年齢を重ねるにつれて、小じわが気になってきたという方は多いのではないでしょうか。
小じわの原因には乾燥や紫外線、加齢などがあげられます。そして鍵となるのは“ヒアルロン酸”の存在です。
体内にある私達の健康や美容に大切なヒアルロン酸は、加齢とともに減少していきます。ヒアルロン酸の減少は肌の乾燥をもたらし、ハリや弾力の減少、小じわにもつながっていくのです。
スキンケアで小じわを解決しようとしても、なかなか時間もかかり、化粧品だけでは難しいことも多いです。そこで、小じわを改善する治療法のひとつにボライトXCがあります。
ダイレクトに皮膚の土台部分にアプローチをし、肌質改善を目的とするボライトXCですが、具体的にどのような治療なのか、かかる費用や効果、デメリットにいたるまで詳しくお伝えしながら、ボライトXCの魅力を紐解いていきます。
ボライトXCとは?小じわ治療の新星
ヒアルロン酸注入剤には様々な種類がありますが、その中でボライトXCはどのような治療なのか、基本の情報とともに、小じわへのアプローチについてお伝えしていきます。
ボライトXCの基本情報:どのような治療?
ボライトXCはアラガン社製ジュビダームビスタシリーズの中で最も柔らかいテクスチャーのもので、厚生労働省より“肌質改善”が認められた唯一のヒアルロン酸注入剤です。
シワやたるみの改善、形成を目的とした従来のヒアルロン酸とは異なり、肌のうるおいやハリ、小じわの改善といった肌質への効果を目的としています。肌の保水性がアップし、水分バランスも整うことで肌のバリア機能や乾燥も改善され、赤ら顔、肌荒れ、毛穴、くすみの改善にも有効な治療です。
アラガン(英: Allergan plc)は、美容医療・乳腺外科・眼科などに関する医薬品および医療機器の研究開発・販売を行うヘルスケア企業
引用:Wikipedia – アラガン
ヒアルロン酸(ヒアルロンさん、英: hyaluronic acid)は、直鎖状のグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種[1]。
保水性が高く水分保持により粘性を持つ[2]。生体内に広く分布し、皮膚、軟骨、眼球では重要な役割を持つ
引用:Wikipedia – ヒアルロン酸
小じわに対するボライトXCのアプローチ方法
真皮層に直接薬剤を肌全体に散らして注入することで、水分量の維持とともに繊維芽細胞に刺激が加わり、コラーゲン生成が活性化され、ハリ感がアップします。肌の保水性が高まることで乾燥が改善され、ハリ感もアップすることで小じわの改善につながります。
ボライト治療の安全性
ヒアルロン酸製剤は世界各国で複数のメーカーが製造・販売していますが、アラガン社製のジュビダームビスタシリーズは日本で唯一厚生労働省に製造販売承認を受けており、安全性・効果ともに信頼性が高い薬剤です。
小じわの原因とは?対策法から治療まで
小じわはなぜできてしまうのか、日頃からできる対策をお伝えするとともに、なぜボライトXCが小じわに効果的なのかをひも解いていきます。
小じわができる主な原因
小じわとは皮膚の浅い層にできる、加齢とともに目元や口元によく現れる細かいしわのことです。肌の構造は『表皮』『真皮』『皮下組織』の3層からなり、小じわは表皮に深くかかわります。肌表面の皮溝(細かい網目状の溝)と皮丘(溝に囲まれた表面の丘)が均等な配列であると肌の表面が滑らかでありキメが整っている状態ですが、加齢や外的刺激でコラーゲンやエラスチンが減少すると、皮溝が深くなってしまい、小じわにつながります。
小じわができる主な原因は
①乾燥 ②紫外線 ③加齢 といわれています。
- 乾燥
小じわができる最大の原因は乾燥です。肌表面には水分保持と外的刺激から守ってくれる働きのある角質層があります。乾燥によるダメージで角層の保水力は低下し、肌のキメも乱れ、浅く細かいしわができます。
- 紫外線
紫外線により、コラーゲンやエラスチンなど肌のハリや弾力を保つ繊維にダメージが加わり、弾力性が低下します。また活性酸素の発生により肌の老化が促進され、水分保持機能も低下していきます。
- 加齢
加齢に伴い、ハリや弾力にかかわるコラーゲンやエラスチンが減少することで小じわがでてきます。肌の生まれかわるプロセスである“ターンオーバー”の周期が遅くなるため、古い角質が肌に残りやすくなり、肌表面のざらつきや小じわも目立ちやすくなります。また水分保持にかかわる皮脂や天然保湿因子、角質細胞間脂質なども減少していくことで小じわの悪化につながります。
