笑った時に歯茎が見えて目立つガミースマイルになってしまう人、よく見るとほうれい線がくっきりとできていることはありませんか。
ガミースマイルで皮膚が折りたたまれることで、ほうれい線がくっきりと見えてしまいますが、表情筋の強い収縮でガミースマイルになる場合、ボトックス注射で改善が可能です。
また、ガミースマイルが改善されることで笑った時の皮膚の折りたたみが緩和され、自然とほうれい線ができにくくなるという嬉しい効果も。
このコラムでは、ガミースマイルとほうれい線の関係や、ボトックス注射について解説します。
ガミースマイルが引き起こす笑うとできるほうれい線の原因と対策

この記事を読んでわかること
- 笑った時にほうれい線が目立つ原因は、加齢によるコラーゲン・エラスチンの減少や頬の脂肪下垂、表情筋の動き、日常の癖や姿勢、食生活などが挙げられます。
- 上唇を引き上げる筋肉が強くガミースマイルになってしまう場合、笑顔でほうれい線が濃く見えてしまうことがあります。
- ボトックス注射は筋肉の収縮を弱め、自然な笑顔とほうれい線の緩和を実現します。腫れや左右差などの副作用を防ぐため、信頼できるクリニックでの施術がおすすめです。
- 自宅ケアの方法は、割り箸トレーニングなどで表情筋のバランスを整えることや、ビタミンCやタンパク質摂取で肌の弾力をサポートすることなどが重要です。
目次
笑うとできるほうれい線が目立つ原因を徹底解説

ほうれい線は若い人にも見られる、顔の構造上できてしまう溝ですが、笑った時に濃くなってしまうのは何が原因なのでしょうか。笑うとできるほうれい線について解説します。
皮膚の構造と老化現象の関係
ほうれい線は、顔の構造上できてしまう溝ですが、皮膚の構造と加齢による老化現象も深く関係しています。
顔の皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層構造から成り、その中でも弾力やハリを保つ役割を果たしているのが真皮層です。

真皮にはコラーゲンやエラスチンが存在し、これらの繊維がネット状に張り巡らされることで皮膚を支え、弾力や若々しさを維持するのに役立っています。しかし、加齢とともにコラーゲンが減少し、エラスチンの質も劣化するため、肌がたるみやすくなります。
さらに、顔の筋肉(表情筋)と皮膚は密接に結びついているため、笑う際に繰り返される筋肉の動きが皮膚へ影響を与え、しわが定着しやすくなります。特に、ほうれい線は鼻唇溝とも言われ、頬と口元の境界部分にあたるため、弾力が低下した肌はその境目でたるみが強調され、笑ったときに目立つ原因になります。
また、顔の特に頬の脂肪が下垂することで溝が深くなり、固定化されたしわとして定着しやすくなるのも、ほうれい線が加齢とともに悪化する特徴のひとつです。
表情筋の働きがもたらす影響
ほうれい線が笑ったときに目立つのは、顔の表情を作る表情筋が強く収縮することが関係しています。特に、口元や頬に関係する筋肉である「大頬骨筋」「小頬骨筋」「笑筋」などが強く収縮することで、皮膚が繰り返し折りたたまれ、負担がかかりやすくなります。

笑顔を作る際、これらの筋肉が収縮することで頬を持ち上げますが、その動きが強いと、皮膚が一時的に引っ張り上げられて折り目ができるのです。若い頃は肌に弾力があるため、皮膚が折りたたまれてもすぐに戻りますが、年齢とともに肌が弾力を失うと、その折り目によってできるほうれい線が、深いしわとして定着しやすくなります。
さらに、日常的に表情が豊かな人もほうれい線の影響を受けやすく、笑顔が魅力的である一方で、ほうれい線ができやすいリスクも高まります。そのため、表情筋のバランスを整えることが、ほうれい線対策に重要なポイントとなります。
日常生活の癖や習慣が引き起こすほうれい線
笑ったときにほうれい線が目立つ要因のひとつに、日常生活で無意識に繰り返す癖や生活習慣も挙げられます。
例えば、普段から頬杖をついたり、スマートフォンやパソコンを見る際の前かがみや顎が前に出たりするといった姿勢の乱れが、顔や顔周りの筋肉に偏った負担をかけ、皮膚のたるみを引き起こすことがあります。また、寝るときの姿勢も、頬に圧がかかりやすくなることでほうれい線の深さに影響を与えることがあります。
さらに、口呼吸や無表情のままでいることも、口周りの筋肉が緩みやすくなり、ほうれい線を悪化させてしまう大きな要因です。表情筋が衰えることで、笑ったときにほうれい線上に皮膚が乗りやすくなり、強調されてしまいます。
食生活もほうれい線に影響を与えるポイントで、コラーゲンやビタミンCの不足は肌の弾力を低下させ、ほうれい線を目立たせる原因になります。
このような日常の癖や習慣、食生活などを改善し、適切なケアを取り入れることで、笑ったときのほうれい線を目立ちにくくします。
ガミースマイルとほうれい線の意外な関係とは?

