顔全体のシミ取りにはいくつか選択肢があります。
選択方法としては、第一に肝斑の有無を確認しますが、それ以外の肌悩みや改善したい肌状態などによって治療を選択します。
この記事では治療の選択方法や肌ケアのポイントなどについて解説していきます。
シミを消して若々しい肌へ!顔全体のシミ取りテクニック
この記事を読んでわかること
- シミは紫外線やホルモンバランスの乱れなどが原因で、老人性色素斑、肝斑、そばかす、炎症後色素沈着など種類が多様です。
- フォトフェイシャルは広範囲に効果的でダウンタイムが少ない治療です。レーザートーニングは肝斑にも対応可能で、ケミカルピーリングは肌のターンオーバーを正常化します。
- 治療前は紫外線対策と保湿を徹底し、治療後も肌のバリア機能が低下するため保湿と紫外線対策を強化しましょう。
- 肌悩みやタイプに応じて最適な治療を選択しましょう。肝斑にはレーザートーニング、乾燥肌にはケミカルピーリングなど、適切な方法を専門医と相談することが重要です。
目次
シミ取りの基本: 何を知っておくべきか?
シミの種類や治療の概要、治療前の準備などを解説します。
シミの種類と原因の理解
シミとは、皮膚の内部で生成されたメラニン色素が蓄積したものです。紫外線を浴び続けることでできる老人性色素斑が一般的ですが、子どものころから見られるそばかすやホルモンバランスの乱れなどでできる肝斑というシミもあります。
・老人性色素斑
多くのシミがこのタイプで、日光性黒子とも呼ばれます。淡褐色~濃褐色の色素斑で、顔以外にも手や背中、前腕などの紫外線を浴びやすい部位にもできやすいです。主に中年期以降に増え、紫外線が原因とされます。
・そばかす
正式には雀卵斑と言われ、直径数ミリ以下で茶褐色の丸い斑点が、頬や鼻の周りなどに多く現れます。遺伝性が強く、3歳ごろから見られ思春期に特に目立つようになります。
・炎症後色素沈着
やけどやニキビ、化粧品かぶれなどによって肌の炎症が治った後に褐色に現れます。年齢や性別、部位に関係なくできますが、時間の経過とともに薄くなることがほとんどです。
・肝斑
顔に左右対称に現れ、妊娠や経口避妊薬などによって誘発・悪化することがあるため、ホルモンが関係していると言われています。しかし、確かな原因は解明されておらず、紫外線や炎症によって悪化します。光治療や強いレーザーによって悪化するため、禁忌とされています。
シミ取り治療技術の概要
顔全体のシミ取りは治療の内容によって原理が変わります。
顔全体のシミには、ケミカルピーリングやフォトフェイシャル、レーザートーニングなどが効果的です。
ケミカルピーリングやフォトフェイシャルでは、肌のターンオーバーを促すことで蓄積したメラニン色素を少しずつ排出していくことでシミを薄くします。
レーザートーニングでは、蓄積したメラニン色素を少しづつ分解することで無色化していきます。
どの施術も顔全体を治療するため、シミの改善の他肌質の改善なども期待できます。また、肝斑には強い刺激がNGであるため、ケミカルピーリングかレーザートーニングが選択肢となります。
治療前の準備と注意点
顔全体のシミ取り治療の前は、日焼けしないように気をつけること、乾燥しないように保湿をしっかりとすることが大事です。
また、肌の状態が悪いと施術ができなかったり、部分的に避ける必要があったりします。特に炎症を起こしているニキビの部分は施術できないことが多いため、気をつけるようにしましょう。
フォトフェイシャル: 光で輝く肌へ
フォトフェイシャルによる顔全体のシミ治療について解説します。
フォトフェイシャルの治療原理とは?
