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ゼニカルとサノレックス、痩せる内服薬の秘密に迫ります

ゼニカルとサノレックス、痩せる内服薬の秘密に迫ります
ダイエットを考えている人は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「ゼニカル」と「サノレックス」という内服薬の名前を。この2つはダイエットをする際に強力なサポートをしてくれる内服薬です。この2つの内服薬を知って、あなたのダイエットをスムーズにしませんか。

※椿クリニックでは現在サノレックスの取り扱いはございません。このコラムでは紹介のみとなります。

脂肪吸収を阻害するゼニカルとは

まずはゼニカルの説明からしていきたいと思います。

ゼニカルの働き

ゼニカルは肥満治療薬の一種で、脂肪吸収抑制剤として機能し、食事からの脂肪の吸収を阻害することで効果を発揮します。
オルリスタットという成分が、体内で脂肪を分解する酵素であるリパーゼの働きを阻害します。リパーゼの働きが抑制されることで、摂取した脂質の吸収を抑制してくれます。
体内に吸収されなかった脂質は、便とともに体外に排出されます。

ゼニカルの効果とは

ゼニカルは、食事の脂肪分とともに摂取することが推奨されています。ゼニカルは脂っこい食事を摂った時に、吸収する脂質を減らしてくれるので、摂取カロリーを抑えることにつながります。ゼニカルを服用するタイミングは、食事の直前、食事中もしくは食後1時間以内に内服するようにしましょう。
食事から摂取した脂質量が多いと、エネルギーとして消費しきれず、中性脂肪が作られます。この中性脂肪もエネルギーとして消費しきれなくなると、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられるため、肥満につながります。

適している人って?

ゼニカルは、ただ食べ過ぎてしまう人には適していません。脂質の吸収を阻害すると前述したように、普段から脂っこい食事を多く摂る人に適しています。
逆に脂っこい食事をそんなに摂らない人には、効果を実感することができません。

ゼニカルの効果を実感するまで

ゼニカルの効果を実感するまでに、どれくらいの時間がかかるのでしょう。効果を最大限実感する方法と合わせて、解説していきます。

継続服用の必要

ゼニカルの効果を実感するまでには、2〜3週間が目安となります。
長いと3週間以上経ってから効果を実感する人もいます。
即時的な効果として、排便時に脂が混ざって浮いていることはありますが、あくまでもその時に食べた脂質の分のため、短くても2週間ほどは継続して服用するようにしましょう。

効果の持続期間は?

ゼニカルの効果の持続時間は1〜2時間ほどです。
内服後30分ほどで薬の成分がピークを迎え、その後徐々に効果が減っていきます。
効果が持続している間に摂取した脂質は、吸収が阻害され24〜48時間の間に排便とともに排出されます。

食事の途中、または1時間以内に1回1錠内服してください。前述したように、内服後30分でピークを迎えその後効果が減っていくため、食後1時間以内に内服ができなかった場合には、内服の必要はありません。

ゼニカルの効果を最大限実感するために

ゼニカルの効果を実感できない理由として、以下のことが考えられます。

  • ゼニカルを内服して満足してしまった
  • 食事の脂質が少ない
  • 効果を実感する前に内服をやめてしまった

ゼニカルはあくまでも食事で摂取した脂質が、体に吸収されないように作用する薬のため、元々体についていた脂肪を落としてくれたり、食欲を抑制する効果などはありません。
ゼニカルの効果を最大限得るためには、内服と同時に適度な運動も必要になってきます。
また、炭水化物や糖質の摂取が多い人は、それらの摂取を控える必要もあります。

ゼニカルを長期服用することは、副作用も十分理解したうえで内服するようにしましょう。

ゼニカルの副作用

ゼニカルの主な副作用として下痢がありますが、これは食事の脂肪が消化されずに体外に排出されるためです。また、効果が感じられないという意見も見られますが、これは体質や服用方法、食事の内容による影響が大きいと考えられます。

油漏れを起こしやすくなる

本来吸収されるはずだった脂が、下痢のように自覚なく漏れ出てしまう可能性があります。油漏れを起こしてしまうと、知らないうちにズボンや下着を汚してしまうことがあります。
ナプキンや織物シートなどを下着につけておくことで、汚れるのを防ぐことができます。
油漏れは、より脂質の多い食事をしたときに起こりやすくなるため、脂質の量を調節することで防ぐことができます。