笑った時に歯茎が過剰に見えてしまうガミースマイル。実はガミースマイルとほうれい線は、深く関係しています。
ガミースマイルって何?そのメカニズムを解説
ガミースマイルとは、笑った際に上あごの歯茎が3mm以上出てしまう状態を指します。
ガミースマイルになる原因は様々で、歯の短さや上あごの骨の過剰な発達、上唇を持ち上げる力が強い、歯茎の過剰な発達などが挙げられます。
- 歯の短さ
歯が短く、映えている位置が低い場合、それだけ歯茎の範囲が広がるため、ガミースマイルになりやすくなります。 - 上あごの骨の過剰な発達
上あごの骨が発達し、前に突出していると、上唇に収まりきらずに笑った時に歯茎が見えやすくなってしまいます。 - 上唇を持ち上げる力が強い
上唇と鼻翼を上に持ち上げる上唇挙筋や上唇鼻翼挙筋という表情筋の収縮が強いと、必要以上に上唇が持ち上がり歯茎が見えやすくなってしまいます。 - 歯茎の過剰な発達
歯茎が過剰に発達し、前歯に覆いかぶさるように歯茎の範囲が広がっていると、笑った時に歯茎が見えやすくなり、結果ガミースマイルになってしまいます。
このように、ガミースマイルは様々な要因で笑った時に歯茎が目立つようになることで起こります。
笑顔時に強調されるほうれい線との関連性
無表情の時にほうれい線が目立たない人でも、笑った時にほうれい線が現れる人は多いと思います。この時、上唇を引き上げる筋肉の収縮が強くガミースマイルになりやすい人は、ほうれい線も濃く現れることがあります。
上唇の引きあがりが強いと、ほうれい線の下に皮膚が食い込み、ほうれい線がくっきりと見えてしまいます。
ボトックス注射で叶えるほうれい線&ガミースマイル対策

ボトックス注射では、筋肉の強い収縮を緩和し、ガミースマイルを改善します。それと同時に、ガミースマイルによって濃く見えていたほうれい線も緩和していくことが可能です。その方法について解説します。
ボトックスはどう働く?その仕組みを解説
施術名として一般的にボトックスと呼ばれますが、実はボトックス(BOTOX)は、ボツリヌス菌が生み出す毒素を精製した薬剤の商品名であり、「BOTOX」は、米国アラガン社の登録商標です。
ボトックスは、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素を主成分とし、毒性が適切に管理されたタンパク質からなる薬剤です。
このボトックスを筋肉に注射するボトックス注射は、筋肉に「動け」と指令を出すアセチルコリンという神経伝達物質をブロックし、筋肉の収縮を抑える薬剤を注射する施術です。

