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キャビテーションの効果がないのはなぜ?皮下脂肪と内臓脂肪、作用の違いを解説

キャビテーションの効果がないのはなぜ?皮下脂肪と内臓脂肪、作用の違いを解説

この記事を読んでわかること

  • キャビテーションは超音波で皮下脂肪にアプローチする、切らない部分痩せの施術。内臓脂肪や筋肉太りには作用しない。
  • 効果を感じにくいのは脂肪の種類や生活習慣が原因。暴飲暴食や運動不足、セルライトが多いと結果が出にくい。
  • ダウンタイムがなく気軽に受けられる一方、骨伝導音や肝臓への負担など注意点もあり、体調管理が大切。
  • 効果を高めるには、複数回の継続・食事管理・運動・マッサージを組み合わせ、脂肪タイプに合った施術を選ぶことが重要。

キャビテーションは痩身のメニューとして多くのクリニックやエステで取り扱われています。しかし、中にはキャビテーションの効果を実感できないという声も聞かれます。
原因としては生活習慣だけでなく、脂肪の種類による“作用の差”が関係していることもあります。実は、キャビテーションはすべての脂肪に同じように働くわけではなく、皮下脂肪には届きやすい一方で、内臓脂肪にはほとんど作用しにくいという特徴があります。
このコラムでは、キャビテーションの仕組みと脂肪タイプによる違いをわかりやすく解説し、効果を感じるためのヒントを解説していきます。

切らない脂肪吸引キャビテーションとは

「お腹まわりの悩みを相談する女性と、それに優しく対応する医療スタッフの写真

キャビテーションが切らない脂肪吸引と言われる理由は、超音波で脂肪の核を破壊しリバウンドしにくい痩身の施術であるからです。そんなキャビテーションを詳しく解説していきます。

キャビテーションの仕組みと“脂肪の種類”

キャビテーションは、超音波で気泡を発生させ、気泡が弾けるエネルギーで脂肪細胞を破壊する施術です。

「キャビテーション」とは、液体中での圧力の急激な変動が原因で液体内に微小な気泡や空洞が形成され、それが急速に崩壊する現象を指します。この空洞化現象が生じると、強力な衝撃波や振動が発生し、周囲の物体に強いインパクトを与えることができます。
このキャビテーションの原理を応用したものが、美容分野で痩身の目的で使われるキャビテーション治療です。

キャビテーションで脂肪細胞に気泡が発生し、中性脂肪が分解されていく流れを描いたイラスト

キャビテーションに使うマシンは、脂肪細胞のみをターゲットにし反応する特殊な超音波を発しています。
超音波によって小さな泡を脂肪細胞に発生させます。泡が弾けたときの衝撃波によって脂肪細胞の核を破壊します。破壊された脂肪細胞は、血液中に流れていきます。脂肪細胞の数は決まっており、一度破壊した脂肪細胞が復活することはありません。そのためリバウンドしにくいのが特徴です。ただし、この超音波のエネルギーが届くのは、皮膚のすぐ下にある「皮下脂肪」まで。体の奥深く、筋肉より内側に存在している「内臓脂肪」まではキャビテーションの超音波は届かないため、作用することができる層を知っておくことが効果を感じるためには重要です。
キャビテーションは脂肪細胞のみに反応するため、ほかの周辺組織を傷つけることがなく、ダウンタイムがないのも特徴です。

こんな人におすすめ

キャビテーションは、皮下脂肪によって体のサイズが大きくなっている以下のような方におすすめです。

  • 二の腕・腹部・脇腹・太もも・ひざの上・内ももなどについた脂肪が気になる。
  • 皮膚をつまんだときに厚みを感じる。

キャビテーションはあくまでも皮下脂肪による脂肪太りに効果があるため、内臓脂肪によってサイズが大きくなっているお腹周りなどには効果を発揮しません。また、筋肉による固太りの方や、むくみにより太っているように感じる方にも効果がありません。

キャビテーションを受けられない人は?