フォトフェイシャルは幅の広い光を照射することで、シミや色素沈着などの肌悩みにアプローチします。
フォトフェイシャルの光が肌トラブルの原因となるターゲット(メラニンや毛細血管など)に当たると光のエネルギーが熱に変わりターゲットにダメージを与えます。
フォトフェイシャルの光はターゲットのみに作用するため、正常な肌細胞への影響を最小限に抑えつつ肌悩みの改善が可能です。同時にコラーゲンを増生するため、肌質の改善や肌のキメを整えハリのある肌を保ちます。
期待できる効果と治療回数
フォトフェイシャル治療ではシミの改善の他、肌のハリの回復、赤ら顔の改善、小じわや毛穴の改善などに効果的です。
シミの深さや濃さによっても治療回数は変わりますが、肌のターンオーバーに沿って3〜4週間に1回のペースで、5回程度繰り返すことでシミの改善効果がみられることが多いです。
フォトフェイシャルの安全性と患者様の声
フォトフェイシャルの特殊な光が、シミなどのターゲットのみに作用するため、肌表面のダウンタイムはほとんどなく、施術直後からメイクをしていただくことが可能です。
椿クリニックでフォトフェイシャルの施術を受けていただいた患者様の声をご紹介します。
レーザートーニング: 深層からのシミ改善
レーザートーニングで肌の深層から改善するシミへの効果について解説します。
レーザートーニングのメカニズム
レーザートーニング施術には、QスイッチYAGレーザーのMedLite C6という機器を使用します。
レーザートーニングでは弱いパワーで肌に余分な刺激を与えることなく、少しずつメラニンを分解していきます。これまで肝斑にはレーザー治療が禁忌とされてきましたが、均一に柔いパワーを照射できることで肝斑の治療が可能になりました。
肝斑の他、シミの改善や肌トーンの改善、色素沈着のケア、肌のハリの回復などにも効果的です。
治療過程と症例に基づく結果
レーザートーニングは1週間に1回のペースで治療を繰り返します。弱いパワーのレーザーであるため、悩みの改善には回数がかかります。10~15回程度を目安に治療を繰り返すといいでしょう。
部位
頬の肝斑
年代
50代女性
施術回数
10回
所要金額
70,400円(税込)
症例についての詳細
肝斑・ハリ感・くすみが気になる部位に適切に出力を抑えたレーザーを均一に照射し肝斑を含むくすみを改善していく治療です。
こちらの患者様は主に両側の目の下に広がる肝斑とシミがお悩みでした。
レーザートーニングをしっかり受けられ、肝斑とシミが薄くなり、お顔全体のハリが出てより若々しい印象になりました。
施術の副作用(リスク)
赤み・熱感・かゆみ・痛み・乾燥が生じる可能性があります。
部位
頬の肝斑 くすみ
年代
50代女性
施術回数
15回
所要金額
99,000円(税込)
症例についての詳細
肝斑・ハリ感・くすみが気になる部位に適切に出力を抑えたレーザーを均一に照射し肝斑を含むくすみを改善していく治療です。
こちらの患者様は、お顔全体のハリ感の無さ、クスミと頬の肝斑がお悩みでした。
全体の細かいシミも気になられておりましたが、まず肝斑の治療を行いました。
結果肝斑は薄くなり、クスミが取れ、肌のハリ感もアップしました。この後、小さい部分的なシミはYagレーザーで治療させて頂く予定です。
施術の副作用(リスク)
赤み・熱感・かゆみ・痛み・乾燥が生じる可能性があります。
レーザートーニング後の肌ケアのポイント
レーザートーニングの後は、肌のバリア機能が一時的に低下するため、紫外線などの外的刺激を受けやすくなります。
保湿をしっかりとして、肌を守るようにしましょう。また、外出時はもちろんのこと、室内でも窓際にいる時は日焼け止めを塗るようにして紫外線から肌を守るようにしてください。
紫外線による影響でメラニン色素の生成が促進したり、炎症が起こることで肝斑が悪化したりということが考えられます。そうすることでレーザートーニングの効果を感じることができなくなる可能性があるため、注意するようにしましょう。
ケミカルピーリングで若返り
ケミカルピーリングの作用について解説します。
ケミカルピーリングの種類とそれぞれの特性
椿クリニックでは3種類の薬剤をそろえています。
・サリチル酸マクロゴール
サリチル酸は高い角質剥離作用があるため脂性肌に効果的です。
また肌への負担が少ないため敏感肌や乾燥肌の方も安心して受けていただけます。
高い角質剥離作用で古い角質が取り除かれることにより、ターンオーバーが正常化します。これによって蓄積されたメラニンが排出、その後も蓄積しにくくなるのでしみの改善や美白の効果、肌荒れやキメを整える効果も期待できます。
・グリコール酸(AHA)
グリコール酸はフルーツ酸を用いたピーリングです。分子量が小さいため、皮膚表面の角質層から表皮の最下層部にある基底層まで作用します。
グリコール酸には古い角質を除去する働きがあり、肌のターンオーバーを正常化します。これにより肌の奥にあるメラニン色素を排出しやすくし、シミやそばかすの改善に効果的です。
・乳酸(ラクト)
乳清を発酵させて、その一部を抽出して作られた薬剤です。
乳酸はグリコール酸と比較すると分子が大きいため、皮膚の浅いところに作用します。 そのため肌への刺激や負担が小さいのが特徴です。
乳酸は、メラニン生成抑制機能によりしみ、くすみ、色素沈着の改善に効果的です。また角質層のセラミドを増やし、肌の水分保持機能や外部刺激から守るバリア機能、皮膚の保湿力などを高める効果があり、肌のハリの回復も期待できます。
シミに対するケミカルピーリングの効果