これにより、笑った時に上唇を上に引っ張る筋肉の収縮が弱まり、ガミースマイルの改善や笑った時にできるほうれい線の緩和などに効果を発揮します。注射後約2~3日で効き始め、3~4ヶ月効果が持続します。
ボトックス注射という施術名でも、使っている製剤はアラガン社のものではないこともあります。厚生労働省から承認を受けている製剤は、アラガン社の製剤のみであり、より安全にボトックス注射を受けたい場合は、必ず使用している製剤を確認することをおすすめします。
施術後に期待できる自然な笑顔と肌の若返り
ボトックスによるガミースマイルの治療後は、上唇の過剰な引きあがりが緩和され、歯茎の見えにくい自然な笑顔が期待できます。また、笑った時のほうれい線が緩和され、皮膚の折りたたみが軽減されるため、深く刻まれたしわになっていない場合は、今後のしわの形成の不安も軽減されます。
肌に弾力があるうちは、折りたたまれた皮膚も戻りやすく、深くしわが残ることを防げるため、より早い段階での治療が若々しい肌を維持するポイントとなります。
副作用やリスクを避けるためのポイント
ボトックス注射の一般的な副作用は、施術中の痛みや内出血、腫れなどです。稀なケースですが頭痛が起こる方もいます。他には、
- 施術後の違和感
- 赤み
- 左右差
- 倦怠感
- アレルギー症状
などもあります。
痛みの感じ方には個人差がありますが、薬剤を注入する際は「圧迫されるような感じ」や「筋肉痛のような痛み」と表現される方が多いです。施術に使用する針は細い27G(ゲージ)~30G(ゲージ)と細いもので、痛みを軽減するために患部をクーリングしてから行うため、我慢できる程度の痛みです。しかし、薬剤が入る時の痛みが不安な方や痛みに弱い方は、事前のカウンセリングで医師に相談しておきましょう。
赤みや腫れ、内出血などは数日から2週間ほどで自然に軽快していきます。施術後2〜3日は、体を温めたり血流の良くなる行動は控えるようにしましょう。倦怠感や頭痛などは、ボトックスにより使われなくなった筋肉の代わりに他の筋肉が使われることで一時的にバランスが崩れ、他の筋肉に負担がかかることで起こります。ボトックスにより筋肉が使われなくなった状態に体が慣れることで改善していくため、様子を見るようにしましょう。
ガミースマイル改善のためのボトックス注射は、左右に同じように薬剤を注入するため、左右差が出ることもあります。左右差が出ないように、元々の筋肉の収縮の強さなどを確認してボトックスを打っていきますが、万が一左右差が出てしまった場合には施術したクリニックに相談するようにしましょう。
アレルギー症状が出た場合は、痒みや赤み腫れなどが長引いたり、どんどん悪化したりする可能性があります。アレルギー症状が疑われる場合は、早めに施術を受けたクリニックや医師に相談するようにしてください。
自宅ケアで笑顔美人を目指すセルフケア方法

ガミースマイルは上唇を引き上げる筋肉の過剰な収縮が原因のため、自宅でのセルフケアで表情筋のバランスを整えることや、肌の弾力を維持することを意識しましょう。
表情筋エクササイズで自然なリフトアップ
ガミースマイルを緩和するためには、口周りのエクササイズで表情筋を整えることがポイントです。
割り箸を使ったトレーニング

歯で割り箸を咥えます。そのまま頬筋を意識して口角をゆっくり上げていきます。割り箸よりも口角が上に上がったらそのまま10秒キープし、ゆっくりと表情を戻します。この時、上唇は上がらないように気をつけ、頬を持ち上げるイメージで表情筋を使っていきましょう。1日2〜3回を目安に続けましょう。
難しいと感じる時は無理をせずに、できるところまで口角を上げてキープするといいでしょう。
食事や栄養バランスでほうれい線予防
食事でガミースマイルによるほうれい線の定着を予防するためには、肌の弾力を維持するための栄養素や、肌の潤いを維持するための栄養素を意識して摂るといいでしょう。
- ビタミンC
ビタミンCには、コラーゲンの生成を助ける働きがあります。コラーゲンは肌の真皮層に存在し、肌の弾力の維持に関係しています。年齢と共に減少するコラーゲンですが、食事からの栄養で、できるだけ維持していけるようにするといいでしょう。
みかんなどのフルーツや緑黄色野菜に多く含まれています。 - タンパク質
タンパク質は、健康な肌を作るためには欠かせない成分です。新陳代謝を維持し、角質層を健康に維持してくれるため、肌の潤いを守ることにもつながります。
卵やチーズ、ヨーグルトなどに多く含まれています。 - カルシウム
ミネラルの一種であるカルシウムはビタミンDと一緒に摂取することで、皮膚のターンオーバーをスムーズにします。また、保湿成分を活性化させる作用も期待でき、肌の乾燥を防いで健康な角質層を維持するのに役立ちます。
乳製品や小魚、大豆などに多く含まれています。
これらの栄養素を意識して食事に摂り入れ、バランスの良い食事を心がけましょう。
ビタミンCは、コラーゲンの合成に深く関与している[4]。
引用:Wikipedia – ビタミンC
タンパク質は筋肉や骨、皮膚などをつくる役割も果たしている[3]。
引用:Wikipedia – タンパク質
ヒトを含む動物や植物の代表的なミネラル(必須元素)である。
引用:Wikipedia – カルシウム
美容クリニック選びで失敗しないためのポイント