以下に該当する方はキャビテーションを受けることができません。

  • 摂食障害がある人、肝機能が悪い人
  • 心臓に疾患のある人、病気などで通院中の人
  • 糖尿病の人
  • 妊娠中の人
  • ペースメーカーを使用している人
  • 精神疾患やてんかんをお持ちの人
  • 皮膚や血液の疾患のある人
  • 感染症疾患(化膿したニキビを含む)
  • 体内に金属が入っている人
  • 施術部位にタトゥーを入れている人
  • ひどい頭痛、耳鳴りがある人

ペースメーカーや体内の金属に超音波が反応する恐れがあるため、また皮膚の表面をまんべんなく滑らせていく施術のため、皮膚に何かしらの疾患やトラブルを受けやすい皮膚の人はお断りをさせていただいております。
タトゥーの上からキャビテーションを当てることで、タトゥーの色味が抜けてしまう可能性があります。タトゥーの入っていない部位への施術は可能となります。
キャビテーション施術中は骨伝導音が響きます。そのため、骨伝導音により頭痛や耳鳴りが悪化する可能性があるため、このような症状がある方も施術を控えさせていただいております。

キャビテーションの効果が出ないのは“脂肪の種類”が関係している?

「お腹まわりの悩みを相談する女性と、それに優しく対応する医療スタッフの写真

キャビテーションを受けても、生活習慣や体質によっては効果を感じにくくなることがあります。また、脂肪の種類によっては「効果が出ない」という結果になってしまうことも。
キャビテーションの効果を実感するためのポイントと、キャビテーションが効果を発揮する脂肪の種類について解説します。

皮下脂肪と内臓脂肪の違い

「脂肪」とひとことで言っても、体内には大きく分けて皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があります。どちらもエネルギーを蓄えるという共通の働きを持っていますが、つく場所や性質が異なるため、減らしやすさやキャビテーションの効果にも違いが出ます。

まず、皮下脂肪はその名の通り、皮膚のすぐ下にある脂肪層です。

「皮膚の構造を示した断面図。表皮・真皮・皮下組織の層が描かれ、コラーゲンやエラスチンなどの位置をわかりやすく示したイラスト

二の腕や太もも、お腹、ヒップなど、外からつまめる柔らかい脂肪がこれにあたります。

皮下脂肪は、余ったエネルギーによって少しずつ蓄積されていくため、落とすのにも時間がかかりますが、キャビテーションの超音波が届きやすい層でもあります。そのため、皮下脂肪が多くそれによってサイズが大きくなっているタイプの人は、キャビテーションの効果を感じやすい傾向があります。

一方で、内臓脂肪は筋肉のさらに内側、内臓のまわりにつく脂肪です。

皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の違いを示した断面図のイラスト

生活習慣や食事内容の影響を受けやすく、短期間で増減しやすい特徴があります。

見た目には目立ちにくいものの、健康リスクに直結しやすい脂肪でもあり、キャビテーションの超音波では到達しにくい層です。そのため、内臓脂肪が多いタイプの人がキャビテーションを受けても、効果を感じにくい理由のひとつになります。

そのため、「キャビテーションの効果がない」と感じた場合には、自分の体にどちらの脂肪が多いかを見極めることが大切です。皮下脂肪が中心であればキャビテーションとの相性が良く、内臓脂肪が多い場合は、食事改善や有酸素運動を組み合わせるアプローチがおすすめです。

効果を感じにくい体質や生活習慣

キャビテーションの効果を感じにくいのは、脂肪の種類だけでなく、施術後の生活習慣や脂肪の性質、サイズを大きくしている原因によっても変わります。

まず生活習慣の面では、暴飲暴食をしていたり運動不足だったりすると、キャビテーションの効果をしっかりと実感することが難しくなります。キャビテーションを受けたあと2〜3時間は脂肪が最も燃えやすくなっているタイミングです。しかし、この時間に食事をしてしまうことは、逆にエネルギーを吸収してしまうためこの時間の絶食が重要となってきます。また、「キャビテーションを受けたから安心」と思って運動を怠るとキャビテーションで破壊されなかった脂肪細胞がどんどん大きくなっていきます。破壊した脂肪細胞は基本的には復活しないと言われていますが、残っている脂肪細胞を大きくしてしまうことでリバウンドしたと感じることもあります。