日常生活でできる小じわ対策
日焼け止めや日傘・帽子などのUV対策をするほか、スキンケアや食事など日常生活でできる小じわ対策があります。放っておかず、早めのケアが大切です。
スキンケアのポイント
- ふわふわの泡洗顔でうるおいを守りながら落とす
泡立ちがいまいちな洗顔料で必要以上に肌をこすってしまったり、さっぱりしすぎた洗顔料で必要なうるおいや油分まで落としてしまうことで、肌の乾燥の原因につながります。
また、洗い方にも注意が必要です。しっかり泡立て、指でこすらずに、泡を肌の上で転がし泡の弾力だけで洗うイメージで洗顔します。ぬるま湯で丁寧に落とし、タオルで軽くおさえて水気をふきとります。
- 乾燥を防ぐスキンケア
化粧水や乳液はたっぷりと、記載されてる“適量”を守り、肌全体にまんべんなくなじませます。また化粧水や乳液のあとにクリームを使用してうるおいや美容成分を逃さないようにし、小じわが目立ちやすい口元や目元は入念にケアをしていきます。
食事
- ビタミンA、β-カロテンでターンオーバーを整える
肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が肌表面に溜まってしまうことでごわつきやすくなり、小じわにもつながりやすくなります。
ターンオーバーを整えてくれるビタミンAやβ‐カロテンが多く含まれるうなぎ・にんじん・かぼちゃなどの摂取がおすすめです。
- セラミドでバリア機能の低下を防ぐ
うるおいのない乾燥した肌ではバリア機能が低下し、小じわにつながります。
こんにゃく・ブロッコリー・小麦胚芽などセラミドを多く含む食品の摂取がおすすめです。
なぜボライトXCが小じわに効果的なのか?
小じわの大きな原因として、乾燥があげられます。肌の保水性を保つ鍵となるヒアルロン酸は20代をピークに減少していきます。加齢とともにうるおいや肌のハリ感・弾力性は失われ、バリア機能の低下で肌トラブルを生じやすくなったり、小じわも目立ちやすくなります。
化粧品にもヒアルロン酸配合製品はありますが、あくまで一番外側の角質層、わずか0.02mm程度の深さまでしか浸透できないとされています。ボライトXCにより直接真皮層にヒアルロン酸を注入することで、皮膚の土台部分にダイレクトに補充され、保水性が高まり、小じわの改善につながるのです。
ボライトXC治療の流れと期待できる効果
イメージしていただきやすいように実際の治療の流れをお伝えしていきます。また実際の施術のビフォーアフター写真で、ボライトXCによる肌質改善効果の実力をみていきましょう。
治療後のケアや注意点をしっかり守ることも、トラブル回避のために大切です。
ボライトXC治療の流れ
カウンセリングと医師による診察でお肌のお悩みをお伺いし、ボライトXCが適しているかを確認後、治療のご説明をさせていただきます。
その後の実際の治療の流れは以下です。
- 洗顔後、麻酔クリームを30分ほど施術部位にのせていく
- 30分程経過し、十分に麻酔が効いたところでお拭き取り、消毒を行う
- 医師が全体にマーキングをした後、手打ちでボライトXCを注入
施術部位に、全体的に数カ所注射をしていきます
- 注入後、ボコつきのある部分を滅菌綿棒や清潔な指でマッサージをおこない、お肌になじませる
- ご帰宅
治療後のケアと維持方法
ボライトXCは、注射した部位の表面がボコボコすることが多く、内出血もみられやすい治療です。治療直後にボコつきを馴染ませていきますが、残る場合もあります。ボコつきがみられた場合、24時間以内に清潔な綿棒や指でこのボコつきを潰し、お肌に馴染ませていただくケアが必要となります。低粘度のヒアルロン酸ですので、潰して馴染ませればすぐに解消されます。
また内出血や赤み、腫れの悪化リスクを避けるため、当日は長時間の入浴や過度の飲酒、激しい運動を避けていただきます。感染のリスクを避けるためにも施術後12時間以内の洗顔を控えていただき、メイクは24時間以内はお控えください。
その後も過度なマッサージは控え、スキンケアも優しく肌にふれるようにしましょう。
実際のビフォーアフター:改善例を見てみよう
肌のハリ感やツヤ感がアップし、毛穴の引き締まりや小じわが改善されています
部位
顔全体(額と鼻以外)
年代
40代女性
