素沈着は、過剰に生成されたメラニン色素が、排出の速度を上回って蓄積していくことが原因です。メラニンが過剰生成される原因はいくつかあり、紫外線によるものや炎症によるものなど様々です。
メラニン色素は、何らかの刺激によって体内で活性酸素が発生し、メラノサイトが刺激されます。メラノサイトの働きが活発になると、チロシンという物質が、メラニン生成酵素のチロシナーゼなどの作用により、段階を経て黒色メラニンに変化していきます。

肌の色素沈着の原因

メラニン (melanin) は、ヒトを含む動物、植物、原生動物、また一部の菌類、真正細菌において形成される色素である。メラニン色素ともいう。

引用:Wikipedia – メラニン

メラニン細胞(めらにんさいぼう、英: melanocyte)は、メラニンを形成する細胞。メラノサイトとも呼ばれる。チロシナーゼを有し、血液からのチロシンからメラニンを生成する。

引用:Wikipedia – メラニン細胞

色素沈着の種類

色素沈着には様々な種類があり、紫外線や炎症、ホルモンバランスなどが原因で起こることが多く、それぞれ症状や特徴などが異なります。

  • 炎症後色素沈着
    色素沈着として多くの人が認識しているのは「炎症後色素沈着」です。炎症ニキビの後や掻き傷が治った後、レーザーの治療後などに表れることが多いです。また、摩擦を受けやすい鼠径部や膝、肘などにもよく見られます。一般的にシミと言われる老人性色素斑との見分けが難しく、全身にできるのが特徴です。
  • 老人性色素斑
    一般的にシミと言われるもので、紫外線によってできます。境界線がはっきりとしており、丸い形のものが多いです。紫外線の当たる場所にできることが多く、年齢と共に濃く、数が増えることが特徴です。
  • 肝斑
    老人性色素斑との見分けが難しいですが、境界線がぼんやりとしており、左右対称に表れることが多いです。肝斑の原因は解明されていませんが、女性ホルモンのバランスの影響を受けて濃くなると言われています。妊娠や出産を経験したり、女性ホルモンのバランスが大きく乱れたりするとできやすく、30~40歳代でできることが多いとされています。
  • 雀卵斑
    一般的には「そばかす」と言われるもので、目の下の頬の部分や鼻に広くできやすく、細かい斑点が表れます。遺伝的な要因が強いです。紫外線の影響を受けやすく、濃くなる可能性があります。

色素沈着の予防方法

色素沈着の予防には、摩擦や紫外線の防止、ホルモンバランスを整える、早い段階で炎症を抑えることなどが必要です。

  • 紫外線による影響の防止
    紫外線による活性酸素の発生は、メラノサイトを活性化させます。特に肝斑や雀卵斑のある部分は紫外線を吸収しやすくなるため、しっかりと紫外線対策を行うことが重要です。ただし、強く摩擦してしまうと炎症が起きメラノサイトが活性化されるため、優しく塗るようにしましょう。
  • 摩擦や炎症による影響と予防
    炎症が起き肌にダメージが加わると、そのダメージから肌を守ろうとしてメラニンが生成されます。そのため、下着のラインでこすれやすい鼠径部や、肘・膝などに色素沈着が起こりやすくなります。普段カミソリなどでよく毛を剃る人は、腕や足、脇などにも色素沈着が起こりやすくなります。炎症が起きてしまった場合は、出来るだけ早めに炎症を抑える成分のあるクリームや美容液などを使用して、過剰なメラニン生成を抑えましょう。摩擦の起きやすい部分はしっかりと保湿し、肌のバリア機能を維持しやすくするのもおすすめです。
    また、普段から毛を剃っている人は、脱毛で毛を無くすなどの対策も効果的です。
  • ホルモンバランスの乱れによる影響
    肝斑は、妊娠・出産などで女性ホルモンが乱れると現れやすくなりますが、ホルモンバランスが元に戻ることで自然に改善することがほとんどです。
    ストレスによってもホルモンバランスが乱れやすくなりますが、強いストレスはメラニン色素を生成するメラノサイトを活発にします。強いストレスも色素沈着を濃くしてしまう原因となるため、リラックスする時間を作るなどし、メラニン色素が作られにくい状態にしましょう。

レーザー治療とは?