次に脂肪の性質です。単純な皮下脂肪であればキャビテーションによってサイズダウンの効果を感じやすくなりますが、セルライトの状態になっていると効果を感じにくい場合があります。セルライトは脂肪組織が線維化することで皮膚に凸凹となって現れるとされています。そのため、キャビテーション時のマッサージによる効果で多少柔らかくなった感じは出ますが、根本的な脂肪細胞を破壊するという効果は見込めないと考えていいでしょう。

最後に、脂肪太りではなく筋肉太りのパターンです。ふくらはぎに多いのですが、そもそも脂肪による太りではない可能性があります。つま先立ちになった時にこんもりと盛り上がってくるのは筋肉のため、筋肉にアプローチする施術を受けることで、改善される可能性があります。

このように、キャビテーションの対象とならない場合は、その効果を実感することが難しくなるため、施術前にしっかりとキャビテーションの対象かどうかを確認してもらいましょう。また、施術後の生活習慣についてもしっかりと指導を受けることが効果を感じるためには重要です。

セルライト(Cellulite)は、脂肪組織に線維化が生じ変性をきたし、皮膚に凸凹となって表れた皮膚の状態を指す[1]。

引用:Wikipedia セルライト

キャビテーションのメリット・デメリット

施術者が横になった女性のお腹にキャビテーション機器をあてて施術している様子の写真

リバウンドをしにくくて切らなくてもいいならメリットしかないじゃん!と思うキャビテーションですが、効果が大きい分、少なからずデメリットも生まれます。メリット・デメリットを見てみましょう。

ダウンタイムがないのが最大のメリット

キャビテーションは切らない施術であり、脂肪細胞のみをターゲットに働く超音波のため、他の組織へ影響を与えません。ダウンタイムなく受けることができる点はキャビテーションの最大のメリットと言えるでしょう。

骨伝導音が響くデメリット

ダウンタイムなく受けることのできる施術ですが、デメリットもあります。
キャビテーションで発せられる超音波が骨を伝って耳に「きーん」という音を伝えます。これを骨伝導音と言いますが、この音は骨が近い部分はより大きく聞こえることもあり、人によっては気分が悪くなったりすることもあります。
骨の近くを避け、脂肪の多い部分のみへの施術や、効果は下がりますが出力を低くすることで骨伝導音を抑えることもできますので、お気軽にご相談ください。

肝臓に負担を与えることも

キャビテーションで破壊された脂肪は肝臓で処理されます。そのため、施術後は肝臓に負担を与えてしまいます。
肝臓へのさらなる負荷を抑えるために、アルコールやタバコは控えることが大事です。

脂質の代謝。
脂質を分解しエネルギーを作り出すことができる[9]。胆汁酸はコレステロールの代謝産物である[11]。

引用:Wikipedia – 肝臓

キャビテーションキャビテーションが「効かない」を「効かせる」ためにできること

キャビテーションが「効かない」を「効かせる」ためにできること

「キャビテーションが効かない」は少しの工夫やコツで「効く」に変えることができます。

継続すること

「キャビテーションは1回でも効果を実感できる」とよく聞きますが、1回で実感できる効果はせいぜい「脂肪が柔らかくなったな~」程度です。美しくなることに継続はつきものです。少なくとも3〜5回ほどは受けるようにしましょう。

食事内容に気を付ける

高カロリーな食事は脂肪細胞を大きくすることにつながります。また、大きくなった脂肪細胞は、食欲を抑制する物質の分泌を低下させます。そのため、食べ過ぎにつながる可能性があり、悪循環となることが考えられます。
高カロリーな食事は控えるようにしましょう。

高カロリー摂取や運動不足などによって脂肪細胞は次第に肥大化していき、肥大化脂肪細胞となる。

引用:Wikipedia – 脂肪細胞

施術後はデトックスを心がけて

破壊された脂肪細胞は血液中に流れていきます。そのままにしていては、老廃物は流れていきません。

  • リンパマッサージで血液の流れを良くしましょう
  • 水分を摂取し、老廃物が流れやすい体づくりを
  • 岩盤浴などで体を温めデトックス作用を促すのもおすすめです