施術回数
1回
所要金額
ボライトXC2本使用
56,100円(税込)〜75,900円(税込)
部位
頬のみ
年代
40代女性
施術回数
1回
所要金額
ボライトXC1本使用
29,800円(税込)〜39,600円(税込)
ボライトXC治療の費用と回数
ボライトXC治療にかかる費用はご希望する部位や範囲によって異なります。具体的な費用とともに、効果をしっかり感じていただくための推奨回数をお伝えしていきます。
ボライトXC治療にかかる費用の内訳
椿クリニックでは以下の費用でボライトXCをお受けいただけます。(麻酔代込みです)
使用量の目安
両頬(鼻の横のみ):1本
顔全体(額/鼻以外):2本
首:1〜2本
効果を最大限に引き出すための推奨回数
ボライトXCは1回の施術でも効果をしっかりと感じていただける治療です。効果の持続は最大9ヶ月とされていますが、ヒアルロン酸は徐々に吸収されていきます。効果がなくなる少し前、半年~8ヶ月程度で次の施術をしていただくと効果が保たれ持続期間も長くなるのでおすすめです。1年に1~2回を目安に継続していくと良いでしょう。
ボライトXCの副作用やデメリットは?
ボライトXCはとても魅力的な施術ですが、どのようなリスクやデメリットがあるのでしょうか。治療直後から内出血やボコつきなど、いわゆるダウンタイム期間もあるため、デメリットとなる部分についてもしっかり理解したうえで治療を受けていただくことが大切です。
ボライトXCの副作用とは
一般的にみられるものとしては、疼痛、内出血、赤みや多少の腫れ感があります。
稀な副作用としては、アレルギー・血流障害・感染・硬結です。ヒアルロン酸は元々体内に存在する安全性の高い成分ですが、稀にアレルギー反応を起こすことがあります。また、注入したヒアルロン酸が血管内に入ったり、血管を圧迫することにより血流障害が生じるリスクもあります。リスクをできる限り回避するためには、十分な知識や技術、経験のある医師のもとで施術を受けることが大切です。
デメリットはある?
ボライトXCのデメリットとして、内出血やボコつきがでやすいことです。個人差はありますが、いわゆるダウンタイム期間は1~2週間続く可能性もあります。
施術部位に細かくたくさんの箇所に、真皮層へ直接注入していきます。皮内への注入ですので、施術直後はボコボコの状態になりやすいです。この膨らみは一時的なもので、清潔な指や綿棒で潰すようにマッサージをして馴染ませることができます。低粘度性の薬剤ですので、すぐに馴染み、ボコボコは解消されていきますのでご安心ください。
また、内出血が起こりやすい治療です。とくに皮膚の薄い首は内出血しやすい箇所です。1~2週間程度で徐々に改善していきます。
どの治療法が自分に合っているか?
ボライトXCの大きなメリットは、最大9ヶ月ともいわれる長期的な効果の持続です。美肌治療は2週間~1ヶ月間隔での通院を推奨されるものも多く、遠方であったり忙しくて頻回に通院することが難しい方にとっては、1年に2回程の通院で肌質改善が可能であるためおすすめです。
しかしながら、内出血やボコつきが1~2週間ほど残る治療ですので、いわゆるダウンタイム期間が好ましくない方にとっては不向きな治療といえます。
ボライトXCvs.他の小じわ治療法
これまでのヒアルロン酸注射と何が違うのか?お肌のハリや弾力、保水力がアップするといわれる治療には水光注射もありますが、ボライトXCと何が違うのか?このような疑問にお答えしながら、どのような方におすすめとする治療なのかをお伝えしていきます。
従来のヒアルロン酸注射との比較
ヒアルロン酸にも様々な種類があり、粘度や硬さの違いから目的によって使用する製剤も異なります。従来はほうれい線の深いシワ、くぼみの改善、顔のリフトアップのほか、涙袋をふっくらさせる、唇のボリュームアップ、鼻を高くするなどの形成を目的として局所的に注入をしています。
ボライトXCはこれらとは異なり、ハリ感や小じわなどの肌質改善を目的として、全体的に注入しながらお肌にアプローチします。
| ボライトXC | 今までのヒアルロン酸 |
---|
目的 | 肌質改善 肌の保水 | しわ・たるみの改善 ボリュームアップ 輪郭形成 |
効果 | ハリ・ツヤの改善 毛穴や小じわ キメの改善 | しわやたるみに直接注入し目立たなくし、輪郭や部位のバランスを整える |
水光注射との違いとは?
