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イソトレチノインでしつこいニキビを克服!その効果と治療法を徹底解説します

イソトレチノインでしつこいニキビを克服!その効果と治療法を徹底解説します

アメリカなどの諸外国では広く知れ渡っているニキビ治療薬のイソトレチノインですが、効果が大きい反面副作用やデメリットもあります。
この記事ではイソトレチノインの効果や副作用などを解説していきます。
重症のニキビや繰り返すニキビでお困りの方、イソトレチノインの使用をすでに検討されている方はぜひ今後の治療の参考にしてください。

※椿クリニックではロアキュタンもしくはアクネトレントを取り扱っております。

イソトレチノインの効果とその作用機序

イソトレチノインでしつこいニキビを克服!その効果と治療法を徹底解説します

イソトレチノインは重症のニキビ治療に用いられる内服薬ですが、その効果となぜニキビを改善するのかについて解説していきます。

イソトレチノインとは何か?

イソトレチノインとは、「アキュテイン」や「ロアキュテイン」「イソトロイン」「アクネトレント」といった商品名のニキビ治療薬の一般名で、ビタミンA誘導体を含む内服薬です。
イソトレチノインは重症化したニキビや、繰り返すループニキビの治療に使われます。

イソトレチノインには

  • ニキビの原因である皮脂分泌の抑制
  • 肌の異常な角化の抑制
  • アクネ菌が原因による炎症の抑制

などの効果があります。

イソトレチノインでしつこいニキビを克服!その効果と治療法を徹底解説します

皮脂腺の収縮と皮脂分泌の抑制

イソトレチノインには皮脂を分泌している皮脂腺を収縮させ、皮脂の分泌を抑制する作用があります。
この作用により、余分な皮脂の分泌がストップすることでニキビの原因のひとつである毛穴の塞がりを防ぐことができます。

異常な角化を解消し毛穴詰まりを防ぐ

過剰な皮脂分泌により毛穴が塞がれることがニキビの原因と前述しましたが、毛穴を詰まらせる原因は過剰に分泌された皮脂だけでなく、ここに古くなった角質が混ざることで角栓が作られ、毛穴を塞いでしまうことも原因です。
本来であれば、肌のターンオーバーとともに排出されていく古くなった角質が、何らかの原因で排出されず肌に残ってしまいます。そこに過剰に分泌された皮脂が混ざり合うことで、ニキビの元であるアクネ菌の出口を塞ぎ、毛穴の内部でアクネ菌が繁殖しニキビが出来ます。
イソトレチノインは異常な角化を解消してくれるため、毛穴詰まりを防ぐことができ、ニキビの改善につながります。

アクネ菌に対する抗炎症作用

イソトレチノインはアクネ菌に対して直接的な抗菌作用はありませんが、アクネ菌による毛穴周りの炎症を抑える効果があります。
毛穴の中でアクネ菌が繁殖するとそれを排除しようと免疫反応が起こります。この反応が起こることで、毛穴が炎症を起こしますが、炎症の強い毛穴では免疫反応が過剰に働いています。
イソトレチノインが免疫反応を抑えてくれるため、毛穴の炎症や赤みを緩和することができます。

重度のニキビ治療におけるイソトレチノインの役割

イソトレチノインでしつこいニキビを克服!その効果と治療法を徹底解説します

繰り返すループニキビや長引くニキビなど重症化してしまったニキビの原因や、イソトレチノインが推奨されるニキビの状態について解説します。

難治性ニキビの原因とは?