レーザー治療とは?

色素沈着に対するレーザー治療とはどのようなものなのでしょうか。肌へのダメージをできるだけ抑えたレーザー治療について解説します。

レーザー治療の基本原理

レーザーによる色素沈着の治療は、肌へのダメージをできるだけ抑えた柔らかいレーザーを使用します。レーザーによってメラニンが分解されるとともに、熱刺激によって肌のターンオーバーが促進されやすくなります。
ターンオーバーが促進されると、メラニンの排出が進むため、徐々に色素沈着が改善していきます。

椿クリニックでは、レーザートーニングを使用して、色素沈着の治療を行っていきます。

レーザー治療のメリット

レーザー治療のメリットは、出来るだけ肌のダメージを抑えながら色素沈着を改善することができるという点です。
また、色素沈着の改善以外にも肌のターンオーバーが促進されることで、肌のごわつきやくすみも改善されます。真皮層では熱刺激によってコラーゲンの生成が促されるため、肌のハリの回復も期待できます。
レーザーと同じように、光治療でも色素沈着の改善は可能ですが、光治療は威力が強く肝斑を悪化させてしまう可能性があります。その点、レーザートーニングであれば炎症をできるだけ抑えながら照射することができ、肝斑の治療にも用いることができるところもメリットです。

色素沈着に対するレーザー治療の効果

色素沈着に対するレーザー治療の効果

色素沈着に対するレーザー治療の効果について解説します。

効果が期待できる色素沈着の種類

レーザー治療では、色素沈着と言われるものは基本的にはすべて治療が可能です。
ただし、肝斑がある場合や色素沈着になる前のまだ炎症が残っている状態の場合は、注意しましょう。
肝斑には、摩擦や刺激はNGであるため、威力の強いレーザーは照射できません。椿クリニックでは、肝斑の治療も可能なレーザートーニングを使用して治療します。レーザートーニングであれば、肝斑を悪化させることなく少しずつメラニンを分解して、色味の改善が可能です。
レーザー治療を受ける際は、必ずどのようなレーザーを使用しているのかを確認しましょう。

効果が現れるまでの期間

レーザーによる色素沈着の治療は、非常にゆっくりとなるため、最低でも10回程度は治療を受ける必要があります。
レーザートーニングによってメラニンを破壊しつつ、肌のターンオーバーに併せてメラニンを排出していく治療のため、一度に排出できるメラニンは限られています。

効果を最大化するためのポイント

レーザートーニングの効果を最大化するためには、治療前からの保湿の徹底や、治療後の保湿・紫外線対策の徹底が重要です。
レーザー治療は、肌の内部に熱を与えることで、少なからずダメージを受けています。このダメージを最大限抑えるためには、肌の内部が潤っている必要があります。乾燥している肌はレーザーによる熱作用を必要以上に受けてしまい、しっかりと効果を実感することが難しかったり、肌トラブルにつながりやすかったりします。
また、レーザー治療の後は肌が乾燥し、バリア機能も低下している状態です。この状態の肌に摩擦による刺激や紫外線による刺激を受けてしまうと、新たにメラニンが生成されやすくなってしまいます。治療後はしっかりと肌を保湿し、日焼け止めをしっかりと塗るように意識しましょう。また、出来るだけ紫外線の強い場所には出掛けないようにすることも重要です。