脂溶性ビタミンも排出されてしまう

ビタミンには脂に溶けやすい脂溶性ビタミンと、水に溶けやすい水溶性ビタミンがあります。
ゼニカルの内服により、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、K、βカロテンの吸収も阻害されるため、サプリメントとの併用をおすすめします。

ゼニカルを内服してから2時間ほどはゼニカルの効果が持続しているため、2時間以上空けてからビタミンのサプリメントなどを服用するようにしてください。

食欲抑制のサノレックスとは

ここからは、もう一つの内服薬サノレックスについて解説していきます。

サノレックスの働き

サノレックスは食欲を抑制する薬として、日本で唯一承認されている薬です。
食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)の人が対象になります。

サノレックスの成分であるマジンドールには、満腹中枢に作用し食欲を抑制する効果と、消費エネルギーを促進する効果があります。
少量の食事でも満腹感を得ることができ、摂取カロリーを抑え、体重減少につながります。

サノレックスの効果とは

サノレックスは食欲を抑えてくれますが、同時に適度な運動や、バランスの良い食事の摂取などが必要になります。
ゼニカルと同じで、健康的な痩せ方をするためには、今ある脂肪を運動で燃やしてあげる必要があります。また、高度肥満症の人が対象になるため、自分のBMI値を知っておく必要があります。体重㎏を身長m×身長mで割ることで計算できるので、自分のBMIを計算してみましょう。

適している人って?

サノレックスは、前述したようにBMIが35以上の人が適応になります。
その他にも以下のような人に適しています。

  • 食事が好きで食べ過ぎてしまう
  • 食べることを抑えられない

摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうようなときに適しています。

サノレックスの効果を実感するために

サノレックスの効果を実感するためには、どうしたらいいのか解説していきます。

サノレックスの効果的な飲み方

サノレックスの飲み方は以下のようになります。

  • 1日1回昼食前に1錠内服
  • 1日に最大でも3錠を限度とし、できる限り最小有効量で抑えておく
  • 飲み続けていい期間は最大で3か月

1か月以内に効果が見られない場合は、内服を中止するように決められています。

通常、成人には、マジンドールとして0.5mg(1錠)を1日1回昼食前に経口投与する。1日最高投与量はマジンドールとして1.5mg(3錠)までとし、2~3回に分けて食前に経口投与するが、できる限り最小有効量を用いること。
投与期間はできる限り短期間とし、3ヵ月を限度とする。なお、1ヵ月以内に効果のみられない場合は投与を中止すること。

引用:サノレックス添付文書

効果の持続時間は?

サノレックスは内服後2時間で血中濃度が最大になり、9時間経つ頃には半減していきます。
そのため、食事の2時間前の11時ごろに内服することで、食欲を最大限抑えることができ、20時頃までは効果が持続します。

最高血漿中濃度は投与2時間後に得られ、その値は約2.81ng/mLであった。また、血漿中半減期は約9時間であった。

引用:サノレックス添付文書

ただし、薬の効き方には個人差があるため、食欲に変化が見られない場合もあります。

効果を実感するためにすべきこと

サノレックスの効果を実感するためには、適度な運動を取り入れましょう。
また、サノレックスの効果の持続期間中に食事を摂るように心がけることで、摂取カロリーを抑えることができます。

サノレックスの副作用

サノレックスは食欲を抑える神経に作用するため、副作用も大きくなります。以下で説明していきます。

便秘しやすくなる

便秘に関しては、サノレックスが直接引き起こすものではありません。ダイエット中は誰にでも起こることで、食事の摂取量が落ちることで便秘になりやすくなります。食事量が減ることで、大腸の働きが悪くなり便秘につながります。
意識して水分や食物繊維を摂るように心がけましょう。

睡眠障害が起こりやすい

サノレックスは中枢神経に作用するため、意図しない眠気や覚醒を引き起こすことがあります。
運転前や大事な会議などの前には内服を控えるようにしましょう。また、用法は昼食前となっており、夕食前に内服することで夜間の不眠につながる恐れがあるため、昼食前に飲み忘れた場合は翌日の昼食前に1錠を内服するようにしましょう。

