エラボトックス後の寝方と注意点
エラボトックスは咬筋の収縮を弱め、筋肉を徐々にやせ細らせることでエラ張りを改善する施術ですが、施術後は注入部位に余計な圧をかけないことが大切です。特に最初の数日は、薬剤が意図しない部分に拡がってしまう可能性もあるため注意しましょう。
最初の48時間は仰向け中心が安心
エラボトックス直後はまだ薬剤が筋肉へ作用していません。そのため、作用し始める2〜3日の間は、できるだけ施術部位を圧迫したり揉んだりすることは避けるようにしましょう。
また、施術後の肌はわずかに腫れやむくみが出やすい状態です。顔をうつ伏せにして寝てしまうと、よりむくみが助長されてしまうこともあるため、注意しましょう。
注入部分に圧がかからないように、枕の高さを少し高めにして、頭を固定すると寝返り防止にもなります。
寝返りが気になるときの工夫(タオル・抱き枕で圧を逃がす)
横向きやうつ伏せは、頬やあごに体重がかかりやすく、注入部位を刺激する姿勢です。寝返りが多い方は、抱き枕を体の側面に沿わせるように置くと安定します。
腕や膝で抱えることで横向きになりにくくなり、無意識の顔の圧を軽減できます。市販の抱き枕がなくても、長めのクッションやバスタオルを丸めて代用可能です。
寝返りを完全に防ぐのは難しいですが、顔が枕に強く押しつけられない工夫をしておくと安心です。
1週間の寝方スケジュール
エラボトックス後の1週間は、薬剤が筋肉に作用し始め、施術後にできた腫れや違和感が落ち着いていく時期でもあります。そのため、直後の仰向け寝の姿勢から日ごとに寝方を戻していくと安心です。
0〜2日目|あごや頬を圧迫しない姿勢を意識
施術当日から2日目までは、顔をまっすぐ上に向ける姿勢をキープしましょう。横向きやうつ伏せ、激しい寝返りによる頬や顎の圧迫は、注入した薬剤が
高さのある枕で頭を支え、首がまっすぐになるよう調整しましょう。少し頭を高くすると、むくみが軽減しやすくなります。
3〜7日目|徐々に普段の寝姿勢へ戻す
3日目以降は、注入した薬剤が効き始めるため、少しずつ横向きなどの自然な寝姿勢へ戻してOKです。ボトックスは施術から2〜3日で筋肉に作用し始めます。この頃になると寝るときの圧迫や揉みなどは気にせずに、徐々に普段の寝姿勢に戻していっても大丈夫です。
ただし、マッサージなどによる強い揉みはまだ少し避けた方がいいでしょう。
横向き派は枕の高さ調整で負担を減らす
横向きでしか眠れない方は、枕の高さと硬さを見直すことで顔への圧力を減らせます。
肩の厚みと同じくらいの高さにし、首から背中まで自然なラインを作るのが理想です。
寝る前のかみしめ対策ルーティン
ボトックスの効果を安定させるためには、寝る前の「力みのリセット」も大切です。
1日の終わりに、咬筋へ過剰な力が加わるのを防ぐための、心身をリラックスさせる時間を作りましょう。
舌の位置と軽いあごストレッチで力みをほぐす
舌の先を上あごの裏(前歯の少し後ろ)に軽くつけ、あごを脱力します。
そのままゆっくり口を開け閉めして、食いしばりのクセをゆるめるよう意識してみましょう。
鼻でゆっくりと深く息をすることで、体全体の緊張もほぐれやすくなります。
熱すぎない入浴と水分補給でリラックス
ぬるめ(38〜40℃)のお湯に浸かると、副交感神経が優位になり、顔や肩の緊張がやわらぎます。
奥歯を噛みしめてしまう癖の原因のひとつにストレスや緊張によるものがあります。ストレスや緊張している状態では、交感神経が優位になっており、この状態が長く続くことで奥歯を噛みしめたり、歯ぎしりをしてしまうようになります。
ボトックスの効果をより維持し、安定させるためには咬筋への力の加わりをできるだけ軽減することが必要になるため、睡眠時の無意識下での食いしばりを軽減するためにも、睡眠前のリラックスは重要になります。