効果が薄い場合の対策

レーザー治療による色素沈着への効果が薄いと感じる場合は、日々のスキンケアや生活習慣を見直してみましょう。
レーザー治療を受けながら常に摩擦による刺激が加わっていたり、紫外線を浴びていたりすると、メラニンの排出以上に生成されてしまう可能性があります。この状態になると、いくら治療によってメラニンを排出していても、なかなか効果が見えないという結果になってしまいます。
また、施術回数が少ない場合も変化を感じることが難しくなります。
効果をしっかりと感じるためには、複数回の治療を受け、治療期間中は必ず保湿と紫外線対策を徹底するように心がけましょう。

レーザー治療のプロセス

レーザー治療のプロセス

椿クリニックでのレーザー治療のプロセスを解説します。初めて治療を受ける方は、この解説を参考にしてください。

実際の治療の流れ

レーザートーニングによる治療にはまず、医師の診察によって治療が可能かどうかを確認します。確認ができたら、肌の汚れやメイクを落とすために洗顔を行います。
肌の汚れが落ちたらベッドに横になり治療を開始します。
治療中は、人によっては「熱い雨が降っているような感じ」や「静電気がバチっとなった時のような刺激」と感じる人がいますが、肌状態によって変わり、ほとんどの人は我慢できる程度の刺激です。
治療する部位への照射が終わると、赤みの有無や肌の状態を確認して問題なければ終了となります。
レーザートーニングは、治療直後から肌の保湿やケアが可能なため、しっかりと保湿を行いましょう。お顔の施術や、腕などの紫外線の当たる部位を照射したときは、必ず紫外線対策も一緒に行いましょう。

治療後のケア

治療後は保湿や紫外線対策を徹底しましょう。また、肌が乾燥していたり荒れていたりすると、レーザーの刺激を強く受けてしまい、施術後に赤みや痒みが出てしまいます。この場合は、出来るだけ掻いたり擦ったりしないようにし、タオルに包んだ保冷剤で冷やすようにしましょう。
バリア機能が低下しているため、美白成分の濃い美容液やパックなどを使用して肌の保湿を行うといいでしょう。反対に、刺激の強い化粧品やアルコールの含まれている化粧品、スクラブのようなピーリング作用のあるものは避けるようにしましょう。

レーザー治療のリスクと副作用

レーザー治療のリスクと副作用

レーザー治療は、肌に様々な効果をもたらしますが、同時にリスクや副作用にも気をつける必要があります。

一時的な副作用

レーザートーニングによる一時的な副作用には以下のようなものがあります。

  • 赤み
  • 痒み
  • 熱感
  • 刺激
  • ニキビの増悪

レーザーによって肌の内部に熱がこもるため、施術後に赤みや熱感が出ることがあります。また、肌が乾燥しやすくなるため、外部の刺激を受けやすく、痒みが出ることもあります。しっかりと保湿を行い様子を見ましょう。
レーザートーニングによる刺激で、ニキビが発生することがありますが、出来るだけ触らずに、しっかりと保湿をして改善するのを待ちましょう。

長期的なリスク

レーザートーニングを、短いスパンで必要以上に照射することで、肌の一部のメラニンが抜け落ちてしまい、一部分だけ白っぽくなる「白斑」や「脱色素斑」という状態になることがあります。
これは、肌がしっかりと回復していない状態で何度もレーザーを照射することで、メラノサイトがメラニンを作り出せない状態になってしまうために起こります。
レーザートーニングは1~2週間に1回の頻度で受けることでより効果を実感しやすくなるため、必ず施術頻度は守るようにしましょう。

副作用を最小限に抑える方法

副作用やリスクを最小限に抑えるためには、日々のスキンケアはもちろんですが、施術を受けるクリニックが信頼できるかどうかも重要です。
施術を受ける前に必ずクリニックのカウンセリングを受けたり、口コミサイトなどで評価を確認したりするようにしましょう。
クリニックの症例写真を確認するのもおすすめです。

まとめ

色素沈着には様々な種類がありますが、基本的にはレーザートーニングによるレーザー治療が可能です。色素沈着の種類によっては、治療以外にも気をつけるべきスキンケアなどもあるため、必ず医師の診断を受け、信頼できるクリニックで治療を受けるようにしましょう。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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