適度な運動を

キャビテーション後2週間は脂肪が柔らかくなり、ダイエットに最適な期間です。この期間は特に集中して運動するように心がけましょう。
その後も適度な運動を続けることで、キャビテーションにより得た効果を持続させることができます。

脂肪タイプに合わせた組み合わせ施術で効率アップ

椿クリニックでは、キャビテーションと組み合わせて、相乗効果を得ることができる施術をご用意しています。

皮下脂肪にはキャビテーション+脂肪溶解注射

皮下脂肪が多いことによる皮膚の厚みには、キャビテーションに加えて脂肪細胞を溶解してくれる脂肪溶解注射がおすすめです。

脂肪溶解注射の主成分である「デオキシコール酸」が、皮下脂肪を構成している脂肪細胞を溶かして排出してくれるため、痩せたいところだけの部分痩せが叶うのが特徴です。

キャビテーションと同様に、脂肪細胞を減らしてくれるため、このふたつを組み合わせることでより効果的な部分痩せが叶います。

ただし、脂肪溶解注射もターゲットとする脂肪層は皮下脂肪のみのため、施術を受ける前にしっかりと医師に診察してもらうようにしましょう。

脂肪溶解注射について詳しくはこちら

内臓脂肪タイプは食事・代謝改善を優先

内臓脂肪によってお腹周りのサイズが大きくなっているタイプは、キャビテーションを受ける前に食事の改善や、運動による代謝の改善を行ってみましょう。

内臓脂肪が原因の場合は、先にキャビテーションを受けて「効果がなかった」と落胆してしまうよりも、内臓脂肪が減ったことで「お腹周りのキャビテーションは必要なかった」と気づくこともあります。その分、二の腕や太ももなど他の気になる部位に使えることも。

まずは体のサイズが大きくなっている原因を見つけることから始めてみましょう。

代謝を上げてキャビテーションの効果をサポート

体の代謝自体を上げてくれるダイエット点滴・注射も同時施術をおすすめします。

ダイエット点滴・注射のポイント
新陳代謝を促進し、体脂肪の増加を抑制します。また抗酸化作用、美肌効果、新陳代謝促進効果もあります。
脂肪を細胞内で燃焼させる効果があり、エネルギー代謝を高めダイエット効果を促進します。

ダイエット点滴について詳しくはこちら

まとめ

キャビテーションが効果を発揮するのは皮下脂肪に対してのみで、筋肉よりも奥深くに蓄積する内臓脂肪に対しては効果を発揮しません。そのため、キャビテーションを受けようと考えている方は、まずは自分の脂肪が皮下脂肪なのかどうかを確認することから始めましょう。

また、キャビテーションの施術を受けた後は食事や生活習慣にも気をつけて過ごすようにしましょう。施術を受けたから大丈夫と安心せずに、継続したケアが効果を左右します。

椿クリニックではキャビテーション、脂肪溶解注射、ダイエット点滴の3つをセットにした「3stepパーフェクトスリミングコース」もご用意しています。カウンセリングのみでも大丈夫ですので、ぜひ椿クリニックにご相談ください。

よくあるご質問

キャビテーションで脂肪細胞はなくなりますか?

キャビテーションは超音波で脂肪細胞の膜を壊すことで流れ出た脂肪を体外へ排出させる仕組みです。リバウンドしにくい施術ではありますが、キャビテーションの作用によって脂肪がなくなるわけではありません。

キャビテーションは危ないですか?

キャビテーションで破壊された脂肪は肝臓で処理されます。そのため、施術後は肝臓に負担を与えてしまいます。
肝臓へのさらなる負荷を抑えるために、アルコールやタバコは控えることで安全に行えます。

キャビテーションはすぐに効果を実感できますか?

キャビテーションを受ける事で、むくみが解消され即効性を感じる事ができるでしょう。適度な運動とマッサージを行うことで、脂肪細胞が排出されやすくなり効果の実感も早く感じる事ができます。

キャビテーションで痩せるには何回くらい通えばいいですか?

1回でむくみが取れ細くなった実感はできますが、脂肪を除去していくためには個人差はありますが1週間に1度の頻度で5回以上通う必要があります。

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この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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