飲み忘れたからと言って、1回に2錠など飲む量を増やさないようにしてください。

抑うつや興奮を引き起こす

サノレックスは向精神薬に分類されており、精神に作用する薬でもあるため、抑うつや興奮状態を引き起こす可能性があります。
そのため、精神病の既往がある人は症状を悪化させる恐れがあるため、内服できません。

依存性がある

サノレックスは精神的な依存性がある薬です。
服用量を増やしすぎたり、長期にわたって内服することで、服用をやめたときに不安感や焦燥感を覚えることがあります。

また、サノレックスは覚せい剤と似た成分を使用しているため、動物への実験で依存性や幻覚などの異常行動が見られています。人間に対しての発現は明らかとなっていませんが、こういった症状が出る可能性もあります。医師の指示に従い、最小有効量を服用し、3か月以上の内服は避けるようにしましょう。

依存性(頻度不明)
本剤の主要な薬理学的特性はアンフェタミン類と類似しており、サルでの静脈内薬物自己摂取試験においては摂取頻度の増加がみられ、精神依存の形成が認められている。
イヌでの22ヵ月間経口投与による慢性毒性試験においては幻覚様異常行動がみられている。
この点に関し、ヒトにおける長期投与による依存性・精神症状の発現は明確ではないが、本剤を投与する際は、依存性について留意すること。

引用:サノレックス添付文書

また、サノレックスは以下の人は内服できませんので、ご注意ください。

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 緑内障をお持ちの方
  • 心臓病などその他の内科的な病気をお持ちの方
  • 薬物、アルコールの乱用歴のある方

内服していいのかわからない人は、お気軽に椿クリニックまでご相談ください。

参考:Wikipedia オルリスタット(ゼニカルは商品名になります)

参考:Wikipedia マジンドール(サノレックスは商品名になります)

ゼニカルとサノレックスの違い

2つのダイエットをサポートしてくれる内服薬について解説してきましたが、最後にわかりやすくまとめていきたいと思います。

2つの薬の違いのまとめ

ゼニカルサノレックス
有効成分オルリスタットマジンドール
作用摂取した脂質の吸収阻害食欲の抑制、消費エネルギーの促進
主な副作用脂溶性ビタミンの不足、下痢、おならなど便秘、睡眠障害、抑うつや興奮、依存性など
おすすめの人脂っこい食事が好きな人つい食べ過ぎてしまう人
料金1錠 440円(税込)※椿クリニックでは取扱なし
※10錠から販売しております
※別途処方料660円(税込)が必要となります

併用しても大丈夫

サノレックスとゼニカルは併用して内服しても大丈夫です。
それぞれの作用で、より高いダイエット効果が期待できます。
しかし、用法用量はしっかりと守るようにしましょう。

ゼニカルは食事中または食後1時間以内に1回1錠、サノレックスは昼食前に1回1錠となります。

どちらの薬も、飲むだけで終わらせるのではなく、適度な運動を取り入れることが、ダイエット成功の鍵となります。
ご不明な点はいつでも椿クリニックにお問い合わせください。

椿クリニックHP https://tsubaki-grp.com/

まとめ

2つの薬はそれぞれにメリット・デメリットがあります。どちらが自分に合っているのか、よく吟味したうえで、内服するようにしましょう。薬を内服する際は、必ずカウンセリングと医師の診察を受け、用法用量を守るようにしてください。

よくあるご質問

ゼニカルは痩せる効果がある?

ゼニカルは痩せる効果がある内服薬で、食事での脂肪の吸収を抑制し摂取カロリーを抑えます。余分な脂肪が排出されるため体重減少へとつながります。ただし、ゼニカルはあくまで補助的な役割を果たすものなので、適切な運動と共にバランスの取れた食事を心掛ける必要があります。

ゼニカルの効果はどのくらいで出ますか?

ゼニカル服用後は30分ほどで薬の成分がピークを迎え、効果が持続している間に摂取した脂質は、吸収が阻害され24〜48時間の間に排便とともに排出されます。排便時に脂が混ざって浮いていることはありますが、あくまでもその時に食べた脂質の分のため、短くても2週間ほどは継続して服用するようにしましょう。

ゼニカルは保険適用になりますか?

ゼニカルは厚生労働省未承認のため保険適用外の薬です。ただし、肥満が原因で健康リスクがある時は、医師の判断により保険適用が可能な処方薬を出す場合があります。過度の肥満ではなく美容目的や体重管理のための使用の場合は保険対象外となる場合が多いです。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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