ニキビは日々の食生活や生活環境、ストレスやホルモンバランスの乱れなどが原因でできますが、ほとんどの場合1週間から1ヶ月ほどで治ることがほとんどです。

しかし、何度も繰り返すループニキビやなかなか治らないニキビは皮脂を分泌している皮脂腺がつながって肥大化している可能性があります。

皮脂腺は毛穴に複数存在しており、皮脂を分泌することで私たちの肌を潤す役目を持っています。しかし、ストレスなどで皮脂腺が活発化すると、皮脂が過剰に分泌され、古くなった角質と混ざり合うことで角栓ができ、毛穴を塞いでしまいます。
塞がれた毛穴の中ではアクネ菌が増殖し、毛穴を炎症させ周辺の組織を破壊していきます。破壊された組織から隣接する皮脂腺とつながることで皮脂腺が肥大化し、自然には治ることのない肥大化した皮脂腺が、繰り返しニキビを作っています。
これがループニキビができる原因です。

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ストレスを受けると体内の活性酸素が急激に増加して皮脂腺が活発になる

引用:Wikipedia – 皮脂腺

イソトレチノインの使用が推奨されるケース

イソトレチノインは以下のような方に適しています。

  • 皮膚科などのニキビ治療を2か月以上行っても改善が見られない方
  • 繰り返しできるニキビを治したい方
  • 顔以外にも、体にできるニキビも治したい方
  • 少ない治療回数でできるだけ自宅で治療したい方

イソトレチノインの使用ガイドラインと日本の状況

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イソトレチノインのアメリカでのガイドラインや、飲み方などをご紹介します。

アメリカでのガイドライン

イソトレチノインは欧米では中程度から重症のニキビ治療の第一選択薬として位置づけられています。

欧米などの諸外国では重症ニキビの治療薬として、広く知られている内服薬です。
「ロアキュタン」や「ロアキュテイン」は、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)、日本でいう厚生労働省にあたる機関の認可を受けており、重症ニキビに高い効果を発揮する内服薬です。

アメリカ食品医薬品局(アメリカしょくひんいやくひんきょく、英語: Food and Drug Administration[4]、略称: FDA)は、アメリカ合衆国保健福祉省(Department of Health and Human Services, HHS)配下の政府機関。連邦食品・医薬品・化粧品法を根拠とし、医療品規制、食の安全を責務とする。

引用:Wikipedia – アメリカ食品医薬品局

日本での治療費と自由診療

アメリカでは認可を受けていますが、日本では未承認のため、自由診療での購入となります。
また、医師が輸入し患者様へ処方することは許されていますが、個人での輸入は禁止されているため、必ず医師の診察を受けて購入するようにしましょう。
椿クリニックではロアキュタンもしくはアクネトレントをご用意しています。

イソトレチノインの飲み方

一般的に1日1回20mg錠を内服するところからスタートするクリニックが多いですが、10mgからスタートするクリニックもあります。
医師の指示をきちんと守り内服していく必要があります。
イソトレチノインの主成分であるビタミンAは脂に溶けやすい性質を持っているため、食後に内服することで効率よく吸収されます。

イソトレチノイン治療の期間と注意点

イソトレチノインでしつこいニキビを克服!その効果と治療法を徹底解説します

イソトレチノイン治療を始める前に知っておきたいことをお話します。

治療期間の目安

イソトレチノインの効果は、早い人で1ヶ月から出始める人もいますが、ほとんどの場合2〜3ヶ月ごろからニキビの改善が見られ、4ヶ月ごろになるとニキビ改善の効果を強く感じることが多いです。
椿クリニックでは1〜2ヶ月の治療期間から始め、その後は医師の診察にて肌状態やニキビの改善具合を見ながら進めていきます。

初期の症状悪化とその対処法

イソトレチノインを飲み始めて1ヶ月ぐらいすると、一時的にニキビが増悪することがありますが、飲み続けていただくと徐々に改善に向かっていきます。

定期的な診察と血液検査の重要性

イソトレチノインをスタートする前に飲んでも問題がないか血液検査をさせていただきます。
検査結果に問題がなければ治療をスタートします。
開始後は2ヶ月に1回、副作用(主に肝機能の障害)の問題がないか確認するための血液検査をお願いしています。

イソトレチノインの副作用と内服できない人

イソトレチノインでしつこいニキビを克服!その効果と治療法を徹底解説します

イソトレチノインはニキビ治療に非常に効果的ですが、その分副作用も大きく出ることがあります。副作用を知ってイソトレチノインと上手に付き合っていく方法をご紹介します。