水光注射もボライトXCも、ともに肌へヒアルロン酸を注入し、保水性を高めて肌のハリ感や小じわの改善に導く治療です。この2つの大きな違いは、
・効果の持続期間
・注入方法
・注入する薬剤 です。
ヒアルロン酸には、水のように柔らかい「非架橋型」と分子構造を固めてゲル状にした「架橋型」があります。水光注射などでは非架橋型、ボライトXCは架橋型のヒアルロン酸が使用されます。架橋型は非架橋型に比べ、体内にゆっくり吸収されるため、効果の持続時間は長くなります。水光注射は約1ヶ月程度、ボライトXCは最大9ヶ月程です。
また水光注射には、ヒアルロン酸以外にも様々な美容成分が含まれています。
| ボライトXC | 水光注射 |
---|
施術方法 | 医師が注射で肌に直接注入 ※気になる部位には多めになど微調整が可能 | 機械で吸引しながら注入 ※痛みが少ない |
薬剤 | ボライトXC ※粘度のある薬剤で吸収されにくい (架橋型) | NCTF-135HA ※サラサラの薬剤 (非架橋型) |
効果 | 1度の施術で最大9ヶ月持続 | 効果の持続は約1ヶ月程度 |
どの治療法が自分に合っているか?
ボライトXCも水光注射も、一度の施術で効果の実感はできますが、効果の持続はボライトXCは最大9ヶ月、水光注射は約1ヶ月と大きく異なります。水光注射で肌のハリ感を維持させようとすると1ヶ月に1回程の治療が必要です。
水光注射の治療では、ヒアルロン酸以外の様々な美容成分が入った薬剤を注入します。
注入の頻度が多くなっても、ヒアルロン酸以外の成分も一緒に取り入れたい方は水光注射、頻回に治療を受けることが難しい方はボライトXCをおすすめします。
※椿クリニックではフランスのフィロルガ社の「NCTF135HA」を使用しており、超高濃度ヒアルロン酸、ビタミン12種類、アミノ酸24種類、コエンザイム6種類、ヌクレオチド5種類、ミネラル6種類、その他抗酸化成分など6種類等、合わせて60種類の成分が含まれています。
まとめ
年齢を重ねるとともに多くの方が気になる “小じわ” の大きな要因は、『乾燥』『紫外線』『加齢』といわれます。日常の中で紫外線対策や食事、スキンケアなど気をつけるべきポイントはいくつもあります。早めの対策が必要であり、毎日こつこつ時間をかけて行うことが大切です。スキンケアの浸透はあくまで表皮の角質層(0.02mm)までとされており、スキンケアだけでの肌質改善は長期戦であり、難しい部分もあります。
保水力、うるおいをアップさせ、肌のハリやツヤ感、小じわ改善などの肌質改善を目的としたボライトXCという治療法があります。肌の真皮層に直接ヒアルロン酸を手打ちで注入し、土台部分にダイレクトにアプローチしていくのです。肌の保水性がアップすることで毛穴や小じわの改善はもちろん、肌のバリア機能も向上し、トラブルの生じにくい肌へと導いてくれます。1度の治療でも効果を感じ、効果は最大9ヶ月とされ、年2回程の治療で状態を保つことができるのは大きなメリットといえるでしょう。
治療直後は内出血やボコつきも生じやすい治療ではありますが、治療後のアフターケアや注意点をしっかり守っていただき、理想とする、うるおい肌を手にしていただけたらと思います。不安や疑問点などしっかりお話したうえで治療をすすめてまいります。
ぜひ一度椿クリニックにご相談ください。