笑った時にできるほうれい線の改善治療の際は、信頼できるクリニックや医師を選ぶことが大事になります。
信頼できるクリニックの見極め方
信頼できるクリニックを選ぶためには、症例写真の確認や、口コミサイトなどでの評価を参考にしましょう。
症例写真は、施術した医師の技術を確認するために重要な資料となります。ホームページなどで必ず確認するようにしましょう。
また、口コミサイトなどには、実際に施術を受けた人の体験や評価が記されているため、クリニックの評価を判断する材料となります。良い口コミだけでなく、評価の低い口コミも確認するようにしましょう。
ある程度施術を受けたいクリニックが決まったら、必ずカウンセリングを受けるようにしましょう。カウンセリングで実際に医師やクリニック内の雰囲気を確認することも大事です。
カウンセリング時に確認すべき質問と要点
カウンセリングの際は、自分の悩みを細かく伝えるようにしましょう。また、その悩みに的確な治療を提案してくれて、無理な勧誘は行わないかどうかも気にかけておきましょう。
ボトックス注射に使用する製剤は、いくつか種類があり、どの薬剤を使用しているかも必ず確認するようにしましょう。
椿クリニックでは、厚生労働省の承認を得ているアラガン社のボトックスビスタと、日本の厚生労働省にあたる韓国のMFDS(食品医薬品安全処)の承認を得ている韓国製のボツリヌストキシンをご用意しています。
ボトックスビスタと比べ、韓国製のボツリヌストキシンは安価で受けることができるのが特徴ですが、クリニックによって値段設定も異なるため、併せて確認するといいでしょう。
ボトックス注射(表情じわ改善・エラボトックス) | 通常(税込) | |
---|---|---|
ガミースマイル | ボトックスビスタ(厚生労働省認可) | ¥15,400 |
韓国製ボツリヌストキシン | ¥7,700 |
食品医薬品安全処(しょくひんいやくひんあんぜんしょ、略称: 食薬処、英語:Ministry of Food and Drug Safety、MFDS)は、安全な食品及び医薬品体系の構築・運営を通じて、関連産業の競争力向上という国民の期待に応じる為に設立された、大韓民国における国家行政機関。旧名は韓国食品医薬品安全庁 (Korea Food and Drug Administration、KFDA) 。
引用:Wikipedia – 食品医薬品安全処
効果が実感できない場合の対処法とは?

ガミースマイルの改善や、笑った時のほうれい線の改善がボトックス注射で上手くいかない時はどのような対処が必要になるのでしょうか。
効果が出にくい原因と再施術が必要なケース
ボトックス注射はあくまでも、強い筋肉の収縮によってできるガミースマイルのみの改善に働きます。そのため、骨格や歯、歯茎自体が原因でガミースマイルになる場合は、ボトックス注射は効きませんし、もちろんほうれい線の改善も叶いません。
ガミースマイルと笑った時のほうれい線の両方を改善できるのは、表情筋が作用して起きているもののみと覚えておきましょう。
また、ガミースマイルに加えて頬のたるみや刻まれたしわになってしまっている場合などには、ボトックス注射のみでは効果がわかりにくいことがあります。
しっかりと医師と相談し、的確な治療を受けるようにしましょう。
他の美容施術と組み合わせたアプローチ法
ガミースマイルのボトックス注射のみでは、笑った時のほうれい線が改善しない場合は、他にもいくつかの原因があることが考えられます。
- くっきりと刻まれたしわになっている場合
笑った時はもちろん、無表情の時でもほうれい線の溝がしわとして残ってしまっている場合、皮膚自体を滑らかにする必要があります。おすすめはヒアルロン酸注入です。しわになってしまった部分の皮膚を平らに滑らかにするようにヒアルロン酸を注入します。
ほうれい線を長い期間放置し、年齢を重ねてしまった人に多く見られます。 - お顔が全体的にたるんでいる場合
お顔がたるんでいる場合は、無表情の時でもほうれい線がくっきりと見えることがあり、たるみを解消するヒアルロン酸注入や医療ハイフなどでたるみの改善を同時に行うといいでしょう。 - 頬の脂肪が多い場合
頬の脂肪が多い場合、ほうれい線上に乗ることで濃く見えてしまうため、ほうれい線に乗っている脂肪を減らす治療がおすすめです。ボトックスと併用して、脂肪溶解注射でバランスを見ながら脂肪を減らしていきましょう。
ガミースマイルの治療のみでほうれい線が改善しない場合は、他の原因が考えられるため、信頼できる医師の元で適切な治療を受けるようにしましょう。
まとめ
筋肉の強い収縮によるガミースマイルは、笑った時のほうれい線を形成している可能性があります。そのため、ボトックス注射によるガミースマイルの治療は、結果としてほうれい線の改善にもつながることがあります。
ガミースマイルで悩んでいる人、同時にほうれい線が気になる人はぜひ、椿クリニックにご相談ください。