シミは過剰に生成されたメラニン色素が蓄積することでできてしまいます。本来であれば、肌のターンオーバーと共に少しずつ排出されていきますが、ターンオーバーが乱れることでより顕著になりやすくなります。
ケミカルピーリングでは肌のターンオーバーを正常化するため、少しずつメラニンが排出されていき、シミの改善に役立ちます。
治療後の肌の状態と再生プロセス
ケミカルピーリングの治療後は角質が剥がれるため一時的に肌のバリア機能が低下した状態になります。また、肌の油分が低下することでもバリア機能が低下するため、しっかりと水分を補給し、クリームなどの油分で肌にバリアを作るようにしましょう。
ケミカルピーリングによって肌のターンオーバーが正常化されます。
ターンオーバーとは、基底層で生成されたケラチノサイトという肌細胞が、有棘細胞、顆粒細胞、角質細胞とその形を変えて徐々に上に押し上げられ、角質層にとどまったのち角片となり細胞の役割を終えます。角片は角質となって肌から剥がれ落ちますが、この一連の流れのことを言います。
古くなった角質が剥がれるため、細胞の生まれ変わりが促進されやすくなり、新しい綺麗な肌に生まれ変わります。
シミ治療の選び方: 自分に合った治療を見極める
顔全体のシミ治療は、シミの種類によって使い分ける必要があります。
各治療法のメリットとデメリット
顔全体のシミ治療のメリットやデメリットを比較していきます。
メリット | デメリット | |
フォトフェイシャル | ・正常な肌細胞にはダメージを与えないため、ピンポイントで悩みの改善が可能 ・ダウンタイムがほとんどなく施術後すぐにメイクが可能 ・熱エネルギーによってコラーゲンやエラスチンなどにも働きかけるため、肌のハリの改善や毛穴の引き締めなど、肌全体のコンディションの改善が可能 | ・光に敏感な体質の人は受けることができない ・強い光のため照射時に痛みが強く出ることがある ・肝斑の悪化の恐れがあるため肝斑のある人や肝斑の部分には照射ができない |
レーザートーニング | ・肝斑があっても治療が可能 ・肌全体のくすみや肌質の改善も同時にできる | ・肌状態や人によってはバチバチとした刺激を感じることがある ・柔らかいレーザーのため、悩みの改善には回数がかかる |
ケミカルピーリング | ・肌悩みに合わせて薬剤を選択するため、より悩みの改善が可能 ・ターンオーバーを正常化するため、表皮自体を新しい綺麗な肌に作り替えることができる | ・薬剤による刺激を受けることがある ・少しずつ肌のターンオーバーを改善していく治療のため、回数がかかる |
肌タイプ別の最適な治療法の選択
肌タイプや肌悩みによって選択する治療が異なります。
・肝斑がある場合
治療を選択するうえで重要になるのが肝斑があるかどうかです。肝斑がある場合、フォトフェイシャルによって悪化の恐れがあるため、レーザートーニングが第一選択肢となります。
・脂性肌でニキビも併発している場合
ニキビがある場合はニキビの改善も同時にできるケミカルピーリングがおすすめです。炎症ニキビやニキビが大量にある場合、レーザートーニングやフォトフェイシャルの刺激によって悪化する恐れがあるため、まずはケミカルピーリングにてニキビの改善を行いましょう。
・乾燥肌の人
乾燥肌の人はフォトフェイシャルやレーザートーニングにて刺激を受けやすくなる可能性があり、副作用が現れやすくなります。ケミカルピーリングでシミを改善しつつ、保湿をしっかりと行いながら肌の水分量を上げていきましょう。
顔全体のシミ取り治療を受けるためのステップ
椿クリニックで顔全体のシミ取り治療を受けるためのステップを解説します。
カウンセリングの申し込み方法
椿クリニックのカウンセリングの予約は電話とWEBにて受け付けています。
WEB予約は行きたい日時に即時予約ができ、即完了します。悩みはわかっているけれど、どの治療を予約したらいいかわからない人は、カウンセリングのみの予約も承っています。お電話でも治療のご相談を承っていますので、お気軽にご連絡ください。
治療プランの事前相談と流れ
クリニックにご来院した後は問診票や悩みを元に、カウンセリングにて適した治療のご案内をさせていただきます。
顔全体のシミを改善したい場合、この時点ではまだどの治療にしようか決めきれない方も多いです。しかし、診察にて医師による肌の診断をし、肝斑の有無などを確認することでより適した治療が見つかります。
椿クリニックでの初診の流れ
椿クリニックに初めてご来院される方は医師の診察が終わった後、再度カウンセリングにて施術回数や料金の説明を行います。
ご納得していただけましたら施術に移っていきます。施術前にはメイクや日焼け止めをしっかりと落としていただき、施術後の肌と比較するためにお写真を撮ります。
準備が終わりましたら、再度医師の診察にて肌状態を確認し、施術する機械の設定や薬剤の選択を行います。
施術が終わりましたら肌状態を確認し、問題がなければ施術終了となります。
施術後はパウダールームにてメイク直しをしていただいて大丈夫です。
最後は受付に来ていただき、清算と次回の予約をお取りしてお帰りとなります。
ご帰宅後も何かわからないことや相談したいことがありましたらお気軽にご連絡ください。
まとめ
顔全体のシミの治療はフォトフェイシャル・レーザートーニング・ケミカルピーリングなどがあります。
シミの他にも悪化したニキビがある場合や、脂性肌の場合はケミカルピーリングを。肝斑がある場合は肝斑治療を優先しレーザートーニングを。
肌質やシミの種類によって適した治療が変わるため、医師の診断を受けより悩みの改善が可能な治療を選びましょう。