また、睡眠前に一気に水分を摂るよりも、こまめに摂りゆっくりと体に浸透させることで、翌朝のむくみも出にくくなります。
ストレス要因によって生体の恒常性が乱され、生理的ストレスが直接引き起こされ、色々な身体的反応を指す。心理的あるいは物理的な均衡が突然乱された身体は神経系、内分泌系、免疫系を刺激して反応し、短期的および長期的な身体的変化がもたらされることがある[11]。
引用:Wikipedia ストレス(生体)
寝る前の噛む習慣を避けて、深呼吸で切り替え
ガムや硬い食べ物を寝る直前に噛むと、あごに余計な負担がかかります。
寝る前は何も噛まず、3分ほどの深呼吸や軽いストレッチでリラックスモードに切り替えましょう。
翌朝のむくみ・だるさを防ぐコツ
朝のむくみやあごのだるさは、前日の寝方や水分バランスが関係していることもあります。ちょっとした習慣で、エラボトックスを活かしたフェイスラインのすっきり感が変わります。
短時間の冷却とやさしい洗顔でリセット
エラボトックス後の朝は、軽いむくみや熱っぽさを感じることがあります。これは体の自然な反応で、無理に冷やしすぎたり強く洗ったりする必要はありません。
大切なのは、「短時間で優しく」肌を落ち着かせることです。
冷却する場合は、保冷剤を直接肌に当てず、清潔なタオルでくるんで10〜20秒ほど軽く押し当てる程度でOKです。長く当てすぎると血行が悪くなり、かえって肌の回復を遅らせることがあるため、冷やしすぎには注意しましょう。冷却の目安は「ひんやりして気持ちいい」と感じる程度。フェイスラインやあご周りなど、むくみを感じやすい部分を中心に軽く当ててください。
その後の洗顔は、ぬるま湯でやさしく洗い流すのがポイントです。熱すぎるお湯は皮脂を奪い、冷たすぎる水は血管を収縮させるため、ぬるま湯(32〜34℃程度)が理想的です。適度な皮脂を残して肌のバリア機能を維持するためにも、洗顔料はできるだけ使わない方がおすすめです。洗顔後は必ず化粧水とクリームで保湿するようにしましょう。
朝のひと手間でボトックス後のむくみや熱っぽさの軽減につながります。
日中は軽い運動でめぐりを促す
ボトックス後のむくみやだるさを引きずらないためには、日中の体の動かし方も大切です。
施術直後の過度な運動は、ボトックス後の副作用を長引かせてしまう可能性があるため必要ありませんが、軽く体を動かすことで血液とリンパの流れが整い、フェイスラインのスッキリ感や表情の軽さが戻りやすくなります。
おすすめは、朝や昼間のウォーキング・ストレッチ・深呼吸など。たとえば、通勤時にひと駅分長く歩く、エレベーターの代わりに階段を使う、デスクワークの合間に肩を回すなど、小さな動きをプラスするだけで十分です。体をじんわりと温めると全身の循環が良くなり、エラ周りの代謝も自然と整います。
同時に水分補給も忘れずに行いましょう。汗をかくほどの運動でなくても、こまめに常温の水を飲むことで代謝がサポートされます。体を動かし、リラックスした呼吸を意識することで、エラ周辺の緊張も自然と解けていきます。
まとめ
エラボトックスの直後は、しっかりと狙った筋肉に薬剤を効かせるため、できるだけうつ伏せや横向きなどで施術部位が圧迫されることを避けるといいでしょう。
また、無意識に噛みしめや歯ぎしりなどの癖がある人は特に、就寝前のリラックス習慣を取り入れ、睡眠時の歯ぎしりを防ぐことで、より効果が安定しやすく維持しやすい状態をキープしやすくできます。
エラボトックスはフェイスラインをスッキリとさせるために人気の施術ですが、施術後の習慣などについて不安がある方は、お気軽に椿クリニックにご相談ください。