主な副作用一覧

イソトレチノインの重大な副作用として、流産や胎児奇形などがあります。そのため、服用中および終了から1ヶ月間は妊娠、授乳、献血はしないようにしてください。

その他にも

  • 光過敏
  • 皮膚や粘膜の乾燥
  • 皮膚や爪の菲薄化
  • 眼角膜障害
  • 脱毛
  • 発疹
  • 精神障害
  • 肝機能の低下
  • めまいや頭痛
  • 嘔気や嘔吐
  • 倦怠感

などの副作用が考えられます。

参考:厚生労働省 – アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について より

内服できない人

イソトレチノインはビタミンAが主成分となっているため、ビタミンAのサプリメントなどを服用している人は内服できません。ビタミンAの過剰摂取により発疹や肝機能障害などが考えられます。

他にも以下の方は内服ができません

  • 妊娠中、授乳中、妊娠の可能性のある方
  • 肝機能障害のある方
  • うつ病などの精神疾患を抱えている方
  • ビタミンA過剰症の方
  • ステロイド薬を内服している方
  • イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤、ビタミンAでアレルギー反応を起こしたことのある方
  • 15歳未満の成長期で身長が伸びている方
  • テトラサイクリン系の内服をしている方
  • 大豆アレルギーの方(アクネトレントには大豆の成分が含まれているため)

これらに該当する方は医師にご相談ください。

イソトレチノイン治療のメリットとデメリット

イソトレチノインでしつこいニキビを克服!その効果と治療法を徹底解説します

イソトレチノインは効果が大きいというメリットがありますが、その反対で内服中の規制もいくつかあります。メリットとデメリットを解説します。

治療のメリット

今までなかなか治らなかった繰り返すニキビをしっかりと治療できるのがイソトレチノインのメリットです。
通常は0.5mg〜1.0mg/kgを1日1回服用し、12〜16週の治療期間で約9割の患者が総摂取量150mg/kgで良い治療成果が出たとFDAは発表しています。

治療を始める前に知っておきたいデメリット

イソトレチノインは胎児に影響を与える恐れがあるため、妊娠中や授乳中は服用することができません。また、女性の場合は、正常な月経がはじまって2、3日経ってからの服用をすすめています。妊娠を考えている方はしっかりとスケジューリングをする必要があります。

光の感受性が高まり、肌へのトラブルが考えられるため、治療中から治療終了後1ヶ月間はレーザーや光治療などは避ける必要があります。また、日焼け対策もしっかりと行ってください。

イソトレチノインは皮脂分泌を抑える効果があるため肌が乾燥しやすくなります。化粧水や保湿クリーム、リップクリームなどでしっかりと保湿するように心がけましょう。

参考:Wikipedia – イソトレチノイン

まとめ

重症のニキビにイソトレチノインは非常に効果的です。継続して内服することで、約9割の患者に良い成果が得られたという結果もあります。しかし、効果が大きい分副作用やデメリットもあり、内服を検討している方は事前に副作用を把握しておくことが重要です。
あなたのニキビがイソトレチノインの適応かどうかお悩みの方は是非一度椿クリニックにご相談ください。

この記事の監修医師

この記事の監修医師

医療法人社団 育麗会 理事長
椿クリニック 総院長

田邊 俊成

1957年12月30日に埼玉県に生まれる。昭和63年に埼玉医科大学を卒業後、皮膚科医としてのキャリアをスタート。その後、都内の大手美容外科にて技術指導医を務め、美容医療分野での深い経験と専門知識を持つ。

平成19年に独立し、愛知県名古屋市に美容皮膚科「はなえクリニック」を開設。その後、銀座、名古屋、心斎橋に展開する美容皮膚科「椿クリニック」の総医院長に就任。平成25年には医療法人社団育麗会を立ち上げ、都市部を中心に先進的な美容医療を提供している。

田邊先生のプロフィールはこちら

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